お宿&かふぇ 布屋 《主人のひとりごと》

120年経った京町家を改修した民宿『布屋』

祇園祭2015 後祭り宵山へ の巻

2015年07月25日 17時05分48秒 | 京都観光
祇園祭も主なスケジュールが終わり京都は夏本番です。本日の京都の気温は35度の予報です。先ほどオモテの道に打ち水をしましたが焼け石に水です。さて7月17日の前祭(さきまつり)の巡行は台風の影響で実施するか当日午前5時に決まり、大変な雨の中を巡行を終えました。当日の人出は前年より1万8千人少ない約3万2千人でした。有料観覧席でご覧になられたお客様が全身ずぶ濡れになりましたと荷物を引き取りに来られた時に言われていました。そしてその一週間後の7月24日に後祭(あとまつり)が行われました。前夜の宵山の夜は何故か予約が無かったので娘と孫と四人で出掛けてきました。先祭の宵山はスゴイ人ですが後祭はベビーカーでも大丈夫です。歩いて新町三条まで行くと



静かな祇園祭宵山です。まづ「北観音山」の町内へ。



この山がたつ新町通りでは「屏風祭」が何か所かの家で行われています。旧家が秘蔵している屏風や美術品を宵山で訪れた人に家の中を見せる習わしです。この吉田家はその中でも大きなお宅で玄関の幕をくぐると





立派な屏風が飾られ普段見ることが出来ない座敷や奥庭が見れます。この吉田家が現在の山鉾連合会の理事長宅です。その近くも



中を拝見すると



立派な屏風が飾られています。じっさい屏風を出したりしまったりするのが大変な作業なので(我が家にも一双だけありますが以前お正月に出しましたが大変でした)これだけたくさん飾るのは大変だと思います。そしてお隣の「南観音山」へ。





今年は町会所を改築中でご神体も真近で拝めます。そして四条を下がると昨年復活した「大船鉾」です。





昨年は復活を見る人でかなりの人出でしたが今年は静かです。そしてそろそろ午後六時になるので再び「南観音山」へ戻ります。ご近所だった「I家」のお孫さんの「Mちゃん」が今年初めて南観音山で「ろうそく売り」をするそうで応援に伺ったわけです。



山の前で小さな子供たちが浴衣姿で宵山にきた人々に「厄除けのろうそく」を唄いながらお願いします。これがまた可愛い。



皆で声をあわせて「おろうそくいかがですか・・明日は出ません今晩限り・・」と道行く人もあまりの可愛い声にみな立ち止まり、カメラを向ける人で一杯です。





何十万人の人出で超混雑する「先祭」の宵山に比べてのんびりと祇園祭を愉しめる「後祭」の宵山のほうが小さな子供やお年寄りにはちょうどいいですね。午後11時の人出は約1万7千人で昨年より3万3千人少なかったそうです。



1時間も唄い続けるろうそく売りは大変お疲れ様でしたが伝統行事に参加できてきっといい想い出になったと思います。



そして宵山の夜も更けてゆきます。










祇園祭2015 鉾曳き初めの巻

2015年07月14日 17時58分43秒 | 京都観光
本日の京都の予想気温は35度。3時ころにオモテに打ち水をしましたが一瞬で乾いてしまいました。熱中症注意です。さて7月13日に祇園祭の曳き初め(鉾の試運転みたいなもの)を見にゆきました。四条の鉾町界隈は





先日の「長刀鉾」も飾りつけが終わり一般に公開されています。この鉾と「放下鉾」のみ女性は上がれません。







「函谷鉾」です。昼間でも駒形提灯が美しい。四条通の鉾は前日の12日に曳き初めが終わっています。13日は新町通りの鉾の日です。新町通り四条を下がると「船鉾」でそろそろ始まりそうです。



3時からと案内にありますが2時半くらいですでに人で一杯です。



お囃子のメンバーが鉾に上がり笛、鐘、太鼓の音が辺りに響き曳き初めが始まりそうです。町内の方が縄をずるずると前のほうに伸ばしてゆきます。「二列になって縄の両側に並んでください」「決して縄は跨がないでください」と手慣れた案内です。



この曳き初めをするとこの一年の厄除けになると伝えられています。なにしろこの縄に一般人が触れられるのはこの時だけです。縄を持つ手も少し緊張。そして



音頭とりの掛け声でぐいっと縄を曳きます。



ぎしぎしと「船鉾」が動き出します。意外と軽いというか殆ど曳かないでも動きます。ちょっと意外。そのまま新町をどんどん上がり四条の手前まで曳きます。



四条まで行ってまた逆戻りしますが隣の「岩戸山」もこちらに向かって曳き初めをしています。



辺りは曳き初めのひとでかなり混雑。あれっ。



「岩戸山」は近所の小学校の子供たちも参加しています。小さい頃からこうして祇園祭に親しめるんだ。「岩戸山」の曳き初めにも参加してみます。



そしてまたそれぞれの鉾の定位置までもどると「岩戸山」の前後に



近くの「洛央小学校」の子供たちがずらっと並び岩戸山のお囃子にあわせて「踊り」を奉納します。



炎天下のなか伝統のお囃子と子どもたちの踊りに周囲も和みます。京都に生まれて初めてみる祇園祭の隠れた部分に改めてこの祭りの奥深さを感じた半日でした。来年のこの時期に機会があったら是非「鉾建て」「曳き初め」を体験して京都通になって下さい。








