お宿&かふぇ 布屋 《主人のひとりごと》

120年経った京町家を改修した民宿『布屋』

西国三十三か所巡礼の旅 23番 その3

2015年10月10日 18時46分50秒 | 旅先で
毎日秋晴れの良い天気が続いています。今日からいよいよ連休に入りました。この秋の京都は「琳派」一色です。今日から国立博物館でも始まりました。宗達の「風神雷神図」の本物が見れる機会はこれを逃すと今後暫くないでしょうね。早めに行こう。
さて途切れ途切れですが巡礼のつづき。



帰りのバスの時間を気にして山道を降りてきました。箕面の山の中にあるこのお寺への公共交通機関である阪急バスは平日は一日3本しかありません。お寺から大阪の最寄りの阪急の駅(北千里)行は 11時18分 13時28分 そして最終が 16時31分です。山から下りてきて時計をみると13時15分。山道を歩いているときにお寺に着いてささっとご朱印をもらえば13時のバスに間に合うかもという我々の甘い考えは眼下に広がる境内を見てはかなく消え去りました。想像以上に大きなお寺です。



15分やそこらで本堂にはたどり着けません。はるか山裾に本堂、多宝塔などが見えます。やれやれ次のバスまで3時間もある。朝食バイキングを一杯食べましたが時間になるとお腹は空きます。たっぷり時間があるのでお寺の食堂でうどんを軽く食べます。ま、うどんかチャーハンしかメニューはありませんが。そして参道を本堂に向かいます。



もみじに囲まれた道を登ります。これから紅葉の時期はきれいでしょうね。途中に



「勝ちだるま」が奉納されています。勝尾寺は 読んで字のごとく勝負世界では有名らしく「勝運の寺」と呼ばれています。本堂前で勝ちだるまが大小さまざまにあって大きなだるまは数万円もします。そしてご利益を得た人が眼を入れて奉納されます。我々はあまり勝負の世界には縁遠いので本堂でご朱印のみ頂きます。



何といっても今までの巡礼のお寺との違いは勝尾寺のご祈祷が1時間ごとにありますがその際の僧侶の読経の声が拡声器を使って巨大な音量で山々に広がります。山道を歩いているときに聞こえていたのがこの音だったんだ。何しろ山の中にこのお寺しかありませんから周囲から騒音の苦情はでません。「かーーん・まかーはんにゃーはらみたしんぎょうーかんじざいーぼさーぎょーじんはんにゃーはーらーみーたーじーしょーけんごーおんかいくーどー・・・」とでかい音で般若心経が流れ、ご祈祷者の姓名も読み上げられます。ありがたい?ご祈祷です。丁度「般若心経」の本を持っていたのでベンチに坐って一緒に読経します。(うちの奥さんに変なヒト呼ばわりされますが・・)何しろバスの時間までたっぷりあるので大きな池に鯉がいっぱいいるのでエサをあげたりして待ちます。



境内至る所にだるまがいます。山の中にあるので基本クルマで来るお寺ですね。ようやく最終バスの時間になります。年配の女性3人とハイキング帰りの男性1人と我々を乗せてバスは下界に降ります。大阪のベッドタウン千里ニュータウンに着くとホント下界という感じですね。ここで阪急を乗り継ぎ京都河原町まで帰ってきました。さて晩御飯。そこで前回のリベンジです。



そうです。祇園のこの路地奥にある中華のお店へ。恐る恐る中に入り「こんばんは。2人です。」「どうぞどうぞ奥の席へ」ヨカッタ。



「盛京亭」です。早速注文。



鶏の冷菜。厚めに切られた鳥が美味しい。ここの名物冷菜の「八宝糸」を頼むも残念売り切れ。次に



野菜の炒めもの。白菜と竹の子が美味。そして



酢豚。舞妓さんが来るから量は少な目です。



春巻き。京都中華の「ハマムラ」風の春巻きを想像していましたが巻いて揚げてあるタイプです。そして



ここの定番「焼飯」です。竹の子、にんじん、自家製焼き豚をさいの目に切って甘辛く炊いて「かやく」にしてごはん、卵、グリンピースで炒めた名物です。ビール2本で〆て¥6000少々です。普段たべている「王将」とかに比べると上品ですが量的には・・・でした。でもいつまでやってるかわからないので満足してちょっと祇園散歩します。



