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京呉服わき ごふくや日記

着物って楽しい!
呉服屋の女将の独り言?楽しいことや裏話、思うままに・・・

着物リメイク~附下をコートに~

2016-08-19 18:06:10 | 着物リメイク
このところ、台風の影響なのか変なお天気が続きますね。

オリンピックも終盤、先日のバドミントン、女子シングルス、ダブルス・・
ライブでついつい最後まで見てしまい 寝不足気味の日が続いております
レスリングもシンクロも、競歩も、それから400メートルリレーも
最後まであきらめない若い選手の皆さんから、元気をもらう夏です。


さて、今日の本題です。
オリンピックに元気をもらっているこの夏ですが、
着物業界にとっての夏は お客様がお着物をご覧いただくのには気分の乗らない時期です

そんな時期、お勧めしたいのは今お持ちのお着物のお手入れやリメイク
先日より羽織から名古屋帯を作ったことなど、少しずつご紹介していますが
今日は附下からコートに仕立てなおした例をご紹介します。

ブログにアップすることを考えて、附下の状態をほどく前に写真を撮っておけばよかったのですが
考えがそこまで及ばないのが私です・・・

洗い張りをして、しみもきれいになった状態ですが、せめて「ビフォー」の参考にご覧ください。





上前から後身頃に続く柄です。






上前の肩と裾の柄。





後ろ身頃の柄。


解りにくくて申し訳ありません


このお着物は、お若い時から着物大好きなI様が、20代の頃、自分でお求めになった初めての着物と伺っております。
鮮やかな水色がきれいな、生地も染もしっかりとした附下です。

若いころよくお召しになったそうですが、さすがに色が派手になり、長い間タンスに入っていました。

思い入れのある着物なので 何とかならないかな・・・
着物としては派手ですが、コートならいいかも・・

ということで、
まず、洗い張り、そして白い胡粉の部分に出ていた黄色いシミをきれいにして
仕立て屋さんと相談に入りました。


小紋や紬ならば柄を考えることがないので簡単なのですが
そもそも附下でしたので、柄のある位置が決まっています。
袖の部分はそのまま使うとして、衿肩あきに切り込みがあるので、柄をどう持ってくるか悩みどころでした。

でも、それだから思ってもない楽しいコートができるのですが・・


出来上がったコートはこちらです。





衿の形は、今回、着物衿にしました。
柄はもとのようにつながってないですが、個性的で面白いコートになりました。





後ろです。
もともとメインだった柄を、後ろ身頃に持ってきました。
もっとおとなしい柄を裾に持ってくることもできたのですが
コートなので、これくらい大胆な方が面白いですし、
何よりお客様のI様もこの方がお似合いになりそうで また着こなしてくださると思いましたので。





こちらの写真はコートの裏になります。
表に出なかった柄はこうして裏に隠れています。





そして、ここはお客様のオリジナル。
普通よりコートの衿の巾を少しだけ広く、着物の襟がすっぽり隠れる巾に注文しています。

コートには、ガード加工をしてあり、着物の衿をすっぽりカバーできていますので
少々の雨や、傘からポタリと落ちる雫も安心・・というわけです。


お客様のI様は、こうしたリメイクもどんなのができるかと楽しんでくださるので
私や仕立て屋さんにとっても楽しいお仕事としてお受けしています。

このコートをお召しになったとき、周りのお友達と
「あら、素敵なコートね!」
「あ・・これね、実は若い時の附下だったのよ~~」
なんて、会話が弾むのではないかと想像すると、また嬉しくなってしまいます。


着なくなった着物を、リサイクルに持ち込んでみたら二束三文で・・・と
がっかりしたというお話をよく聞きます。

着物がお好きなほど、また、そのお着物に思い出や思い入れがあればなおさらです。

それならば、少し手を加え、もう一度生き返らせてあげることは
着物にとっても、自分自身のためにも幸せな事ではないかと・・・思います。



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着物リメイク 素敵な帯に・・・その2 

2016-07-21 12:31:23 | 着物リメイク
西の方から梅雨明けのニュースも聞かれますが
東京、今日はしとしとと雨

週末からのバーゲンの準備をしつつ
先日の、リメイクの続きです


今日、ご紹介するのは、
どうしたものか・・・と、しまっておかれた反物を帯にされたお客様の場合。
以前に、「着ない羽織や着物から、帯ができますよ」
とお話ししていたことがあって、相談にお持ちくださいました。




まずはこちら。
以前に、他店で衝動買いされた?小紋の反物。
お仕立てせずに、ずっと、お持ちになっていらっしゃったみたいです。

柄も悪くないし・・・と思うのですが、ご本人曰く
「好みじゃなくて、着物に仕立てても着ないと思う・・

う~ん、その気持ちなんとなくわかる気もします。
他の人から見たら素敵でも、どうも自分らしくない色や柄、ありますよね。

確かに無理に着物に仕立てても、着ないのだったらかえってもったいないです。
帯に仕立てて、どんどん使った方がいいかもしれません。

と、いうことで・・・こうなりました





要するに、総柄の染帯です
動きがあって、程よい大きさの柄、帯にしたら、素敵です。
たぶんお客様がこの雰囲気の小紋をあまりお召しにならないということは
お着物は、シックなものや無地感覚のもの、シャープなものがお好みです。
ですから、逆に、着物では好まない、こういう柔らかな色、柄の帯は
意外に合わせやすいと思います。

