お宿&かふぇ 布屋 《主人のひとりごと》

120年経った京町家を改修した民宿『布屋』

秋です。芸術の秋がやってきました。

2014年09月25日 19時42分09秒 | 京都観光
長期の天気予報では今年の残暑は厳しいとのことで覚悟をしていましたが9月に入ってからは朝晩は涼しいですし、日中もそんなに暑くありません。布屋の裏庭(プライベート部分)では秋の虫の鳴き声が盛大に聞こえてきます。そこで先日美術館と博物館に行ってきました。同志社大学の奥手にある相国寺の「承天閣美術館」(知りませんでしたが”しょうてん”と読まず濁ります”じょうてんかくびじゅつかん”が正しい)へ伊藤若冲の名宝展に出かけてきました。



普段自転車で下鴨とかに行くときに御所ばかりでなくひとつ北側の相国寺を東から西へ通り抜ける道があり割と好きなのでよく通りますが中の美術館は初めての訪問です。



おなじみ龍の絵で有名な法堂(はっとう)の横を入ってゆくと



さりげなく入口があります。



9月23日で終わってしまいましたが「伊藤若冲の名宝展」の案内があります。



門をくぐるとアプローチが長い。



結構もみじが両側にあり紅葉の時の穴場?では。



立派な灯篭があります。



そしてなんとコンクリート打ちっぱなしの重厚な建物です。中は靴を脱いで上がります。平日の午後の時間に誰もいないだろうという予測を大きく破り下駄箱にはかなりの靴の数です。まだまだ若冲はかなりの人気のようです。数年前に雑誌が引き起こした「若冲」一大ブームになった時には、この美術館のファサードに3時間待ちとかのすごい行列ができて大阪から来た友人があまりの長さに見るのを諦めてうちのかふぇに寄ってくれたのを思い出しました。靴を脱いで鑑賞するから結構落ち着けます。しかしさすが金閣と銀閣を持っているだけあってこの美術館の立派さはさすが相国寺と納得してしまいます。常設でも若冲を見れますので日本画の好きな方にはお奨めです。
そして先日前夜に「急遽行けなくなりました」と前日キャンセルの電話があり、その夜は一組だけの予約だったので布屋も急遽お休みになってしまいました。カナシイ。そこで気を取り直し清掃を終えてから雨の中をバスで行ってきました。「ズラリ国宝ずらり重文」のコピーで多くの人を集めている京都国立博物館の「京(みやこ)へのいざない」展です。9月13日から11月16日まであり、前期と後期に分けられています。





東山七条にある京都国立博物館はこの煉瓦造りの本館と常設館がありましたが数年前から常設館を建て替えていてやっと9月13日に新しい建物で展覧会が始まりました。





落ち着いた現代的な建物です。平成知新館と名付けられた建物です。オープンからまだ10日ほどしか経ってないので平日にもかかわらずかなりの人です。でもかなり広いのでゆっくりと鑑賞できます。入口をはいると薄暗いなかに最新の照明設備でまづ仏像が展示されています。お寺のお堂に安置されている仏像を拝観するのが一番だとモノの本にありますが現実にたとえば法隆寺の「釈迦三尊像」などは懐中電灯でも持ってないと暗くて見えません。この平成知新館の仏像の照明は厳かではあるがとても鑑賞しやすいようになっています。いままで国博(雑誌等では京都にあるから京博と略されてますが京都人は国博と呼ぶようです)の収蔵庫に収められていて絶対見れないと思っていた仏像が今回展示されています。それが絵にも描けない百面相をしている「宝誌和尚立像」です。この仏像は以前から興味がありましたがまさか本物を見れるとは思ってなかったので今回じっくりと見てきました。仕事の後で行ったので15時に着いて閉館の17時までの2時間しか滞在時間がありません。展示は染織から金工、書、肖像画、日本画とあり「国宝」だけでも37点もあり、とても観きれません。ここは前期限定の神護寺蔵「伝源頼朝像」「伝平重盛像」をまづ見て(意外と大きい)、レプリカが置いてある妙心寺退蔵院蔵の「瓢鮎図」(本物は軸の上部に僧侶の字が入っているんだ)、そして雪舟の「天橋立図」(よくこれだけ精緻に想像して書けるものだ)を見て時間切れとなりました。蒔絵や古文書とかはあまりよく解らないのでまたの機会にゆっくり見ることにします。しかしこれだけの展示で常設展なので¥520です。信じられない。



