お宿&かふぇ 布屋 《主人のひとりごと》

120年経った京町家を改修した民宿『布屋』

電車男 2013秋 電車三昧 その4

2013年09月11日 15時35分11秒 | 旅先で
大雨の富山を後に北陸本線を金沢に向かいます。夕方の時間帯に雨で1時間遅れの為車内はたいそう混雑しています。こういった時に2扉車の電車は大変です。降りる人と乗る人が交差しますが、前と後ろにしかドアが無いので、遅れているのに乗降で余計時間がかかり、どんどん遅れてゆきます。約1時間で金沢に着きます。やはり金沢も雨です。今回も駅近くのホテルを予約しています。





金沢駅前の「ドーミーイン」です。前回も泊まりましたが、大浴場があるのと部屋もそこそこ広くて、駅前立地は魅力です。シングルですがベッドはセミダブルで、洗面とトイレのセパレート、新しさとか総合的に考えると昨夜のホテルとの価格差が¥1000なので、かなりお得感があります。旅装をといて町へ出かけることにします。ここでうちの奥さんから連絡がはいります。四国地方は台風の影響で大変だったとのこと。当初の小豆島2泊仲良しの旅が、大雨で船が欠航するかもで、1泊で島を脱出してきたとのこと。今夜は予定変更で神戸に泊まるそうです。ま、3人が集まってお話が出来れば、多少場所が変わっても目的が変わらないのでいいとしましょう。さて僕は一人駅前のバス停に向かいます。そうです前回もうかがった片町にある「三幸」です。雨が相当きつく降っています。いつもめちゃ混んでいる三幸も今夜は空いてるかな?片町でバスを降りてお店に向かいます。



ガラガラ「こんばんは」・・ありゃりゃ。雨にもめげず満席です。なんとかカウンターの隙間に一席空きがありました。よかった。金沢でほかに適当な店を知らないのでホットします。しかしいつ来てもこの店は一杯です。しかも地元の人が殆どです。やはりいい居酒屋は地元民に愛されていることが鉄則ですね。カウンターにはいつもの笑顔の女将さんと例のおでん番のおばあちゃんも健在ですが、なにしろ店内はてんてこ舞い状態です。瓶ビール(サッポロ)と、取りあえず目の前のポテトサラダ、鰆のお造り、自家製三幸揚げをアルバイトの男の子にオーダー。しかしビールは直ぐ出てくるも他はなかなか出てこない。お店は入れ替わり地元民がどんどんやってきます。カウンターには忘れられた一人客の僕。やはりオーダーは女将さんに直接言えばよかった。なんとか合間を見て注文品を持ってきてもらうも不運にもその後頼んだ「加賀おでん」も、大根がもうちょっと煮えてませんとか、売り切れがあったりで残念ながら消化不良でお店を出ます。でも女将さんのフォローもあって、また今度も来ようとホテルに戻ります。電車男の翌日は金沢にある私鉄電車巡りです。



まづは北陸鉄道の浅野川線です。短い路線ですが金沢駅の地下に立派なホームがあります。関東の方はこの電車に見覚えがあるかもしれませんが元京王電鉄の車両です。(そんなこと気がつきませんよね。)でもここでは2両編成で、あまり路盤が良くないのか、がたんごとんと走ります。終点の内灘駅まで17分の短い旅です。



ここには小さな車庫があります。まるで模型の世界のようです。あまり時間がないので折り返し金沢に戻ります。今度は同じ北陸鉄道の石川線です。でも起点の野町駅は金沢駅からバスに乗らないと行けない場所にあります。駅前のバスターミナルの表示を見ますが全然わかりません。京都駅で行先を探している旅行者の気持ちがよく解ります。結局案内所のおばちゃんに尋ねます。聞くは一時の恥。すぐ教えてくれます。片町の先、犀川を渡って少し先にありました。



住宅街の中にぽっんと小さな駅があります。野町駅です。



驚いたことに9時台、11時台等は1時間に一本です。イメージ的には京都の嵐山を走っている京福電鉄位かと思っていたのでちょっとびっくりです。暫く待っているとガタゴトと電車が来ました。



