お宿&かふぇ 布屋 《主人のひとりごと》

120年経った京町家を改修した民宿『布屋』

「ありがとうございました」

2005年12月31日 21時24分21秒 | 布屋
今年一年色々応援していただきまして「ありがとうございました」。この間、梅や桜が咲いてやっと暖かくなったナーと思っていたら、あっという間に寒い季節がやってきて、そして今日は大晦日。宿屋を始めてから、時間が経つのがすごく早く感じられます。年末は「かふぇ」のお客様が少なく、「ひとりごと」が調子よく書けましたが、年の瀬も押し迫ると、それどころでは無くなりました。今、やっと年賀状を印刷するところまで来ました。なんか毎年同じようなことをしています。普段出来ない掃除や片付けをしていたら、あと数時間で新年です。宿を始めてこれで3回目のお正月を迎えます。最初の年は、休まずお客様にお泊り頂きましたが、2年目からはお休みしています。ホテル時代は、正月は仕事をするのが当たり前でした。2000年問題の年は、エレベータホールで各階に管理職が懐中電灯を持たされ万が一の時の案内係もやりました。翌年は21世紀幕開けのカウントダウンパーティの準備や接客でやはりホテルで新年を迎えてました。何時まで経っても似たような新年を迎える僕ですが、来年はもう少しゆとりを持った暮らしが出来ればいいなと思います。新年も相変わらず「布屋」をご愛顧いただきますようお願いして、ここに2005年最終回とさせていただきます。ところでこの写真は、整理していたら出てきた国鉄時代の切符です。昭和51年7月24日特急「ゆうづる」上野21時40分発青森までの寝台特急券です。なんでも残してある自分にちょっとあきれています。実は、「電車男」は、何処かに行きたくて、うずうずしています。そして18切符を今日1枚入手しました。お楽しみはこれからだ。では良いお年を。

想い出のマッチ物語「拾得」

2005年12月23日 21時46分02秒 | 京都で食べること飲むこと
今朝も気温がとても低く、寒い朝でしたが、積雪はありませんでした。それだけでもありがたいです。雪がすごいところにお住まいの方に、お見舞い申し上げます。
さて、このマッチのお店「拾得」は、今も健在です。ただ30年前にもらった、このデザインのマッチが今も、もらえるのかは解りませんのでここに登場してもらいました。拾得はおそらく京都に始めて出来たライブの店です。およそ30年前に蔵を改装してライブハウスにする発想がすごいです。蔵は音が外部に漏れないし、その当時の暗いライブハウスの雰囲気にぴったりです。当時この店の音楽の主流はブルースで、「ウエストロードブルースバンド」や「上田正樹とサウストゥサウス」なんかをよく聞きに行きました。ただ僕がその頃はフォークソングのほうが好きだったので、たまにフォークの「加川良」なんかが出ると、重い扉を開けてわくわくして店に入ったものです。カルコのご主人が率いる「ほうでん楽団」のジャズギターに参ったのも拾得でした。そう考えるとこの店の音楽は色んなジャンルをやっていたんだなと改めて感心しました。先日夕方うちでカレーを食べたお客様に、これからどちらに行かれるんですかと、なんとなく尋ねたら「拾得」で「下田逸郎」を聞きに行くという答えが返ってきました。うーん拾得はいまも健在なんだ。ちなみに、うちから歩いて5分くらいの丸太町大宮上がった東側にあります。

雪の日

2005年12月22日 16時17分49秒 | 布屋
全国的に寒波の朝を迎えた22日、京都も再び積雪に見舞われました。6時半にオモテに行灯を出した時には、雪は降っていなかったのに、7時を廻る頃には、あたり一面真っ白になり、お泊りのお客様も驚いていました。普段夜中に降り、朝起きた時に雪に驚きつつも、昼頃には溶けてあたり一面びちゃびちゃになっているんですが、今日は違います。昼過ぎても雪はやまず、12時頃でもまだ降っているのには驚きました。だから今日の「かふぇ布屋」は開店休業やろね、とふたりで言っていたら、なんと驚き、近くにある会社「ITP」の女の子たちが7名でカレーを食べに来てくれました。作事組の健田先生に作ってもらった大テーブルが7名で座るのに丁度いい大きさなので、ほぼ貸切で、楽しいお昼ご飯の時間になったようです。彼女たちは2人とか3人とかで、10日にいっぺんくらいは来ていただく、ありがたいお客様です。みな遅くまでバリバリ仕事をしているようで、この場所がちょっとした気分転換の場になっていればよいなと思っています。その後は予想通りどなたもお見えにならない、静かにビルエバンスのピアノが流れる布屋でした。

