お宿&かふぇ 布屋 《主人のひとりごと》

120年経った京町家を改修した民宿『布屋』

電車男 2016夏旅

2016年08月21日 16時02分55秒 | 旅先で
毎日驚異的な暑さが続きます。お盆を過ぎるとひと段落するのに今年は衰えることなく明日の京都の予報はなんと38度。台風が近づいているせいかもしれませんが京都観光の皆さまは大変です。
さて今年も夏の青春18きっぷでちょっと出かけてきました。お盆の時期は我が家の行事のため毎年お休みしています。お寺さんのお参りも終えたので15日の朝の電車で出かけます。京都駅7時20分発の新快速で草津へ。電車もまだお盆休みの方が多いのか比較的空いています。草津から草津線で柘植(つげ)に向かいます。



京都近郊でちょっとローカルぽい線はこの草津線が一番かな。(草津線沿線の皆さまゴメンナサイ)緑一色に塗られたこの電車もその昔は東海道線の主力選手でしたが(その当時はミカン色と緑色に塗り分けられて颯爽と快速電車として活躍していました)今は草津と柘植をいったり来たりして余生を過ごしています。なにしろ昔ながらの4人向かい合わせの座席なので(4人掛けボックスシート)今どきの2人掛けシートの新型電車に比べると居心地がだいぶ違います。(もちろん座席をリニューアルした電車もたくさん走ってますが・・JR西日本のメンツに対してちょっと注釈)途中貴生川を過ぎるとボックスシート独り占めです。でも学生の頃に北海道に向かう日本海側を走り抜ける夜行列車はみなこんな4人掛けボックスシートでシーズン中は京都から遠路はるばる青森まで4人掛けで行ってたんだなあなんてちょっと郷愁にふけります。そして柘植からは関西本線の普通亀山行に乗ります。



この列車は2両編成の気動車で結構18きっぷ利用者がたくさん乗り込むので座れません。以前伊勢に行く途中でも小欄に乗せましたが



柘植から亀山への路線がその昔鉄道ファンの間でつとに有名だった加太越えという山越えがあります。どうせ立ってるんだから運転手のすぐ横に陣取ります。柘植を出るとその昔は蒸気機関車が喘ぎながら登っていた山越えが始まります。



途中にあった「中在家信号所」は跡形もなく通り過ぎます。



中学生の頃はこの線路際を歩いて撮影地点へ向かったものですが今どきそんなことをすれば逮捕されかねません。いい時代でしたね。あっという間に



加太駅です。18きっぷ愛好者の60代のグループやら20代の若い女性やらを乗せて普通列車は次の関駅で止まります。ワンマン車両なので運転手さんがドアを開けるとおもむろに一人のおじさんが「運転手さん、寿司買ってくるしちょっと待っててや・・」というなり駅の売店に向かい走り出します。えっそんなんあり?!というみんなの視線をよそにそのおじさんは意気揚々と袋を下げて戻ってきます。そして運転手さんに「あんたも一つ食べや」と巻きずしを差し上げています。うーーん今どきこんなことが現実にあるんだと車内の18きっぷ愛好者の感心の視線を浴びるも平気で元の自分の席にもどるおじさんでした。そして終点亀山へ。亀山から名古屋行の快速電車に乗り四日市で普通電車に乗り換え二つ先の「富田」で降り立ちます。



3線ホーム(JR分)そこそこの駅ですが無人駅です。普通の旅行客は100%通り過ぎる小駅ですがレイルファンにはつとに有名な駅です。この駅には



三重県四日市近郊の山から三岐鉄道(さんぎ)を経由してセメント貨物列車が走っています。その貨物列車をけん引しているのがこの茶色い電気機関車です。レイルマガジンなどの雑誌で見ていましたが実際に見るのは初めてです。ホームからまじまじと見ましたがなにしろ昔の車両という音がします。(変ですよね、一般の人にはワカラナイ感覚ですね。タモリやくるりの岸田さんなんかは狂喜する音です)この機関車は古いモノで60年まえから走り続けています。つまり僕と同世代でいまだに現役なんです。僕もまだまだ頑張らねば・・・。そして事前に調べてきた貨物時刻表でこの駅を通過するセメント列車以外の貨物列車を待ちます。予定では「コンテナ貨物」と「石油輸送の貨物」を狙います。カメラには望遠レンズもセットして準備万端です。ところが待てど暮せど現れません。レイルマガジンにはお盆等に運休する旨の記事があったことを思い出します。炎天下待つこと数時間経ちますが結局セメント以外はすべて運休みたいでがっかりです。道理で誰もいない筈だ。今頃気づいても時すでに遅し!仕方がないので町のほうに行くと



丁度地元のお祭りが通り過ぎます。そして



仕方がないのでセメント貨物を牽いたディーゼル機関車とかを撮って名古屋に向かいます。



呆然としつつも午後3時半に名古屋に降り立ち、ひらめきます。ここまで来たら名古屋の超名居酒屋「大甚」が4時開店なのを思い出し一路伏見へ歩き出します。「大甚」は夕方遅く行くと席がないほどの超人気店ですが開店に合わせれば大丈夫。まづビールと煮物等で少ししたら刺身と熱燗(ここは焼酎、ウイスキーとかありません)にしよう。照りつける日差しもなんの30分ほど歩いていざ店の前へ。



あらら・・。シャッターが閉まっている。ガックリ。ここも盆休みみたい。ま、自分ところも盆休みしているんだから・・と諦めの境地です。とぼとぼと名古屋駅に向かいガックリと帰路につくことにします。名古屋から普通電車の岐阜行に乗ります。二つ目の稲沢で急遽降ります。



稲沢駅のホームから「愛知機関区」の機関車が一杯止まっているのが見えたからです。





DD51もEF64もEF66も大挙して休息中です。道理で全然貨物列車が来ない訳だ。ホームのベンチに座って仕方なくぼんやり機関車を見てから東海道線を乗り継ぎ京都まで帰ります。非常に残念な電車男 2016夏旅がむなしく終わります。おしまい。