四条花見小路を南へ。



午後8時前ですが「十二段家」の前は外国人の行列です。ちょっと意外。



赤い提灯が灯り、外国人にはジスイズ京都ですね。



おっと舞妓さんが足早に歩いています。



祇園サンボアもちょっと寄ってみたいがこの辺で切り上げて祇園ホテル(アパチェーンになっている)前から12番のバスで帰宅します。巡礼お疲れさんでした。おわり。




西国三十三か所巡礼の旅 23番 その2

2015年10月05日 19時11分41秒 | 旅先で
朝晩冷え込んできました。今年の紅葉は期待できるかも。
さて巡礼のつづき。温泉の露天風呂についていつも感じるのは女性が優先されているということです。この箕面観光ホテルの最大のウリである「天空の露天風呂」もやはり夜景が眺められる最高にいい時間は女性専用です。ちなみにうちの奥さんも夜景に見とれて昨夜は全然帰ってきませんでした。男性は午前6時30分から10時までの利用になります。朝ごはん食べてるとお風呂に入れないやん。ところで朝食バイキングは午前6時30分から7時30分は空いていて8時ころは30分待ちとのアナウンス。なんとか我々も頑張って7時30分にレストランに行くとすでにトレーを持った人でかなり混雑しています。やれやれ。和洋バイキングなのでまづ洋食から攻めます。ジュース、スクランブルエッグ、ベーコンにフレンチトーストと珈琲でひとまづ朝ごはん。ところがうちの奥さんがここは和食が充実していると再びトレーを持って今度は和食コーナーへ。僕もつられてごはん、味噌汁、焼鮭、出し巻、煮物各種といきます。なんとサンマも焼きたてがあります。僕が朝からサンマなんて食べる人いるのかなー。なんて言うとうちの奥さんが顔をしかめて小さな声で「隣」と。そうです隣のご夫婦はサンマの真っ最中!僕らはサンマまではたどり着けませんでしたが(お腹いっぱい)反対側の隣のご夫婦は3回目でフルーツやデザートまで召し上がっています。みんなスゴイ。チェックアウトにまだ少し時間があるのでその後ささっと「天空の露天風呂」へ。屋上に段々に作られた浴槽から遥か大阪の街が眺められます。しかも誰もいない貸切状態です。最高。でも10時のチェックアウトが迫っている。やはり女性優先にしている筈だ。いそいで戻って本来の旅の目的である巡礼に向けて出発です。ホテルを出ると目の前の川沿いに散策路があり



箕面川に沿って上流へ進みます。お天気にも恵まれハイキング日和です。



結構登り道が続きます。普段はなかなかこのように歩けないので緑を眺めつつどんどん進みます。こんなに早い時間なのに結構帰り道のひとが歩いています。地元の散歩道なのかな。やはり女性は数人のグループで歩いていますが所謂中高年の男性「サライさん」はみんなひとりで歩いています。将来の僕かな・・。しかしもみじの名所だけあって周りの木はほとんどもみじです。これから紅葉の時期は京都に匹敵するくらいの人出になるでしょうね。そして歩くこと3キロほどで



かの有名な箕面の滝が現れます。落差33メートルとありますが都会からすぐ行ける滝なので名所になってるのでしょうね。那智とか華厳とかに較べると(較べたらだめなんでしょうが)小さな滝です。でも周囲の木が殆どもみじなのでこれから秋に向けてスゴイ人になるのでしょうね。なんとすぐ近くに駐車場もあるのでクルマで来る人の方が多いようです。そして滝をみて殆どの人が帰ってゆきます。ところが我々はここからが本番です。この先にある23番札所勝尾寺にむけて山道を歩きます。暫くはクルマが行き交う車道を歩きますが箕面ビジターセンターあたりで山道に入ります。



暫く行くと案内板が出ていて左は「東海自然歩道」右は「自然研究路」とあります。はてさてどちらに進むべきか?



地形図を見ると右に行く方が距離的に短いようです。いざ「自然研究路」へ向けて進め!



自然研究路だけあって結構整備された道が続きます。ただしアップダウンは結構あります。ときどき



山の中の木の生態やらの解説板があり立ち止まっては自然研究をします。



ちょっと「京都トレイル」並みの整備された道は歩いていても気持ちがいいです。



歩くこと5キロ。だんだんお寺の読経の声が聞こえだします。



最後の急な階段を下りると(下りでよかった。これが登りだと最後に息切れがします)