祇園祭2015 鉾建ての巻

2015年07月12日 17時35分44秒 | 京都観光
いよいよ祇園祭が始まりました。7月17日の巡行に備えて7月10日から鉾町では鉾の組み立てが始まりました。この時期は宿泊予約が結構あるのでなかなか実物を見ることが出来ませんでしたが今年はなぜか結構「空き」の日が続きます。これだけ市内に町家の宿が増え続けているので・・・。昨日の京都新聞の夕刊の一面に「ゲストハウス 出合い新鮮」なんてでっかく出ています。京都観光の新戦力「空き町家変身」とのこと。7月3日現在市内にはゲストハウスを含めた簡易宿所(布屋もそのなかの一軒です)が「498軒!」もあるそうです。2003年に始めたころは町家の宿は10軒くらいと聞いていたんで吃驚です。最近町を散策しているとあれっいつの間にこんなところに宿が出来てると感じることが多いです。なんて呑気なことは言ってられませんがでも祇園祭の鉾建ても見てみたいし・・ということで7月10日の初日に鉾町へ見学に行ってきました。この時期四条を通るバスは避けた方が賢明です。地下鉄で四条まで出てまづは四条烏丸の「長刀鉾」へ。



午後4時近いですが「長刀鉾」は縄がらみの真っ最中です。





ご存知のように釘は一切使わずひたすら縄で組み上げてゆきます。熟練の技にしばし感動。四条烏丸を西にゆくと



「函谷鉾(かんこほこ)は作業が終わっています。ななめ向かいの



「月鉾」も見事に組みあがって夕日に照らされています。美しい。もうひとつ四条室町を下がったところにある「鶏鉾」にも寄ってみます。



なんとここは組みあがって横に倒され「真木」(鉾の真ん中を貫き天に飾りをつけた芯棒)が取り付けられています。鉾建てをじっくり見るのが初めてなので暫く見てゆくことにします。この時点で午後4時過ぎです。



真木の先なんてこの機会しか見れません。



榊に白幣をご町内の方々がつけてゆきます。



暫く作業を見ていたら組み立てにあたりいろいろ指示、相談をしている人に気が付きます。あれっ「末川さん!」うちの第二次改装を担当して頂いた建築家の末川さんがいます。「こんにちは」「あれっ布澤さん」と一気に鶏鉾に親近感が涌きます。昨年の大船鉾の再建にあたり設計を担当された京町家作事組の理事です。「大船鉾担当なのになんで鶏鉾もやってるんですか?」「昨年の巡行の際に問題があった個所の再生を頼まれて・・」とのことでした。もう少しで取り付けが終わったら建てるとのことで建てあがるまで見学することにします。今晩は宿泊客もないので時間に余裕があります。



真木を取り付けて飾りつけを済ますと鉾の遥か先にあるウインチでワイヤーに縄を結び付けて引っ張るらしい。ところが色々準備や方法に手間取りなかなか建ち上がりません。すでに午後6時近い。炎天下で2時間。でも周りの見物の人はどんどん増えてゆきます。午後6時過ぎに



鶏鉾作事方が上にあがり引っ張る縄を結んで準備が始まりました。



掛け声とともにウインチで締め上げられた縄がギシギシ音をたてて徐々に上がってきます。北側の縄で引っ張り、よく見ると南側にも縄がありお互い声を掛け合い



徐々に上がってきます。観客もみな見上げています。







あと少しです。そうか北側と南側のそれぞれの縄でバランスを取っていたのだ。





45分くらいかけて建ち上がりました。観客一同が拍手で祝います。ご苦労様でした。もう午後7時近いです。結局3時間ばかり鶏鉾の鉾建てを堪能しました。末川さんが「鉾建てが一番見ごたえがある」と力説していました。宵山や巡行ばかり注目されますがホント祇園祭は奥が深い。次回は「曳き初め」を報告します。