始発駅の割にホームと電車の間隔がカーブのせいでかなり広いです。やってきた2両編成の電車に乗って、終点の鶴来駅まで乗ります。



この電車は元東急線を走っていた電車です。でもかなり年季が入っているのでシートもなんだかくたびれています。田園地帯をガタゴト揺られて30分余りで終点の駅につきます。駅で写真を撮ったら折り返しの電車でまた金沢まで戻ります。駅員さんも別に不審がらずに(結構こういう変な電車男がいるんでしょうね)見送ってくれます。北陸鉄道のこの2路線乗り放題切符は¥1000です。又 お天気が怪しくなってきたのでバスで武蔵辻まででて近江町市場食堂で遅いお昼ご飯を食べて、18きっぷで帰ることにします。15時30分の敦賀行にのり敦賀で新快速に乗り継ぎ、京都には20時前には帰ってきました。今回の電車三昧の旅は前半は良かったが後半のお天気がもうひとつだったので、北陸新幹線が出来るまでにもう一度富山地鉄に乗りにゆくことにします。鉄道に興味がない人には今回は大変失礼いたしました。おわり。







電車男 2013秋 電車三昧 その3

2013年09月10日 17時18分21秒 | 旅先で
直江津駅は(そんなローカルな駅どこか解りませんよね)長野からの信越本線と富山からの北陸本線が交わる駅です。



ここから富山に向かう北陸本線はJR西日本になります。このあたりもローカルな電車が走っています。



ここからはJR西日本所属の交直流電車「475系」です。この電車も1960年代にあちこちで急行電車として活躍しましたが、老朽化が進行していて残るはこの北陸エリアのみになってきました。やはり北陸新幹線開業とともに今後第三セクターに移行されるのでどうなるかわかりません。お昼のこの時間帯は乗客もチラホラで、電車男にとってはなかなか快適な旅です。



時折車窓からは、海が見えます。



昔は交通の難所だった「親不知」もトンネルで快調に抜けてゆきます。富山に入ると空模様がなにやら怪しくなってきました。北陸は突然お天気が変わるので、ちょっと雨が心配です。黒部を過ぎて、魚津で途中下車します。いつもJRばかりに乗っていたんですが、ここで趣向を変えて今回は私鉄電車にも乗ることにします。富山県内で私鉄と言えば「富山地方鉄道」です。地元では「地鉄」と呼ぶようです。JRの魚津駅と地鉄の新魚津駅は一旦駅を出て、地下道で繋がっています。富山までの切符を買って、ホームに上がると、丁度富山行きの普通電車がやってきました。



関東の方は見覚えがあるかもしれませんがこの電車が「元西武鉄道」の特急電車だった「レッドアロー」号が使われています。ただし2両編成です。



私鉄電車もなかなか楽しいです。



さすが元特急電車だけあって自販機まで備わっています。窓の外は雨足が強くなってきました。車内は下校時になり地元の高校生が入れ替わり乗ったり、降りたりしてゆきます。本当は途中の駅で降りて違う電車にも乗りたかったんですが(ここには元京阪電車の特急電車も使われています)雨の為、終点富山まで行きます。富山駅では昭和30年代から活躍している電車も見られます。又次の機会にゆっくり乗ることにします。



でも雨は相当強く降り出し、このままJRに乗り換えて金沢まで行くことにします。金沢行の電車を待っていてもなかなか現れません。そうです富山地方に大雨警報が発令されて、線路冠水のため北陸線が止まっています。このとき名古屋では地下街まで雨が入って大変だったようです。なんとか1時間遅れで金沢行に乗車します。つづく。

電車男 2013秋 電車三昧 その2

2013年09月09日 17時07分13秒 | 旅先で
スマイルホテルは朝食が7時からです。8時には長野駅に行かないといけないので7時ぴったしに食堂に行くと、すでに30人くらいの人たちが並んでいます。ここで食パンをトースターで焼いて、マーガリンと(給食みたいな)ジャムを塗って珈琲を飲んでしばし朝ごはんです。あとはお粥が用意されています。サラリーマン風や作業員風の人に交じって若いカップルもみなパンを齧っています。値段が値段だから納得します。でも今頃うちの奥さんは島宿でこだわりの朝食の筈です・・・。さてチェックアウトを済ませ長野駅へ。電車男の旅が始まります。



長野始発の直江津行普通列車「妙高1号」です。その昔、信越本線で特急「あさま」として人気を集めた「189系」電車です。長野新幹線の完成で華やかな特急列車からいまはローカルの普通電車として余生を送っています。車内はかなりくたびれていますが、元特急電車なのでリクライニングシートも健在です。乗車率はかなり低く、のんびりと信越線を進みます。



