お宿&かふぇ 布屋 《主人のひとりごと》

120年経った京町家を改修した民宿『布屋』

秋を訪ねて”06「柳生街道を歩く」その4

2006年11月28日 14時51分09秒 | 旅先で
近鉄奈良駅から10分くらい歩くと奈良町があります。古い町家を改修してお店が増えた京都と同じように、ここ奈良でも古い家を改修したお店があちこちあります。去年はカフェの「カナカナ」に行きましたが、今回はオープン以来最多宿泊のTさん大推薦の奈良町豆腐庵「こんどう」にお邪魔しました。100年位経った町家を改修したお店は、静かな奈良町の一角にあります。豆本来の甘みがある「豆乳」から始まる豆腐尽くしコースは紙なべの湯豆腐(IHヒーターを使って何ゆえ紙なべが出来るのかも不思議ですが)から最後の豆乳入りゼリーまで湯葉とお豆腐尽くしですが、味に変化がありなかなか楽しませてくれます。店内に設えられた山野草や骨董の器がとてもセンスよく、何処に行っても何かぶつくさ言う、うちの奥さんも「勉強になるわ」と言うほどです。奥に大きな椿が咲く庭があり、女将さんが、さりげなくその椿を店内に飾ります。広さの割りに席数も抑えてありますので予約が必要ですが、また訪れたいお店でした。今回は電車が遅れたりと不安なスタートでしたが、紅葉もお豆腐も満足いく結果で、秋から冬も頑張ろうと言いつつ近鉄電車で帰途につきます。

秋を訪ねて”06「柳生街道を歩く」その3

2006年11月25日 16時33分56秒 | 旅先で
11月の最後の週の土、日。紅葉の名所は多分すごい人出でしょう。でも「かふぇ布屋」は毎年閑散としています。友人たちからよく「この時期忙しいやろね」と言われますが、ところがそうでもありません。宿泊の問い合わせは朝からかなりありますがお気の毒ですが京都の今日、明日は当日電話では簡単に予約は難しいでしょうね。さて柳生のつづき。のどかな山里の柳生ですが、完全に車社会になっていて、結構大きな観光駐車場を見かけます。そんななか小高い山の中腹にある芳徳禅寺を訪ねました。柳生街道同様の歩きにくい石畳の山道を登ってゆくと、ここも思っても見ない紅葉が拡がります。お寺の入口にある賽銭箱に拝観料¥200を入れ、誰もいない本堂に入ると奥庭にも紅葉の木があります。「静」です。暫くぼんやりした後奈良へ戻るバスが夕方2本しかないためバス停へ急ぎます。今年は思わぬところで秋を感じられました。そしてもうひとつの目的である奈良町の豆腐料理店へ向かいます。つづく。

秋を訪ねて”06「柳生街道を歩く」その2

2006年11月24日 17時24分36秒 | 旅先で
奈良からの柳生街道の中間点くらいにある古刹「円成寺」は思っても見なかった紅葉が美しく、歩きにくい滝坂道を越えてきた我々をほっとさせてくれました。庭園は平安末期に築かれた浄土式の庭で、浄瑠璃寺の庭を思わす池が楼門の前にあり、そこに紅葉が美しく映え、京都の喧騒がうそのような静かな佇まいです。800年以上前からこの山里にあるこの寺は、奈良の奥深さを感じます。この時我々は大きな問題を抱えています。朝早く出かけてきて、奈良駅の売店で買ってきたお昼ごはんを食べる機会を電車の遅れと通行止めで逃しています。ここから柳生へのバスはあと40分ほどで発車します。しかし団子より花ということで、ここは円成寺を拝観することにします。そして13時46分発の、のどかなバスの中で、我々は周囲の眼も気にせずお昼ごはんを食べます。普段子供たちには通学途中のバスとか電車でモノは食べてはいかんと教えていますが、今日は特別です。なにしろ12キロくらい歩いて来たから。食べ終わるころバスはのどかな柳生の集落に到着しました。つづく。

秋を訪ねて”06「柳生街道を歩く」その1

2006年11月23日 19時41分11秒 | 旅先で
11月21日第3火曜は月1回の丸1日の休日。ご予約のお問い合わせで「11月のシーズン中でも休まはるんですか?」という厳しいご意見もありますが、布屋はお休みします。さて8時の奈良行き急行に乗り一路柳生へ。京都で座れてやれやれと思っていたら、なんか何時になくこの電車ゆっくり走ります。遅れることが多い近鉄ですがなんか変?と思っていたら、奈良まであと20分くらいの「高の原」で濃霧のためこの電車は運転を打ち切りますと車内放送。あれれ・・・。1本でいける所が乗り継ぎ2回でやっと奈良へ。予定を30分遅れで新薬師寺近くの柳生街道入口へ。ここから3時間のハイキングコースへいざ出発。ところが前夜からの雨のため道はぬかるみ、落ち葉に足をとられます。その昔柳生藩が石畳を敷かせたという「滝坂道」は結構歩きづらいです。途中にある「地獄谷石窟仏」を目指しますが、なんとここも途中まで来たのに「この先落石のため通行禁止」。ここでも30分ロスタイム。江戸時代から続く峠の茶屋を越えると、のどかな景色に和みます。が、次の目的地「円成寺」から柳生までのバスは13時台に2本あるのみ。これを逃すと夕方までないので、とにかく「円成寺」へ急ぎます。お昼ごはんが・・・食べる間が無い・・・。つづく。

