大徳寺から今宮神社へは紫野高校の横の道を抜ければ直ぐです。うちの息子もこの閑静な環境にある高校の2年生です。京都には結構こういった環境にある高校が少なくありません。僕も南禅寺と永観堂にはさまれた高校に通っていました。だから勉強が出来たというわけではありませんが・・。さて目指す「あぶりもち」は今宮神社の門前に向かい合って2軒並んでいます。門から出てお店に近づくと、どちらのお店からも「どうぞおはいりやす」と声をかけられます。気が弱い人は、どうしよう、どうしようと思っているうちに通り過ぎかねません。僕は門を出て左手の「いち和」に向かいます。門前の茶屋風な建物の中にお座敷があり、上って「あぶりもち」を召し上がっている人が大勢います。写真は、なんと修学旅行生の集団がちょうど食べ終わって出てきたところです。うーんどこにでもいますね修学旅行生は。僕は大体座敷に上らず、炭でお餅を焼いているおばちゃんの隣の腰掛床机にすわり、お餅を焼くおばちゃんと、お客さんに声をかけるおばちゃんと、道行く人を眺めながら、「あぶりもち」をいただきます。茶店でこんな風にしているとなんだか江戸時代にでもタイムスリップしたみたいですね。一息ついたら、12時も大幅に過ぎたので、お昼ご飯の目的地「上賀茂神社」方面に向かいます。実は、その食堂はちょっと時間をはずしたほうがいいので時間調整もかねていたわけです。
大徳寺山内は自転車での通行が出来ます。石畳や、ゆるやかな坂もありますし、お茶会が催されている時は、自転車から降りて押しましょう。今宮神社寄りに今日訪ねる「高桐院」があります。山内で常時拝観が出来るのは4箇所で、枯山水の「大仙院」は訪れる人が多いですが「高桐院」はとても静かです。写真は表門から鍵の手に唐門に続く参道です。ちょうど楓が新緑を迎えとても清々しい中を進んでゆきます。入口で拝観料を払い(¥400)中に入ります。右手に進むと書院の中に茶室の「松向軒」があります。客殿にもう一つ茶室があり、また庭に下りることが出来ます。客殿の南庭がJR東海の「そうだ京都行こう」にも使われた庭です。縁側に座り、楓樹を主とした野趣に富む庭があり、ぼんやりと庭の楓を眺めていると、時間が静かに流れてゆきます。広い庭に時折、鳥がやってきて、また飛び立つのを眺めたりしていると1時間くらい直ぐに経ちます。秋にはこんなことは多分出来ません。冬の庭もいいものですが、余りに寒く、こんな風に、ぼんやりとすごすのには今が一番いい季節ですね。京都のお寺の訪ね方は、いろいろありますが、たまにはこんな風に、時間を忘れて過ごすのもいいものです。僕が好きなお寺「正伝寺」「円通寺」等皆そんな庭があります。ゆったりとした気分になったら、次の目的地の「あぶりもち」に向かいます。
布屋から一路北に向かいます。うちの前の通りが油小路通りという南北9kmもある京都でも有数の長い道です。北に少し行くと琴の弦を扱う店があり、竹細工のお店、そして樂焼きの「樂美術館」があります。15分位走り、今出川通りを越えると寺の内あたりで小川通りになります。ここにはお茶の「表千家」「裏千家」(写真は裏千家さんの門です)が並ぶ細い道になります。着物を着た外国人をよく見かけます。お茶を習われている方々です。日本人の僕が知らない「茶の道」を京都に来て学んでいる方を見ると時間を作って僕も習おうかと思いますが、日々の雑事ですぐに忘れてしまいます。自転車だと千家さんの門の前でちょっと立ち止まり打ち水がされた庭を門越しに眺められます。(ここまで歩くのはちょっと大変です。)千家さんの前を通り堀川通りを西に向かうと、わらび餅の「茶洛」があります。11時開店ですが10時半にはもう行列がありました。「茶洛」の並びに、お風呂屋さんを改修したカフェの「西陣さらさ」、手打ち蕎麦の「かね井」、そして「船岡温泉」と行きたいお店が続きます。今宮神社の鳥居をくぐると最初の目的地「大徳寺」山内の「高桐院」です。ここまで走って約30分くらいです。
布屋は「禁煙」にしています。理由は色々有りますが、まづ第一は「火の用心」です。京都には、たくさんのお寺が数百年もの間大切に守られてきました。またこれから先も守っていかないといけません。そのお寺は、全て禁煙です。我々の京町家は決して文化財ではありませんが、同じような気持ちで守ってゆきます。
昨晩泊まられた女性お二人が出発されたあと掃除に部屋に入って愕然としました。我々が大切にしている什器を灰皿代わりに煙草の吸殻が入れてありました。予約の時点で、禁煙である旨伝え、その事を理解して、お泊り頂いています。つまりは信頼関係が成立しているわけです。約束が守れない方にお泊り頂くわけには行きません。もうすぐ2年ですが今朝ほどのショックなことはありませんでした。どうか約束はお守り下さい。
今夜お泊り頂いている男性の方は、わざわざ玄関を出て、オモテに煙草を吸いに行かれています。大変申し訳ないですが一度決めたことは守ってゆきます。そして「モノを大切にするこころ」はいつまでも持ち続けてゆきたいです。
昨晩泊まられた女性お二人が出発されたあと掃除に部屋に入って愕然としました。我々が大切にしている什器を灰皿代わりに煙草の吸殻が入れてありました。予約の時点で、禁煙である旨伝え、その事を理解して、お泊り頂いています。つまりは信頼関係が成立しているわけです。約束が守れない方にお泊り頂くわけには行きません。もうすぐ2年ですが今朝ほどのショックなことはありませんでした。どうか約束はお守り下さい。