そもそも小紋ですので、全通柄の名古屋帯になり
どこを出してもOKという初心者にも嬉しい帯です。





もう一点が、こちらの附下です。
お母様のお着物だったそうで、洗い張りをしたまましまってあったようです。

見せていただいたところ、少し古いものですので、若干のシミや色やけもありました。
お好みですが、クジャクの羽の個性的な柄。
附下に仕立てて、着る機会は?と総合的に判断して
やっぱり、帯にすることに・・・


こちらは、柄があるので、帯にした時を考え、すべての柄を見て「いいトコ取り」
どの柄を使うかもお好みですが・・・
いろいろ考えて帯の仕立て屋さんと相談する過程は、私にとっても楽しい時間です。



お太鼓の部分は、こうなりました。








前の柄はこんな感じ。


先日の黒絵羽織から作った帯と同様、柄を出すために、何か所か締めたら隠れるところに
剥ぎを入れています。
少しあったシミも、なるべく隠れるように・・
そして、帯に仕立ててしまうと、そんなに目立たなくなりました。


前回と今日、ご紹介したのは、半巾帯以外は普通に名古屋帯仕立てにしましたが
お好みにあう仕立てや、附け帯などもできます。


一番帯にリメイクさせていただくのは、やはり羽織が多いです。
丈が短い、絞り、黒絵羽・・・実際「箪笥の肥やし化」しているかも・・

よく着物を着なくなった方から「箪笥の肥やしよ~~」なんてお声を聞くたび
悲しい思いをするのですが
わきでは箪笥の「肥やし」とは言いません
箪笥の「宝」といいますよ

確かに、もうどうしても使えないものもあるとは思いますが
そのままでは着られないものも、すこ~し目線を変えて、お手入れしてあげると
新しく生まれ変わる可能性も・・・

締めきった箪笥、開けてみてはいかがでしょう


さて、リメイクのお話しはまだまだ続きそうです。

今回ご紹介したお客様は、小紋も附下も帯にするだけでは
まだ生地が余っています。
そこで、今、その余りの生地をバックに仕立てに出しているところです。
出来上がりましたら、また、ご紹介したいと思います、。

さらに、また別のお客様。
若い時に初めてご自分で購入されたお気に入りの附下を、コートにリメイク中。
こちらも仕上がったら、アップしたいと思います
お楽しみに・・・


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着物リメイク~こんなに素敵な帯ができました~その1

2016-07-18 11:54:27 | 着物リメイク
皆様、連休は、いかがお過ごしでしょうか?

今日は、着物はリメイクするとこんなに生まれ変わりますよというお話です。

その中でも、これが結構楽しくてはまりそうな帯へリメイクなさった例をご紹介したいと思います。

まずは、第一弾、着付け教室に通ってくださっているお客様の羽織2点です。









どこのお家のタンスにも眠ってそうな、黒絵羽の羽織と、総絞りの羽織。
当時はやった長さなので、丈も短めで、今着るには少々おしゃれ感に欠けます。
タンスにしまっておいても、もったいないので生き返らせることにしました。


黒絵羽の方は、刺繍の木立の柄が、帯にしても素敵そう・・・と
名古屋帯にすることにしました。


羽織をほどいて、洗い張りし、折れ筋などをきれいにしてから
何か所かある柄の中から、お太鼓部分にする柄と、前に出る柄に、良さそうな部分を選んで
見えない部分で、数か所剥いで一本の名古屋帯に作りました。






お太鼓になるところはこんな感じ





前に出るところは、樹が横になってしまいますが、これはこれでまた、いい感じです。



総絞りの羽織は、半巾帯にしました。





前見頃は衿部分が欠けていますので、巾の取れる後ろ見頃2枚と、袖2枚をつなぎ合わせて
ちょうど、使いやすい半巾帯の長さになりました。
3か所、剥いでいます。





アップにすると、剥いであるのが分かるかと思いますが、
締めてしまえば、目立たないので気になりません


そして、先日の着付け教室で、着付けのお稽古をして
この帯を締めてみられました。

着物は、以前に誂えていただいた黒白の細かい格子、遠目にはグレーの無地に見えるシンプルな塩沢です。
帯の合わせ方で、イメージが変わり着回しのきく一枚です。




後ろ。なかなか素敵





明るめの小物合わせで、お嬢さんがお召しになってもいいですねと・・・





色のトーンを揃えて、少し落ち着いた大人の感じ。

黒地の染帯って、持っていると便利です。
素敵な名古屋帯が一本増えました








同じ半巾帯でも、こんな絞りの帯だとなんとなく高級感あります。

紬や小紋に気軽に締めていただけると思います。


第二弾は次回に・・・
タンスにしまってあった反物を帯になさった例をご紹介します。




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