お宿&かふぇ 布屋 《主人のひとりごと》

120年経った京町家を改修した民宿『布屋』

思い出の地 北海道その10(函館編)

2013年07月16日 20時59分14秒 | 旅先で
落部駅まで銀婚湯温泉のご主人に送っていただき八雲まで普通列車で戻ります。八雲からすぐの連絡で特急スパー北斗で函館を目指します。札幌駅で事前にグリーン車をキープしてあります。窓の外は噴火湾の海が広がります。



短時間でもJR北海道のグリーン席へは珈琲がサービスされます。ゆったりした気分で函館到着です。



隣のホームには明日乗る予定のスーパー白鳥が止まっています。



久しぶりに函館駅に降り立ちます。青函連絡船時代の駅舎は今はなく、新しい駅舎に変わっています。少し歩いて今回最後の宿泊ホテルに荷物を預けにゆきます。身軽になったので観光の前にお昼ごはんにします。僕的には居酒屋の伝道師?太田和彦が函館で必ず入るという駅前食堂の「津軽屋」を考えていましたが、温泉で和食だったのでお昼は洋食!とうちの奥さんに指示されます。函館で洋食ということはここしかありません。十字街の市電停留所の近くにあるお店に向かいます。



創業明治12年という老舗「五島軒」です。フランス料理のフルコースから気軽なお昼の定食まであります。古めかしい建物のドアを開けて中に入るとなんと満席です。旅をしていると曜日の感覚がなくなりますが今日は土曜日だった。暫く待つと、恭しく黒服を着たかなり年配のボーイさん(おじいさんと呼べるくらい・きっとずっと働いてらっしゃったんだろうな)が席へ案内してくれます。メニューを開くと、なんか懐かしい内容に思わず悩んでしまいます。でもここは最後のランチなのでちょっと奮発。



創業当時と同じレシピで作られるカレーと海老フライ、おまけにビーフシチューもついたこれでもかの「明治の洋食&カレー」セット¥2100と決定。するとうちの奥さんも食べれるかなーとか言いつつ同じものをオーダーします。ホンマに食いしんぼですね。食後のデザートが



また懐かしい器に入ったアイスクリーム。添えられたウエハースが最高に懐かしい。満足満足。お店を出ると函館観光と行きます。



聖ヨハネ教会、ハリスト正教会と坂道に寄り添うように函館名所が並んでいます。小樽同様ここも中国系の観光客がたくさんいます。



重要文化財の旧函館区公会堂です。テラスからは函館港が臨めます。ゆっくり館内を見ていると「ハイカラ衣裳館」とあり、いにしえの明治の洋装になり記念写真をいかがですか?なんてポスターが貼られています。まさかこんなところでそんなことする人いるの?という我々の前をドレスに着かえたカメラマンを連れた女性が現れます。へーっ。テラスで記念撮影。階下に降りると件の衣裳コーナーには衣裳合わせ真っ最中の女性がチラホラ。清水寺近くで舞妓さんになる女性たちと同じなんだと納得して、一旦ホテルへ戻ります。函館駅に近いホテルの部屋からは



懐かしい青函連絡船(メモリアルシップ)が真正面に見えます。最初にも書いたように学生時代に何度も青森~函館を行き来した船です。大阪発の「白鳥」の他に上野からの急行「八甲田」や「十和田」たまに特急「はつかり」とかでも渡道していました。大学4年の時と、余計に行った5年の時は京都にいるより北海道にいる方が多かったという今の就活に追われる学生には考えられない時代ですね。昔話はさておき夕暮れが近づいてきました。函館といえば「夜景」です。それだけ北海道に来ていたのに夜景を見た記憶がない我々は今回初めて函館山に登ります。市電で宝来町まで行き、ロープーウエイの「山麓駅」まで歩きます。ロープーウエイの駅には結構人が並んでいます。でもすぐ搭乗。往復で一人¥1160もします。たぶん貧乏学生の頃は高いから敬遠していたかもしれません。超近代的なロープーウエイは3分で標高322メートルの山頂へ。



まだ夕暮れの状態ですが既に前の方は人で一杯です。風が強くてかなり寒い。襟裳ほどではないがウインドブレーカーがないと相当寒い。徐々に函館の街が日暮れて、ポツポツ照明がつきだすと、どんどん人が増えてゆきます。観光バスは直接上まで上がれるみたいであっという間に中国系の観光客でいっぱいになります。



さすが「世界三大夜景」です。でも寒いのと予想以上の人出に圧倒され、帰りのロープーウエイが混む前に退散です。下に降りてきたら山麓駅は団体さんの長蛇の列です。どこにこんなに人が泊まってるの?というくらいの外国人の集団です。我々はあきれ顔で今夜の居酒屋に向かいます。予てから函館では居酒屋に絶対に行く!と宣言しているうちの奥さんが満足できるか解りませんが太田和彦の本に出てくる「松風町」にある海鮮処「函館山」に向かいます。また函館山です。市電で松風町で降りるとなんか昔はもっと賑わっていたであろう繁華街が更地があちこちにあり寂れた感じです。目指す「函館山」はそこだけ明るい光を放ってます。



昼間のボリュームあるごはんのおかげでうちの奥さんのテンションもちょっと低めですが夜8時というまずまずの時間なのでお店に突入です。ガラガラ・・こんばんは。ところが3組も待っている。ここは待つしかありません。2階では盛大な宴会の声がします。少し待ってカウンター席へ。カウンターの下は生簀になっていて魚やイカが泳いでいる。ここで刺身盛り合わせ(ボリューム満点)函館に来たからには「塩水雲丹」それとホタテの焼いたのと名物グリーンアスパラの天ぷら(1本まるまる)地魚の煮つけ、ほかほかジャガイモ、〆に寿司盛り合わせと満腹。頭に白手拭の女将さんの溌剌とした接客ぶりも特筆モノです。本当は隣で食べていた「マイカの刺身」(「はい」って女将さんが持ってきたらまだ足がぴくぴく動いている)や「トロほっけ」を頼もうとしたが「二人ではちょっと大きすぎるわね」と言われて諦めたことを今でも覚えているうちの奥さんでした。(ホンマ食いしんぼですね)満足してぶらぶら歩いてホテルへ戻ります。あっという間の7日間も明日が最終日です。いよいよ最終回です。つづく。