冬の東福寺

2005年12月21日 21時31分23秒 | 京都観光
12月20日、東福寺に行ってきました。今回は自転車を使わず、1日乗車券で、どれくらい時間がかかるかを調べるためにバスを利用しました。布屋から一番近いバス停「府庁前」から202番に乗ること25分くらいで「東福寺」に着いてしまいました。11月と違って東大路も道路が全然空いています。勿論バスも空いています。座っていけます。そして東福寺の通天橋には誰もいません。もみじは全部落ちて冬景色です。つい1ヶ月前の同じ日はスゴイ人だと推測されますが、境内も殆ど誰もいません。方丈庭園も全部で5人くらいしかいません。皆思い思いに庭の鑑賞をゆっくりしています。寒ささえガマンしたら、やはりシーズンをはずしてお寺を訪れるほうが良いかと思います。通天橋は冬でも拝観料が要りました。お客様に「冬は拝観料が要りませんよ」と先日申し上げましたが、誤りでした。ここに訂正してお詫び申し上げます。通天橋の下にある橋と勘違いしていたようです。やはり実際訪れてみないといけないと、痛感しました。そして、次の目的地に向かいます。つづく。

12月の雪

2005年12月18日 16時24分37秒 | 布屋
全国的に寒波が襲った朝、京都も雪が積もりました。桜や紅葉はある程度予測がついて、その自分なりの予測に合わせて宿泊予約が可能ですが、雪だけはなんともしようが無い。昨夜の予約の2名の方が「無断キャンセル」をされたので、もう一組の2名のお客様が自然、貸切になりました。庭に積もった雪を眺めつつ、2人だけの優雅な?朝ごはんになりました。いつも思いますが、二組しか泊まってもらっていない宿を、早くから予約しておいて(しかもこれが土曜日で)無断キャンセルをされる気がしれません。今回は、メールや携帯電話で到着時間を何度もお尋ねしましたが、メールは返事が無く、携帯電話は留守電になっているし、僕らは、来られるのを待っているしか方法がありません。他のお客様から、当日予約の電話がありますが、連絡が無くても来られる場合もあるから、ほかの予約は取れません。朝ごはんの仕込みもして、結果「むなしさ」だけが残りました。ご予約いただいているお客様は、くれぐれも最低前日までに確認のお電話かメールを、お願いします。折角の雪景色も台無しの朝でした。

想い出のマッチ物語「しあんくれーる」

2005年12月16日 17時17分19秒 | 京都で食べること飲むこと
冬型の気圧配置が強く、今朝ミセのガスファンヒーターをつけたら気温表示が4度でした。土間にしてあるので冷え込みが厳しいです。「かふぇ」は冬になると、エアコンの暖房とガスファンヒーター、そして石油ストーブと暖房3本立てでも、20度くらいしか行きません。町家のカフェは皆寒いですね。西陣にある「ひだまり」さんは冬にはコタツが登場するらしいです。「ほっこり」してなかなか帰れないかも。さて写真のマッチは「しあんくれーる」。今、結構人気があるエリアの荒神口にその昔あったジャズ喫茶です。かもがわ「さらさ」や「ホホエミ」に行く時に通る、荒神口の交差点北東角の今は空き地になっている所に、30年前に京都でも1,2番の人気のジャズの店がありました。僕と同じ世代の方には想い出の本である高野悦子著「二十歳の原点」に描かれている店でした。このマッチの横に書いてある住所は「河原町荒神口・電停前」。そうです当時は、河原町通りに「市電」が走っていたんです。そして薄暗い「しあんくれーる」では、コルトレーンやエリックドルフィーが流れていて、皆何事かを考えているのか、押し黙ったままで聞き入っていました。そんな頃が懐かしいですね。

ご近所のお奨め その6 入山豆腐店の「焼き豆腐」

2005年12月11日 18時24分29秒 | 京都で食べること飲むこと
12月9日から嵐山花灯路が始まりました。この寒いのに、嵐山でライトアップなんかして行く人がいるのかな?なんて思っていました。が、昨夜お泊り頂いたお客様が行ってこられた話しによると、竹林の小径は人で一杯だったそうです。寒さよりも幻想的なライトアップですよね。でも18日までですが、かなり寒いかと思われますので、暖かくしてお出かけ下さい。朝晩寒くなってきました。朝玄関に行灯を出す時、寒さが身にしみます。そんな冷たい空気の中、いつも漂う煙たい匂い。ご近所というか、町内にある「入山豆腐店」は今も大豆を薪で焚いてはります。大体午前6時半くらいに風向きによりますが、なんとも言われん、こげくさい匂いがします。煙突からは、もうもうと煙が上がっています。実家に引っ越した直ぐの頃は、火事かと思ったほどです。そんな入山さんには冬になると「焼き豆腐」が登場します。入山さんのおばちゃんが、これもいまだに、炭で丁寧に焼いています。これからの時期、すき焼きに最適です。ただし、いつもありませんので、やはり早い目に買いに行ったほうがよいみたいです。

