お宿&かふぇ 布屋 《主人のひとりごと》

120年経った京町家を改修した民宿『布屋』

極楽浄土の世界へ

2014年06月26日 19時00分25秒 | 京都観光
先日また宿泊ゼロの日があり、うちの奥さんは前夜のお泊りのお客様の朝食を出し終わると、さっさと娘の友人の赤ちゃんを見に神戸へ出掛けてしまいました。残された僕は清掃作業を終えてから(午後1時になってしまう)さてどこに行こうと思案します。とりあえず市バス昼間回数券で京都駅へ。七条通りにある洋食の「七番館」でランチにします。最近FBのお友達?!になった前のホテルの同僚が「七番館」をアップしていて懐かしくなって出かけたお店です。



懐かしいランチは¥720です。これに珈琲までついています。ひとしきり満足して、そうだ電車に乗って「宇治」へ行くことにします。この時点で午後2時30分です。急がねば閉まってしまう。



でも快速奈良行を乗るのを見送ってわざわざ普通電車で行きます。(やっぱり鉄ちゃん)なつかしい103系です。2世代前の「山手線色」の電車はまだまだ頑張っています。



車内は扇風機まで残されています。途中の稲荷でかなりの観光客が下車します。外国の方が多いです。宇治までは約30分で到着です。JRの宇治駅をでるとすぐ真正面にみえるのが



中村藤吉本店です。



生茶ゼリーが美味しいですが急がねば。



途中には「宇治」らしい?医院もあります。



かの有名なパンの名店「たまき亭」のご実家のパン屋さんです。急がねば。



宇治橋たもとから平等院参道が始まります。



受付が見えてきました。午後3時15分。京都市内のお寺や二条城など午後4時で入れなくなりますが、ここの受付では、まだお時間ありますからごゆっくりなんて言われてしまいます。(おおらか)



「鳳凰堂」の中へ入る列が出来ています。4月、5月の土日とかは相当な列で、1,2時間待ちで諦めましたという宿泊のお客様の話を聞いてましたが平日の夕方はすんなり入れそうです。(ただし定数になったら遅い時間は入れないようです)



今回の改修では事前に「鳳凰堂」の外装を「丹土」による赤色系で塗装をすると新聞記事にあり、どんなに赤にちかい色にするのかと思っていましたが(イメージ的に平安神宮的な色)とても自然な色で、周囲の景観や池に写る姿も美しく、渋い「極楽浄土」で安心しました。



屋根には金色にかがやく鳳凰が。知らなかったが「鳳」と「凰」の一対なんですね。このあと併設されている博物館の「鳳翔館」で国宝の「梵鐘」や鳳凰堂からこちらに保管展示されている「雲中供養菩薩」をじっくり見ていたら5時近くになります。



小学生や中学生の修学旅行生も駆け込みでどんどんやってきます。



しかし僕はこのあとの予定もあり、平等院をでて宇治橋を渡り京阪の宇治駅を目指します。午後5時を過ぎた。急がねば。



でも丁度宇治橋下流にあるJRの鉄橋で「103系」をパチリ。京阪電車で二つ先の「黄檗」を目指します。



黄檗駅で降りて、しばらく行くと



そのパン屋の駐車場があります。土日はえらい混みようらしいです。まだなにかパンは残ってるかな?



がーーーん。店はもう半分閉まっています。5時過ぎで売り切れなんだ。そうここがかの有名な?「たまき亭」です。がっくり肩を落とした僕はJRの黄檗駅から六地蔵駅へむかい、京都市営地下鉄東西線に乗り替えて二条城前駅までもどります。トボトボとうちに帰ると神戸から帰ったばかりのうちの奥さんに宇治に行ったんやったら「たまき亭」のパンは!と言われてしまいます。「残念ながら閉まってたわ」と力なく答える僕でした。おわり。









或る日の午後、昔懐かしい喫茶店に寄ってみた。

2014年06月22日 19時28分14秒 | 京都で食べること飲むこと
6月もまもなく終わろうとしています。以前のように5月も6月もずっと宿泊予約が、びっしり入ってるわけではなくて、一組だけの夜も結構ありますが、そうなるとなかなか出かけるわけには行かないので、留守番係はそれなりにつらい日々なわけです。先日久しぶりに宿泊ゼロの日があり、清掃作業のあとで、夕方ちょっと散歩に出かけてきました。二条通りをぶらぶら歩いていると結構新しいお店が出来ています。でもあれ?ここにあったはずのお店がなかったりという驚きもあります。和食の「かわとも」とか「20℃」とか・・。河原町で中古オーディオの「ハイファイ堂」に寄り道して(何時になったらJBLが買えるんだろう)、木屋町の中古レコード屋を捜したり(見つからなかった)、例の「ブックオフ」で何冊か買って(最近、新刊は余程でないと買ってない)、そういえばみんな中古屋だ。木屋町から河原町を歩いていると元ヤマト民芸のギャラリーだったところが美容室になっていたり、河原町四条の「ナムコワンダーランド」がビル丸ごと改装工事中です。ここに京都初の「H&М」が出来ます(関係ないけど)。歩いていてふとそういえば昔懐かしい喫茶店を思い出します。



四条河原町の一筋北側をすこし入ると



「築地」があります。今から40年くらい前の学生時代に時折立ち寄っていた喫茶店です。当時四条河原町周辺では、今でも健在な「フランソア」、「ソワレ」があり、もう無くなった「ミューズ」や「開化」などで今から思うと無駄な?時間を過ごしてました。築地の入口の戸をあけて中に入ると、まったく昔のままの姿があります。昔のように2階へ上がると学生時代にタイムスリップします。



薄暗い店内は時が止まったかのようにあの時代のままです。



木製の椅子や小さなテーブル。驚いたことにすべて磨き上げられたように丁寧に大切に使われています。珈琲を注文すると、昔とおなじ器に「ウインナコーヒー」が供されます。



ここでは、珈琲と注文すると「ウインナコーヒー」が出てきます。スタバとかしか知らない若い方は「えっ、なにそれ」と言われるかも。上質な生クリームで覆われた珈琲がなかなか懐かしい味です。笑い話ですが、学生のころ(40年位前)北海道の田舎町を旅していて、とある地元の喫茶店で「ウインナコーヒー」を注文したら、マスターが悩んだ末に珈琲に「ウインナソーセージ」を浮かして出してきたなんていうことをふと思い出しました。夢の中の話かもしれませんが・・・。旅に出ていたあのころはどこの町に行ってもちょっといいなと思う「喫茶店」を見つけては、珈琲を味わい、少し本を読んで、ただぼんやりと時間を過ごしていました。いまから思うと贅沢な時間を過ごしていたものです。そろそろうちの奥さんとの待ち合わせの時間が来たので階下に降りて会計をします。カウンターにふと目をやるとそこには昔懐かしい「マッチ」があります。



帰ってから昔のマッチのコレクションボックスを探してみると、ありました。学生時代のころの「築地」のマッチです。(久しぶりに開けてみると、随分懐かしいマッチがゴロゴロあります)しかし驚いたことにマッチのデザインは全く変わっていません。ここまで歩いてくる途中に色々なお店の盛衰を見てきましたがマッチひとつ変わっていないことにただただ感心します。



ひとつ違うのは、昔「築地」は河原町四条の一筋目と、もう一軒、二筋目にもあったことです。僕の昔のマッチにその歴史が記されています。ちょっと懐かしい喫茶店のお話でした。