妙高高原の爽やかな朝の青空のもと軽快に坂道を登ってゆきます。さすが昔あの碓氷峠を行き来していた電車なので足取りも軽快です。ほぼ1時間の乗車で「189系」に満足した電車男は、信越線「新井」で下車します。お目当ては、この駅始発の「快速くびき野」です。



これまた特急電車を使用した快速です。18きっぷで堂々特急電車に乗れるわけです。この快速くびき野に使用されているのが新潟所属の「485系」です。その昔は全国津々浦々と走っていた特急電車ですが、今では定期列車で乗れるのは新潟周辺だけになってきました。特急の間合いで快速に使われていますが、今度の秋の時刻改正でどうなるかわからないので、はるばるここまでやってきたわけです。



外装もかなりくたびれています。これで特急だったらちょっと文句も出そうですが、電車男には味があっていい感じです。(変な人ですね。)新井から新潟行に乗車します。ご覧のようにガラガラです。



さすが特急電車だけに走り出すと快調です。びゅんびゅん飛ばして行きます。



上越市あたりは北陸新幹線の工事が順調に進んでいます。新幹線が開業すると在来線の信越線のこのあたりは第三セクターに移管されるので、そうなると青春18きっぷでは乗れなくなります。乗り納めも兼ねているわけです。直江津からは日本海沿いに北上します。快速と言えどほとんど特急並みのスピードで快調に走ります。





車窓には青い日本海が広がります。でも調子に乗ってこの電車にいつまでも乗っていると新潟まで行ってしまうので帰れなくなります。1時間ほどの乗車で柏崎に着きます。ここから今度は普通電車で直江津まで戻ります。自分でも呆れるくらい物好きですね。40分ほどで直江津に戻り、ここでしばし待つと



金沢行の特急「北越」がやってきます。なんと!これが数少ない国鉄色の485系です。これもたぶんこの秋でなくなる可能性があります。カメラでパチリ。列車が去ってしまうとお昼の時間です。直江津駅は今では残り少なくなってきた駅弁を販売している駅です。何種類かある中で、今丁度テレビの取材を受けたという「さけめし」を購入します。そうです電車男だけではなくて、この特急「北越」と駅弁が秋の旅番組で取り上げられるとかで撮影されていました。僕だけこんな変なことをしているわけではないんだと安心します。





次に乗るのも普通列車なので、ホームの端っこのベンチでお昼にします。お天気もよく、のんびりと駅弁を食べます。ここまではいい感じでした。台風がだんだん近づいて来てるのも知らない平和な電車男です。つづく。

電車男 2013秋 電車三昧 その1

2013年09月07日 20時20分52秒 | 旅先で
毎年うちの奥さんの高校時代の友人たちの旅が今年は9月3日から2泊3日で開催されました。つまり青春18きっぷにギリギリ間に合う時期です。いつもは秋のいい時期に行くので僕の行動範囲も限られますが、18きっぷ期間なので多少遠くへ出かけることが可能です。ただし前日からのお客様をお見送りしてからになるので僕の出発時間はお昼すぎになります。うちの奥さんは朝ごはんを出し終えたら脱兎のごとく「さいならー」と出発します。今年の彼女たちの旅は小豆島にある「島宿真理」に泊まって島を巡るそうです。電車男の一人旅は、いろいろ考えた末、行く先を長野方面から新潟、富山、金沢へと電車を乗り継ぐ旅とします。昼ご飯を済ませ、京都駅から新快速で米原へ。大垣乗り換えで名古屋に着きます。



名古屋で特急「しなの」を見送り、中央線で中津川へ向かいます。中津川17時発の普通松本行きに乗り継ぎ、いよいよ木曽路を過ぎると旅に出た気持ちになります。



車内はほどほどの乗車率で、窓側の席で左手には木曽川の流れが眺められます。



京都から普通電車に5回乗り継ぎますがJR西もJR東海も電車の近代化が進んでいて、昔は蒸気機関車が走っていたこの中央西線も、とても快適な新世代直流電車の313系で松本まで行けます。このあたりは2両ですが・・・。松本で長野行きに乗り継ぎます。JR東のこのあたりの普通電車は、まだ昔の電車が頑張っています。以前新潟から帰りに乗った車両が(115系)が走っています。4人掛けのシートは前の方と膝がぶつかる狭さです。長野の手前の「姥捨駅」では善光寺平の美しい夜景が見れます。



