お宿&かふぇ 布屋 《主人のひとりごと》

120年経った京町家を改修した民宿『布屋』

サクラ サク

2010年03月21日 19時36分50秒 | 京都観光
昨日の京都は(というか全国的に)4月下旬くらいの気候だったようで、御所のしだれの糸桜が満開に近い位に咲いていました。連休初日の晴れ渡った暖かい日なのでいつもはそんなに人がいない御所の桜もすごい人でした。以前のように「かふぇ」を営業していないので交替で桜を見に行くことが今だから出来ます。おひるごはんを始めるとこういうわけにもいかないので自転車でチョコッと見てきました。でも二条城のライトアップに行かれたお客様は全然咲いてなかったとのこと。そして今日は強い風で肌寒い一日でした。なんか去年と同じような感じです。ここ一週間は結構寒いみたいで桜の見ごろはどうなるでしょうか?取り急ぎ「桜情報」でした。

改修工事 15(おしまい)

2010年03月07日 17時37分07秒 | 布屋
3月に入りました。3月2日からご宿泊のお客様をお受けしています。ところが今回の改修のメインである書棚がまだ来ません。書棚はミセのテーブルや椅子と同じ京都幾何工房の建田(たけだ)先生にお願いしました。2月末の京都は非常に好天が続き、暖かく、おかげでベンガラ塗りも楽だったんですが、実は「漆」はあまり晴れた日が続くと乾かないと言うことで書棚の納品がぎりぎりになりますと先生からご連絡。そして届いたのが3月2日の午前中になりました。当日先生と奥様、助手の方でミセの間に運び入れます。テーブルと同じ「拭き漆」で作っていただいた書棚は写真のような大きいのと小さいのと2本です。大きい方は天井に届く位あり、70キロあるそうです。二つ並ぶと壮観です。テーブルと同系色なので床の濃い茶色とのバランスも丁度よく、先生に大変ご無理を言いましたが、やはりお願いしてよかったです。でもその夜からご宿泊のお客様があるので、とりあえず片っ端から雑誌や本を並べます。押入れの奥に仕舞いこんで今まで日の目を見なかった本たちが喜んでいます。お泊りの際は是非ライブラリーでゆっくりお過ごしくださいね。(おわり)改修後の詳細は今後HPにてお知らせする予定です。

改修工事 14

2010年03月06日 20時43分46秒 | 布屋
今回の改修でうちの奥さんのこだわりのひとつが建具でした。去年の夏から夷川の井川さんに何度も伺い、思うものが得られたようです。オモテの間の押入れの板戸は以前から気になってたようで今回気に入った「舞良戸(まいらど)」が手に入りました。僕と設計家のS氏はこのままでもといいますが彼女はベンガラを塗ると主張。とある2月末の晴れた日に3人でベンガラ塗りを行いました。S氏から「ベンガラ」と「松煙(しょうえん)」を混ぜて板戸に塗ってゆく方法をご教示いただきながら3人で作業を行います。ベンガラと松煙を水で溶いて色目を調整し刷毛で塗ります。乾いたら「サラダ油」をべとべとに塗りこんで、ぼろぎれで油をふき取ってゆきます。結構ふき取るのが大変です。なかなか根気が要る作業ですがうちの奥さんの根気だけは只者ではないので我々二人より丁寧な仕事ぶりです。(言いだしっぺなので当たり前)道行く人々が皆声をかけてゆきます。やっと4枚塗り終える頃にはいっぱしの塗装職人の気分で、次は何を塗ろうかと言い出します。うちの奥さんの満足いく舞良戸を是非ご覧ください。

改修工事 13

2010年03月06日 20時19分45秒 | 布屋
洗いの仕事も終わりいよいよ完成間近になります。お泊りいただいたお客様はお気づきかもしれませんが宿泊していただくお部屋は、土壁が塗られています。専門的には「ナカ塗り」で仕上げてあります。毎朝毎朝清掃を僕がします。丁寧に掃除機をかけようと心がけますがなにぶん時間があまり無く、ミセの開店時間に合わせるとどうしても掃除機の先が壁に当たり、土壁がこそげて行きます。ゆえに7年もたつと土壁の下部が削れてしまいます。これの予防法が「腰紙」貼りです。予め左官のさくあんさんに壁を埋めてもらい、今回は以前から親しくしている西陣の表具屋さんの「吉見秀峰堂」のご主人に腰紙を貼ってもらいます。「茄子紺」の和紙を壁の下部にぐるっと貼ってもらいます。お茶室では壁に帯が当たるのでもう少し高くするそうですが、うちの場合は掃除機対策の為、低めにしてもらいます。でもこれで安心。しかも茄子紺の色で壁に締りが出ます。吉見さんには他にもナカの間の仕切りの板戸を止めて襖に替えてもらったりと、細かい仕事をお願いしました。こうして表具屋さんが身近におられるのも京都なればこそですね。主にお寺や家元のお出入りされています。