日本料理二題その2「乃し」

2006年11月07日 20時24分08秒 | 京都で食べること飲むこと
今日は立冬。昨日までの暖かい日から一転して木枯らし1号が吹く寒い一日でした。暑くもなく寒くもない、いい気候の時はホント短いですね。さて、ここ3日間のお客様はハワイから表千家のお茶会にお越しの5人のグループです。3泊とも貸切なので、毎日朝から和やかに過していただいています。オモテの間がリビング的な利用が出来る5人の貸切がうちのベストです。毎日キモノでお茶会に出向かれていますがお天気で何よりでした。さて日本料理屋の2軒目は北山駅に程近い「乃し」。最近北山に引越しされて、以前に比してお店も風格が出てきましたが、ここで値上げをしない潔さに良心を感じます。10月の献立はまづ先付けに「白粥が入った茶碗蒸しにぷりぷりのイクラ添」(写真)「汲み上げ湯葉にすだちのゼリー添」「造り三種」「鯛の身丈松茸添」「鯵の鮨」「鰆の幽庵」「蕪の銀餡かけ」「季節のごはん」そしてデザートは「無花果と柿のシャンパンゼリー」これで¥5000。とてもゆったり出来る座敷とちょっと素人ぽい女将さん、そして、この値段でいいのと思わせるお料理。いい場所に移転すると簡単に値上げしてしまう店にはぜひこの心意気を見習って欲しいですね。

日本料理二題その1「御所雲月北店」

2006年11月06日 20時05分28秒 | 京都で食べること飲むこと
その昔ホテルに入社した頃だから27,8年前に3年ばかしそのホテルの別館に勤務していたことがあります。嵐山の渡月橋から川沿いに上ってゆくと旅館や料理屋が並んでいます。かの有名な京都「吉兆」を越して突き当たりにお寺の門みたいなホテルが見えてきます。ホテル「嵐亭」(らんてい)。ホテルとは名ばかりの日本風の旅館です。ホテルマンではなく旅館マンも3年ほど経験しました。フロント勤務ですが、あるときはお布団ひきから、舞妓さんの手配から、料理場とのやり取りやら、色んな事を学びました。そこで懐石料理について多少学んだわけで、これは今も結構役に立ちます。前置きが長くなりました。先日、以前から気になっていた「御所雲月北店」を訪ねてきました。古い町家を改修したお店でいただく野菜を主体にしたお料理はゆったりと頂けます。先付けは「ゴマ豆腐」そして「土瓶蒸し」「しめ鯖」「豆乳なべ」「造り三種(鯛うす造り、イカ、焼き鱧)」「かますの焼き物」「煮物(なす、生麩、小芋)」「穴子のてんぷら」「焼きおにぎりの椀物」(写真)そして「わらびもち」で¥5000。変な居酒屋でもこれ位かかるのに比べてなんと良心的な価格。しかも焼き物は料理長自ら炭火で仕上げてくれるという演出まであって大変結構でした。小さなお店なので要予約です。

パン屋巡り=「ブラウニー」のベーグル

2006年11月01日 17時17分44秒 | 京都で食べること飲むこと
ベーグルというパンはユダヤからのパンということをわが娘から教えてもらいました。最近このパンにはまっているわが娘はあちこち食べ比べていましたが、北大路にある「ブラウニー」が最近のお気に入りです。ここも実は三鷹のパン好き顧客の「S」さんに教わったお店です。彼女がいうにはここのベーグルはコストパフォーマンスが高いとのこと。大橋歩の「おいしいパンノート」に出ている東京のマルイチベーグルの価格帯を知りませんが、ブラウニーは大体一個¥136。パンプキン・チーズ(これは¥180)、いちじくとくるみ、さつまいも、ドライトマト&ガーリック、チーズ&レーズンとかが結構おいしい。僕が10個くらい買ってきて、うちの奥さんが半分に切って冷凍し、彼女が毎日食べてはります。この間も夕方4時頃ホホエミ経由で、ブラウニーまで自転車で行ってきましたが、ホント日が暮れるのが早い。ライトを持って行かなかったら、北大路でもう暗くなってきた。これからレンタサイクルご利用の方はライトも忘れず持って行ってください。