出てきたら京都タワーがうっすらと臨めます。



この秋京都へお越しの際は少し余裕をもって是非「京都国立博物館」へお立ち寄りください。こんなに国宝が見れるまたとないチャンスでは。






錦市場と周辺散歩 その3

2014年09月14日 19時10分08秒 | 京都観光
この週末はいいお天気が続いています。ちょっと暑いくらいです。さて錦市場周辺のつづき。堺町通りの北側の角が豆乳ドーナッツのお店ですがその向かいは京都人から長きに渡って愛されてきた「鍋焼きうどん」の富美家でしたがいつの間にか



バウムクーヘンのお店になってます。(かなり前からやで・・とうちの奥さん)しかしうどん屋からバームクーヘンへの転身はちょっとすごいものがある。八つ橋のおたべも最近バームクーヘンを大々的に販売しているし流行りなんかなあ。



少し行くと「おまんやさん」の畑野軒老舗があります。ふだんのおやつのおまんじゅうがいろいろあります。なにも変えないで昔からの店を守るのと新しい方向にチャレンジしていくのとを考えさせられる錦市場です。そして



鮮魚の錦大丸です。錦市場でお刺身を買うならここでしょう。ありとあらゆる魚が並んでいます。ご多分に漏れずここも最近は奥で食事がとれます。日替わりランチが¥2000くらいです。そしてシーズンになるとかならずうちの奥さんが行きたいという



牡蠣の「だいやす」です。ここも以前は販売だけでしたが店先で食べれます。



さっきランチを食べたばかりですが「牡蠣」をじっと見つめて動きません。まだ本格的なシーズンには早いでというと何言うてんの「岩牡蠣」が美味しそうだって。又今度来ようということで高倉通りの角まで来ました。錦市場の終点です。僕たちはこの高倉通りから錦市場に入るのが常ですが今回はちょっと逆から来てしまいました。折角なのでちょっと周辺も歩いてみます。高倉の大丸デパート寄りにいつも気になる



穴子丼のさか井寿司です。ここも毎回来ようといいつついまだ果たしていません。



高倉の角に以前あった立ち吞みの店がラーメン屋に変わっています。そして高倉通りを少し上ると



かの有名な「松川酒店」です。うちの娘が現役で働いていたころ仕事帰りに寄っていた酒屋です。なにしろ酒屋の冷蔵庫をあけて冷えている缶ビールを立って呑むというスゴイ酒屋です。おでんとかもあります。夕方以降すごい人だかりです。高倉から堺町を下がると



ちいさなピザ屋さんがあります。「ピッツェリア・マリーダ」です。うちの奥さんは何度か行ってます。なかなか美味しいそうです。堺町をもう少し行くと



京都でケーキといえばここでしょう。「オ・グルニエドール」です。相変わらずお店は混み合っています。そして堺町から錦市場を通り抜けひとつ先の通りに向かいます。冨小路通りです。今回の二番目の目的のお店が見えてきました。



アイスクリームの「ホブソンズ・カフェ」です。うちの庭の手入れに来て頂いている「京都景画」の木村親方が京町家作事組の改修工事の際にこの町家のお庭を再生されたので機会があったら見に来て下さいと言われたので本日のデザートも兼ねてお邪魔したわけです。





入口を入るとアイスクリームのカウンターがあり、いろんな種類のアイスクリームが並んでいて、ちょっと悩んでしまいます。定番ぽいラムレーズンのワッフルにします。そして立派な座敷にあがるとお庭が臨めます。



木村親方らしい清々しいお庭を眺めながらアイスクリームをいただきます。聞くところによればこの町家は10年くらい前にオモテのミセの間を利用してカフェを営業していて数年前に止められてその後は荒れ放題になっていたらしいです。それをオーナーがビルに建て替える心算が京町家再生研との協議をされて町家として再生することを決断されて、最近京町家作事組の手で見事によみがえった物件だそうです。初めに見に来たときはジャングルみたいな庭だったそうです。流石作事組の手で見事に蘇った素晴らしい例ですね。このあと散歩はつづきます。