今夜お泊り頂いている男性の方は、わざわざ玄関を出て、オモテに煙草を吸いに行かれています。大変申し訳ないですが一度決めたことは守ってゆきます。そして「モノを大切にするこころ」はいつまでも持ち続けてゆきたいです。
布屋には2台だけ京都・サイクリング・ツアー・プロジェクト(KCTP)のレンタサイクルを常設しています。写真のタイプで内装8段変速つきで1日の料金は ¥1300です。市バスの一日乗車券が¥500なのでちょっと高いかもしれませんが、バスを待つ時間のことや、ちょっとしたお店を見つけてもすぐに入れることや、知らない裏通りで思いもかけない事の発見を考えると、この町は絶対自転車がお勧めです。道が分かりにくく、迷ってしまいそう、とかよく言われますが、市内の中心部は碁盤の目といわれるとおり、適当に走れば大きな道に出るので何とかなります。先日この自転車で廻ってきたコースを順を追ってお話してゆきます。題して「僕的京都案内」大徳寺から恵文社編です。お楽しみに。
春から初夏に向かっているのを一番感じるのが写真の「出格子」の障子に映る影が強く見え始める頃です。布屋は玄関が西向きですから、いわゆる「西日」をまともに受けます。冬から春にかけては日差しも柔らかくあまり感じませんが、最近は午後3時を過ぎる頃から日差しが格子に影を作り始めるます。それは「かふぇ」のお客様が一番少ない時間帯で、なんとなくゆったりと時間が流れてゆきます。一人で来られたお客様が、ゆっくり珈琲でも飲みながら持ってこられた本を読まれるときに「ビルエバンス」のワルツフォーデビーとかを流していると、なんだか30年くらい前に自分が通っていたJAZZの喫茶店を思い出します。「かふぇ布屋」にお越しのときは午後3時過ぎくらいがお勧めです。
京都の銭湯を代表する船岡温泉へはうちから自転車で15分くらいです。写真は夕刻の船岡の玄関先です。自転車でこられるお客さんが多いですが、なんと駐車場もあります。10台くらいは駐車できます。僕はお風呂から出てから休憩所(テレビが置いてあり7、8人が座れる場所があります)で缶ビールを1本飲むことが最大の楽しみであるため自転車で行きます。お風呂は近所の銭湯の数倍はある広さで、檜と岩の露天風呂があり、日替わりで男女入れ替わります。370円で入れるわけで、多少遠くても行く価値は十分あります。昨日うちにお泊りの女の子も自転車で行ってきました。船岡の近くにある「西陣さらさ」で、ごはんを食べて帰ってきましたが、ちょっと京都に暮らしている感覚が味わえるので楽しいと思います。お泊りの方は、ごお気軽にお訪ねください。
爽やかな五月晴れのある日レンタサイクルの試乗も兼ねて五条大橋のそばにある「エフィッシュ」に出かけてきました。うちにお泊りになられる方でよくレンタサイクルに乗って「カフェめぐり」をされる方がいます。これから自転車で京都を散歩するのが一番の季節になって来ました。そういった方に案内が出来るように僕達も出来るだけ出かけようと思っています。が うちがお休みの月曜は何故かお天気がよくない傾向にあります。先日は幸い天気に恵まれました。五条大橋までは自転車で25分位で行けます。エフィッシュは大きな窓の向こうがすぐ鴨川で五条大橋から比叡山が見えるという、すごく眺めがいいお店です。かねてからおいしいと聞いていた「豆の入ったカレー」とBLTサンドイッチ(写真はちょっとかじりかけ)をいただきました。ここからは五条大橋を渡ると清水寺方面に行けます。僕たちは五条を西に向かい「京町家作事組」の事務所によって近くの「今西軒」でおはぎをと思いましたが残念ながら売り切れでした。(2時くらいで売り切れるそうです!)という5月のカフェめぐりでした。
お花を担当しているのはうちの奥さんです。布屋の、そこかしこに置かれている花のうち主なものは、近くにある山野草を扱うお花屋さんで、大体毎週1回入手します。そのお店の女主人がご自分の畑や実家近くの山から持って帰ってきて、お茶花を扱うお店に比べて驚くほど格安で近所の方に販売されています。写真のお花は、「羅生門かづら」だそうです。弘法市で買った台に、僕の父親が蒐集していた、土ものの花瓶に活けてあります。ちょっとしたところに彼女のこだわりが見えます。僕の父親も多少こういった器を集めていたんですが、長い間「蔵」の2階にしまいこんでいたのを目ざとく見つけ出したうちの奥さんのおかげで、やっと日の目を見ました。少しづつですがそういった花器なんかも紹介してゆきます。
桜の季節が終わりましたが東山にある高台寺や青蓮院ではGW期間中も新緑のライトアップがされています。秋の紅葉の時期や桜の時期はもちろん最近はGW中も行われています。普段、夜は入れないお寺に入れて幽玄な庭の鑑賞が出来るのでとても人気があります。ただ見終わってからの夕食に近くのお店に行かれると、かなり込み合っているようです。そうすると帰りの時間が遅くなりますので入浴時間を23時までにお済ませいただく布屋の場合、大急ぎでお風呂に入ってもらわないといけません。木のお風呂なので、その日のうちにお湯を抜いて、掃除をして窓を開けて一晩乾燥させます。だから入浴時間を23時までにしています。春や秋のライトアップに行かれるお泊りのお客様はできるだけ先にご飯を済まされてから幽玄なお庭を鑑賞下さい。写真の花は「やまつつじ」です。そろそろ西本願寺の前の「つつじ」も見ごろを迎える頃です。