急に視界が広がりお寺の山門が見えてきます。ゆっくり歩いて3時間少々、約8キロの山道でした。つづく。






西国三十三か所巡礼の旅 23番 その1

2015年10月02日 15時27分48秒 | 旅先で
十月に入りました。残暑が無かった今年の九月は去年より宿泊予約をいただき月末まで毎日頑張りましたので最後の29日30日とお休みして巡礼に出かけました。西国巡礼も京都市内が終わり徐々に西へ向かいます。今度の23番「勝尾寺」は大阪の北部にある箕面市(みのお)にあります。阪急電車とバスで行けば十分日帰りの範囲ですがあえて非日常を求めて今回は箕面温泉に宿泊することにします。前日のお客様を見送り、ささっと旅の準備をしていざ箕面へ。その前に近くのお店でランチの予定でしたがなんと臨時休業で仕方なく河原町へ。河原町近辺で手軽なお昼を考えると「リンガーハット」と「モスバーガー」しか出ませんが・・うーんそうだ「ミュンヘン」に行こう。喫茶「築地」のななめ向かいのビアホールで日替わりランチといきます。もちろん非日常を求めている我々は「生ビール」も頂きます。そして阪急電車で熟睡!しているとあっという間に梅田へ。乗り換えて箕面線で終点箕面に降り立つとまだ3時です。意外と近い。箕面は初めて降りたのでちょっと駅前をぶらぶらします。大阪の高級住宅地らしく高い建物があまりなく緑も多くてゆったりした町並みです。そして



駅前に「ミスタードーナッツ」の1号店を発見。確かに看板に「001」とあります。別にミスドのファンでもありませんがなぜかウレシイ。その後駅前の高級スーパーの「いかりスパー」とかを見て、うちの近くのスーパーと全然違うとうちの奥さんが呟いています。そろそろ4時なので本日の宿へ向かいます。



箕面の町並みを見下ろすように建つ「箕面観光ホテル」が今夜の宿です。1968年竣工の昭和モダン建築の名作といわれる「坂倉準三建築研究所」の建物で建築好きにはたまらないホテルです。



第一期の建物は全室角部屋になってるそうですが



下からエレベーターでエントランスに向かうと



今では「大江戸温泉物語」のチェーンに入っているわけで元ホテルマンとしてはやはりホテル経営の難しさを感じます。さすが大江戸温泉物語なのでフロントではなく「受付」と表示されたカウンターでチェックイン。たどたどしい日本語のフロント係の名札を見ると「王」さんです。夜の食事は17時と19時がありますがどちらがいいですか?普段晩御飯を食べる時間が22時とかの我々の答えは19時でお願いしますと伝えると、彼女の顔が困った顔になり19時は外国人の団体でかなり混み合うとジェスチャー交じりに説明されます。ちょっとやめといたほうがいいみたいに言われると、じゃあ17時でお願いします。となります。部屋へ行く時にうちの奥さんに食事時間を言うと「えーーっさっきお昼食べたばかりなのに・・ぶちぶち」となります。取りあえず部屋にはいり窓から外を見ると



なんと素晴らしい眺め!今回は頑張って「じゃらん」の和洋室グレードアッププランにしたので町並み側の部屋に通されます。でもなぜかベッドは3台もあり、おまけに和室があるのでたぶ定員6名の部屋にそのまま2人で泊まるという単に部屋だけ広い落ち着かないグレードアッププランなのはさすが大江戸温泉物語ですね。仕方ないか・・。17時からの夕食までにささっと露天風呂に入り17時過ぎにバイキングレストランへ。9月の平日に泊まる個人客なんかいるのかなあなんて思っていると件のレストランの前は行列です。えーーつ。関西最大級の品ぞろえで夕食150品、朝食65品という自慢?のバイキングレストランはまだ夕方17時過ぎだというのにトレーを持って右往左往する人でかなり混雑しています。これで「王」さんのいう団体はいないのでゆっくり食事して頂けますということ?なんてぼんやりしていられません。出遅れてきた我々は100席はある広いレストランの端っこに案内されます。料理卓からかなり遠い!制限時間は1時間半なのでトレーをもって急ぎます。しかし夕食150品というだけあって意外と内容は充実しています。コックコートを着たスタッフが切り分けるローストビーフをはじめ造りも天ぷらも(調理人がその場で揚げてくれます)お寿司も煮物も中華もなんでもこいです。やはりコストパフォーマンスに優れている処にはお客様は集まりますね。女性のグループ(いわゆる大阪のおばちゃん)や家族連れやら我々みたいな中年夫婦やらでなかなかたのしいレストランでした。でも17時からの晩御飯なんていつもはお布団をしいたり朝ごはんの仕込みの真っ最中の我々としては十分に食べれずあえなく終了の時間になります。このあとこのホテル自慢のスパゾーンでお風呂に入り(スパゾーンと言っても昔の巨大スパー銭湯という感じですが)部屋に戻ります。でも



眼下の素晴らしい夜景を眺めつつ明日の山歩きのために早めにオヤスミします。うちの奥さんはこのホテル自慢の「天空の露天風呂」に行ったままなかなか戻って来ませんが・・・。つづく。