ホブソンズの向かいにいつの間に出来たのかそばの「尾張屋」があります。麩屋町には同じくそばの「権太呂」があるので悩みどころです。四条通に出て高島屋寄りの御幸町通りもちょっと歩いてみます。昔はあまり人も歩かない通りでしたが今は若者向けのお店が続いています。



散髪屋さんです。もう少し三条寄りに歩くと





「ムモクテキ カフェ」です。おじさんはちょっと入るのが憚れます。自然食のランチが人気です。そして三条のアケードまで歩いてきました。まだまだいろいろお店はありますが本日は三条京阪のバス停から「11番」嵐山行の市バスに乗ります。片道50分かけて三条京阪から嵐山近くの「生田口」で下車。市バス一日乗車券を有効に使い嵐山近くにあるスーパー銭湯「天山の湯」でひと風呂浴びるわけです。長い一日でしたが平日なので割と空いているお風呂でのんびり過ごせました。帰りも一日乗車券でバスを乗り継ぎ帰ります。クルマだとビールが飲めないからです!長時間ありがとうございました。おわり。




錦市場と周辺散歩 その2

2014年09月11日 19時06分13秒 | 京都観光
朝晴れていたのでちょっと布団を干そうと屋根に広げたら突然雲行きが怪しくなり、片付けているとまた晴れてきます。ちょっと折りたたみ傘は手放せないかも・・。錦市場のつづき。
津之喜酒舗を通り過ぎると富小路です。角にお正月の定番「鴨ロース」を作る際に必ず買いに来る「鳥清」があります。そして、いよいよこの辺りから食べ物屋さんが続きます。まづ



出し巻の「三木鶏卵」があります。早い時間はショーケースのすぐ後ろのガス台で出し巻を専用の鍋(有次の出し巻用の鍋)を器用に両手で二つ、三つ同時にくるっと返して焼いているのが見られます。芸術的で思わず見とれてしまいます。



威勢がいい魚屋の「魚利」では店頭で「はもカツ」を売ってます。結構中国系の観光客が買い食いしています。



何時の間に出来たのか「蜂蜜屋」さんがあります。河原町三条のアーケードにあるお店の支店のようです。



八百屋さんの「池政」です。以前は京野菜や果物を販売していて、その奥にちょっと椅子テーブルを並べて野菜料理が食べれる「いけまさ亭」がありましたがなんと店は閉めて七味屋さんになっていて



2階で本格的に食事処をされています。ちょっと吃驚。



いけまさ亭の隣がかまぼこの「丸常」です。かまぼこというか我々は「てんぷら」と呼びます。他所ではどのように言うのかな?ようするに揚げ天のことですね。ごぼう天とか海老天とかいろんな種類があります。なぜか「丸常」と「丸亀」と隣同士で競っています?!ちなみにうちの奥さんにいつもどっち買うの?と尋ねると即座に「丸常」と返ってきました。柳馬場通りを越えると



高級野菜を扱う(いわゆる京野菜)八百屋の「かね松」があります。この八百屋さんの2階で始められたのが「やお屋の2かい」です。2001年オープンとあります。その当時は錦市場でモノが食べれれるお店というのは寿司屋さんかうどん屋さんか食堂くらいだったはずです。そこへ八百屋さんの2階で野菜料理が食べられるなんてすごいアイデアでした。今でも人気でこの日も「売り切れ」の看板がでていました。



あまりの人気で向かいのビルの2階でも支店を出されていて、10年くらい前に一度行ったことがあります。今回通ったらさすがに支店はなくなっていてカフェに変身していました。八百屋さんの隣が



打田漬物です。市場だけあって漬物屋さんも何軒もあります。みんな試食ができます。あれっ、うちの奥さんもつまんでいます。



打田漬物の隣が佃煮とお惣菜の「井上」です。



錦市場でお惣菜を買ってきて布屋のお部屋で食べられる方は必見です。肉じゃが、おから、ひじきとか年中あるメニューから今の時期は万願寺とおじゃこの炊いたんとかいろいろあって思案のしどころです。見ていても楽しい。うちん奥さんなんかじーーっと見るだけで「今度これ作ろう」なんて呟いています。井上の隣が



平野です。大丸とかデパートにもお店があります。味は平野も美味しいとのこと。錦市場が閉まっていても(午後6時には閉まっています)大丸の地下にある平野でお惣菜を買ってくる手もあります。少し進むと堺町の角に