女子会の代打で 和食ランチへ

2015年07月09日 20時00分47秒 | 京都で食べること飲むこと
梅雨空が続く京都です。先日まで涼しい気温でしたが台風が近づいているせいか段々蒸し暑くなってきました。さて毎月2,3回はあるうちの奥さんの女子会ですが(3,4人の時もあれば二人の時もある)二人の女子会の前夜に友人から風邪でちょっと行けないとの連絡電話が入ります。予約がしてあるのでキャンセルが出来ないという事態。そこで僕に代打を頼まれます。願ってもないとひとつ返事の僕。今回の予定は東山二条にある和食のお店に行き、その後で市立美術館で「ルーブル美術館展」に行く予定だったそうです。ルーブルは日を改めるそうですがランチは改められないの僕の登場となりました。小雨模様なので市バス202番で東山二条へ。



二条通りに面した「七八(ななはち)」です。どこで調べるのか小さなお店ですがオモテの雰囲気もいい感じです。予約した12時きっちりに入店。カウンターが8席余りののこじんまりとしたお店です。まだ30代の若い店主が迎えてくれます。お昼は一人で切り盛りしているので予約は必要です。きっちり和食の帽子もかむり真面目な料理人です。(若い料理人は帽子を着用していないケースが多いですが・・)



一汁三菜と聞いていたので初めにこのお盆が供されます。お茶の世界は詳しくありませんが茶懐石に通じる白飯の盛り方ですね。お造りとモズクとお漬物です。カウンターの向こうでは炭火で焼き物が焼かれています。そして



琵琶湖産の鱒の焼き物です。和食には珍しくお皿を熱々に温めて出てきます。炭火でとても香ばしく焼かれてとても美味しい。ご飯のお代わりには



程よく「おこげ」も盛られています。もちろん土鍋で炊き上げてあります。そして



炊合せです。鱧を包んだ煮物と小芋、南瓜を上品に炊合せています。うちの奥さんが「最近和食に行ってもなかなか炊合せが出てこないが(出汁とか素材とかその店の実力がでるので)ここは若い調理人なのに丁寧な仕事がしてある」と感心しています。これで一人¥2500です。寡黙な料理人の丁寧な仕事のしてあるお昼ご飯をゆっくり頂きました。こんな代打だったらいつでもOKです。当初の女子会の予定は市立美術館の「ルーブル展」だったようでこれは日を改めるそうで本日はここまで来たのでやはり岡崎の近代美術館に向かいます。二条通りを東へ。途中の「みやこめっせ」の前で



こんな案内を発見。これは行かねば・・。そして近美の前へ。





「北大路魯山人展」です。和食の天才・・魯山人の美・・8月16日まで開催されています。135点という膨大な量の展示でただただ圧倒されました。写真や美術書で見るのと本物を見るのとではその差に驚きます。かの有名な「椿文鉢」の大きさ!や「織部長板盤」や「織部俎板盤」の分厚さには参りました。その他にも大小いろいろ展示されていますが一見の価値ありの展示でした。また展示だけでなく「銀座久兵衛」で俎板盤で供される寿司を視覚的に見せる演出(ちょっと説明がムツカシイ)なんかもとても面白かったです。ルーブルもいいですが魯山人も見ごたえありです。代打女子会でしたがとても良い一日でした。しかし女子会ていつもいいもの食べてるんや・・・。いつもお留守番の僕はなにか損してる気がするなあ。

梅雨の合間に紫陽花を見にゆく。

2015年07月04日 19時13分07秒 | 京都観光
京都で紫陽花を見ようとするとまづ大原三千院で次に宇治の三室戸寺が思い浮かびます。どちらも山にあじさい園が作られていて膝の悪いうちのおばあちゃんにはちょっとキツイので3番目に?思いついた伏見の少し手前にある「藤森神社」のあじさい園を訪ねることにします。



丁度「茅の輪くぐり」が出来ていました。この時期市内の主な神社には必ず設えてありますので6月末の京都にお越しの際はぜひくぐってみてください。くぐり方は必ず案内がありますので八の字を描くようにくぐります。そして紫陽花苑へ。



実はこの神社へ来たのは初めてです。伏見と東福寺の間くらいにありますがお参りは稲荷に行くし、お寺は東福寺に行くし、伏見へは居酒屋(とりせい)にいくのでなかなか足が向きませんでした。ところがこの神社は平安遷都以前から祀られている古社で広い境内には紫陽花苑が2か所もありました。





本殿に近い第二を見て春に行われる「駈馬神事」が行われる広い馬場にもう一つの第一があります。







そろそろ終わりかけのようでしたが静かに紫陽花を見てきました。ただうちの奥さんはやたら蚊に刺されて大変でした。あれだけ木が植わっていたら蚊も半端な数ではありません。そして花より団子の我々が向かったのが市内でも北の方にある「造形大学」の近くのお店へ。





北白川通りからすこし西に入った「一善や」で「シュークリーム」と「生キャラメルエクレア」です。とても静かな雰囲気で美味しいシュークリームをいただきました。普段食べているスーパーで買うやわやわの皮とはえらい違いでした。梅雨の合間のちょっとしたおでかけです。