改修工事 12

2010年03月06日 19時58分51秒 | 布屋
改修工事は無事終わりましたがこのコーナーはまだ追いつけません。いまだに毎日色々手直しをやっています。今回の改修でも消防署へ避難器具の設置届けを提出しないといけません。これに又手間取っています。さて2月23日 天井の洗いをします。(洗いについての詳細は改修の記録の塗装コーナーにあります。)7年前に来ていただいた洗い屋さんの「イマエ」さんが再度登場。虫籠の部屋の天井は当初塗装しようかと設計家と打ち合わせていました。がうちの奥さんの「洗ってもらお」の一言で洗いに決定。ところが京都でも洗いの出来る職人さんは限られているらしく、結局御年80歳!のイマエさんの出番。7年前に較べるとやはり御年に勝てず腰が痛いと言いつつ、例の苛性ソーダを口に含んで!(劇薬です)仕事を始めます。例の「ササラ」で天井板を洗ってゆきます。普段イマエさんは修験道の行をしているそうでこの大晦日の夜も滝に打たれてきたとのこと。80歳でも鍛え方が違うので未だに現役でいられる点を我々も見習わねば。虫籠の部屋(オモテ)に宿泊されたらその仕事振りをご覧ください。木の木目がきれいに出ています。

改修工事 11

2010年03月04日 19時50分04秒 | 布屋
信楽のつづき。フレックスのお店の裏は田園です。倉庫をそのまま利用した家具店で、主に英国から輸入しているそうです。京都市内のアンティーク家具屋さんの百倍?!くらいのボリュームに圧倒されます。目移りしている奥さんを相手にせずやっと希望のサイズのものに出会えました。高さや意匠はともかく横幅が45センチの棚を探すのを諦めて「ナイトテーブル」と書かれた棚にします。28000円と値札にあります。店員さんと話していて、塗装がすこし傷んでいるのでとか話していると少し引いておきましょうと・・・。彼が提示したのが¥15000!即決でクルマに積み込み帰途へ。帰路の途中うちの奥さんが蕎麦屋があったとのたまう。いつも寝ているのになんで途中にあるお店を覚えているのか摩訶不思議。でも確かに京都へ戻る途中の山の中に「山あいのそば・生粉打・作美」があります。山の中の一軒家の蕎麦屋。ほんとに知る人ぞというお店。ここの蕎麦はやや太めですが蕎麦の香りがとてもよく、山芋蕎麦はねっとりした自然薯でとても美味しい。しかしこんな山の中でやっていけるんですね。蕎麦の世界は深い。

改修工事 10

2010年03月04日 19時28分15秒 | 布屋
3月に入りました。リニューアルオープンをいたしました。実は3月2日、オープン初日の朝に待望の書棚が搬入されました。でもこのコーナーが追いつきません。まだ改修途上です。さて信楽へ。今回フロント?カウンターの横のわずかのスペースに置く家具をかなり早い時期から探しましたが(一乗寺の葡萄家具工房や熊野神社のブルーパロットやら天神さんやら通りすがりの家具を置いてそうな骨董屋さんやら)何処にもありません。幅が45センチ高さが1メートルで手作り和小物を並べられる棚を探します。工事は日曜が休みのためここは信楽まで足を伸ばすしかありません。信楽の中心部にあるヨーロッパアンティーク家具卸の「フレックス」(写真)へ行って来ました。ここはミセにある近江水屋を購入したお店の隣にあります。ものすごいアンティーク家具の量です。店内隅々僕は棚を探しますが、うちの奥さんときたらそんなことは全て忘れて、でかいカップボードやら椅子やらテーブルやら物色中で、挙句のはて全然サイズがでかい棚に一目ぼれしたとかで、もう少しで店員を呼ぶ寸前で取りやめてもらいます。なんしに来たのやら・・・・。