想い出のマッチ物語「カルコ20」

2005年12月09日 21時41分15秒 | 京都で食べること飲むこと
お泊りのお客様に聞く限りでは、市内の紅葉は、そろそろ終わりのようです。今日帰られた方によると竜安寺はまだ綺麗だったとのこと。でも東福寺とかはもう落葉が始まっているようです。落ちた「もみじ」が地面を覆うのもまた綺麗です。さて、捨てられないものの中に喫茶店のマッチがあります。学生の頃によく行った店や、旅先で一度だけ入った店とか、マッチには思い出が詰まっています。何百と有りましたが、この改修の際に殆ど処分しました。で 捨てられないマッチの選り抜きをすこし紹介してみます。先ずは「カルコ」。京都の都ホテル(今はウエスティンと呼ぶのが正しいのかな)の前にあった喫茶店です。学生の頃京都で一番通った店のひとつです。1940年代のjazzがひっそりと「タマ」のアンプで流れている店でした。ここでフランスのギタリスト「ジャンゴ・ラインハルト」を覚えました。ギタリストのご主人と、素敵な奥さんが、ひっそりと店を開けています。ここのコーヒーやミルクコーヒーは今も覚えているくらい通いましたが、お店の人と打ち解けるということは無かったです。僕の理想的な「コーヒーが美味しくて、静かにjazzが流れ、静かに本が読める店」でした。残念ながら確か僕が25才くらいの時に閉店しました。閉店の際に、お店の看板とストーブを分けて貰いました。これも捨てられない「もの」のひとつです。

「赤垣屋」

2005年12月07日 16時18分10秒 | 京都で食べること飲むこと
12月に入り本格的に寒くなってきました。昨日は午前中、みぞれ交じりの雨が降りました。先週までまだ秋の続きのような気温だったのに、昨日カレーを食べに来ていただいた「花背」からのお客様は、出るとき50センチくらい積もっていたとのこと。どうりで寒いはずです。寒くなると「おでん」の季節です。「おでん」というと「赤垣屋」です。川端二条をすこし下がったところにある写真のネオンと赤い提灯が目印です。前を通りがかり、この赤い電気を見かけるだけで入りたくなりますが、なかなか今は、寄れないですね。初めて行ったのが学生の頃ですから、かれこれ30年は行き続けている店です。といっても年に2回もお邪魔しないんですが。男気のある、ふたりの店主(どちらが店主かよく知らないので)が元気よくお客さんに接しています。樽酒の前で、こだわりのお燗をつける方と、カウンター真ん中のまな板の前で、魚や鶏をさばく方の絶妙なコンビは、見ているだけで元気が出ます。先日も調子よく飲んでいたら帰り際に「はい、お帰り自転車お気をつけくださいましー」なんて見送られました。ホントいい店です。

清水寺のライトアップ

2005年12月02日 21時03分56秒 | 京都観光
甘味を味わった後は、秋の京都の代名詞にまでなろうとする紅葉のライトアップを訪ねることです。去年は10月に高台寺に行ったので、やはり代表的な「清水寺」に行くことにしました。清水さんまでは坂道と人が多いので自転車では行けません。今回は建仁寺に自転車を止めて八坂通りを清水まで歩きました。途中京料理の「建仁寺丸山」、てんぷらの「円堂」焼肉の「鹿六」と錚々たるお店が続き、八坂の塔のそばに「イルギオットーネ」があります。みんな横目に見て、二年坂、三年坂と来ると、どんどん人が集まってきます。月曜日でこれだけの人出だから、ここの昨夜はホントすごかったんだろうと想像できます。今日は流石に拝観券を買うのに並ばなくて済みましたが、清水の舞台は結構スゴイ人でした。そして、ここもやたら携帯電話で写真を撮っていますが、僕が持参したデジカメでも何がなにか解らん写真ですが、(暗いのが清水のもみじです)みんなちゃんと写ってるのかな?と思いつつ、昼間の紅葉のほうがよっぽど綺麗というのが、我々の結論でした。