麩嘉さんがあります。布屋の近くに本店がありますがなにぶん生ものだからお帰りの日にいろいろ観光される場合は錦市場に立ち寄りここで調達される手もあります。本店は料理屋さん向けに作ってるので生麩も1本が大きいですが錦店は家庭用に小さいタイプがあります。麩嘉さんの向かいが



こんなもんじゃです。豆乳ドーナッツを皆さん美味しそうに食べています。錦市場も残り一筋になりました。つづく。














錦市場と周辺散歩 その1

2014年09月08日 20時33分13秒 | 京都観光
最近しつこい食事が苦手になってきたうちの奥さんが作る夕食の献立がだんだん年寄り臭くなってきました。それでたまにはランチでお肉でも食べさせてあげるとの進言があり先日錦市場の近くのお店に出かけてきました。前日の宿泊客のお掃除を途中で止めて市バス一日乗車券で出掛けます。(つまりその夜は宿泊ゼロなんです)うちから錦市場方面へは堀川丸太町から「12番」で四条高倉大丸前まで乗るのが便利です。15分くらいです。大丸前で下車して目指すは四条麩屋町上るにあるお店です。



「シトロン・ブレ」です。ボリュームステーキと国産ワインで贅沢な昼呑みという雑誌のコピーをみて決めます。ランチメニューは数種類あり検討の結果「国産牛 炙りステーキ丼プレート」に決定。なぜなら平日限定で¥1280が¥980とあります。ここのメインメニューは「ステーキ・フリット180g」¥1800のようですが諸般の事情で丼とします。でも出てきたのが





スープにサラダともやしのナムルまでついています。中々柔らかな牛肉にタレがからまりボリュームも満点です。ガッツリ系ながらおしゃれなインテリアなので女性客が大半です。浴衣姿の観光客の女性グループも楽しそうに食事中です。ランチタイムにはハートランド生ビールが¥200で呑めます(もちろん我々もオーダー)。満足して最近来ていなかった「錦市場」を散策することにします。麩屋町にいるのでまづは寺町側まで行き錦市場探訪を始めます。



このアーケードもよく雑誌とかに出てきますね。お店ばかり見てないでちょっと見上げてみてください。さて寺町側から入ると酒場本で有名なバッキーさんのお漬物やさんの「錦高倉屋」があります。最近どういう訳かコックコートで店におられますが今日はお休み?みたいです。すぐにあるのが



親子丼で有名な「まるき」です。市場の食堂ですがこれぞ食堂という感じで親子丼も美味しいです。この向いにあった「かしわ屋」(鳥長)(京都で鶏肉店をこう呼びます)さんが無くなって新しい店になってます。ここのから揚げが良かったのに。御幸町をすぎて直ぐに



「有次」です。うちで使っている包丁と鍋はほとんど有次です。ところが



ちょっと店をのぞいてみるとなんと外国のお客様が七割くらい!中国系以外にけっこう白人系もおられます。店員さんも手慣れたものでショーケースの上に各種包丁を並べて説明しています。そういえばうちに毎年ノルウェイーから里帰りの際に来て頂いているMさんも毎回有次に寄られて包丁を調達されています。外国でもかなり人気のようです。有次を語らせるとうちの奥さんも止まらなくなります。そして有次の斜め向かいにある「のとよ」さんでは



歩きながら食べられるように「塩焼きの鮎」が店頭に並んでいます。なにしろ錦市場はいまや観光名所化していて、歩きながら京都の食を堪能できます。



麩屋町を越えてしばらく行くと路地の奥に「hare~晴~」があります。うちがオープンしたころ町家のお店として同じように雑誌に載っていて当時はお野菜を蒸して提供していました。確か女性スタッフで営んでいたと記憶にあります。オーガニックレストランとして健在です。



少し行くと日本酒の品ぞろえが素晴らしい「津の喜酒舗」があります。伏見のお酒を買うならここです。そして一時爆発的に流行った塩糀を作る際に必要な「糀」も扱ってます。うちの奥さんが買いたそうにしていますがここは先があるので我慢。そして冬の粕汁に使う酒粕もここが一番です。このあたりに黒豆の「北尾」やお豆腐の「近喜」があります。ちょうど錦市場を半分くらい来ました。つづく。