京都を12時30分に出て目的地長野へは20時26分定刻着です。うちの奥さんは小豆島のこだわりの宿に今夜は宿泊していますが、一人の僕の今夜の宿は



スマイルホテル長野です。シングルで朝のパンとコーヒーがついて¥4900です。娘に「あやしーホテル」と言われてきましたが、全184室もある(ちょっと古ぼけた)立派なビジネスホテルです。この業界から遠ざかって久しいのでスマイルホテルの内情は解りませんが、たぶん昔そこそこ営業していたホテルを買い取って?スマイルホテルのブランドであちこちでチェーン展開をしているようです。早速チェックインを済ませ(勿論前金制)旅装をといて、晩御飯に出掛けます。丁度ホテルの前にラーメン屋さんがあり素早く入店。





定食と餃子とビールです。お腹もいっぱいになったのでちょっと町を散策します。と言っても夜10時を過ぎると人通りもかなり少ないです。取りあえず長野に来たからには善光寺へ。門前のお店は皆閉まっていて(あたりまえ)お寺に近づくにつれだんだん暗くなってきます。



善光寺の門前まで来ました。周りは真っ暗です。ホテルに引き返そうと思って、でもよく見るとお寺の門が開いています。あれれ?近所の夜の散歩をしている人がお寺の中に入ってゆきます。えーつ中に入れるんだ。恐る恐る入ってゆくとなんと本堂の前までたどり着けます。(もちろん扉は閉まっています)なんと開かれたお寺。さすが善光寺。真っ暗な本堂に向かってお参りをして明日の電車の旅を控えている僕はスマイルホテルまで戻ります。つづく。








2013年の8月の思い出(その3)

2013年09月01日 12時47分56秒 | 京都観光
9月に入りました。しつこく8月の話題で引っ張ります。
8月11日から下鴨神社の糺の森では、毎年納涼古本市が開催されます。そして布屋のお盆休みの13日に出かける予定で、例によってお客様が帰られた後の清掃作業のあと、いつも懸案の台所の「グリストラップ」の清掃も一気にやります。グリストラップ?とは、キッチンの床下にある排水溝に備わる油等の除去用の溝にたまる簡単にいうと「どぶそうじ」です。これを怠ると大変な状態になりますが、料理長(うちの奥さん)は私は絶対にやらないと宣言していますので、当然のことながら「下っ端」の僕の担当です。1時間以上かかってしかも猛暑の中の作業故に疲労困憊。終了後直ぐに古本市にいく余力は残っておらず、自然お昼寝モードに入ります。ふと目覚めると夕方4時!あれれ古本市に間に合わない・・。去年の「古本市のうちわ」を出してみると午後6時までとなっています。今から出れば5時前についてほぼ1時間はあると判断して急いで自転車で駆け付けます。



残暑の中一生懸命自転車で駆けつけ5時前には到着。ささっと見ようと手前の本屋から始めると例ののんびりした口調の場内放送が入ります。「あと30分で閉店しますのでお買い物の方はお急ぎください」???あれれ、今年のパンフレット見ると「閉店午後5時30分」とあります。今年から短縮されている!



という訳で、消化不良の今年の古本市でした。そして青春18きっぷの旅を8月15日に敢行。今回も一人で電車の旅に出ます。山陰線の福知山周辺ではまだ国鉄色の特急電車が走っています。朝8時過ぎの電車でいざ福知山へ。福知山には2時間ほどで到着します。この駅も昔の風情は一切ない立派な新しい駅に建て替わっています。ホームでまつことしばし。なつかしい国鉄色の特急電車がホームに入ってきます。ここで上りと下りが横並びになるのを待ちます。すると、あらら!もう一本別の線(福知山線)から来た特急と奇跡の三つ並びです!他のJRの駅でこんな風景は絶対見られません。しかもいつまでこの状態が続くかも解りません。



すると、どこからかデジイチにでっかい望遠レンズをつけた電車ファンの少年たち(10人くらい)が大挙現れ、ホームは一瞬興奮の坩堝と化します。(もちろん一部の我々だけですが・・)特急電車が走りさると、ささっと少年たちは去ってゆきます。残されたのは感傷にふける僕だけです。気を取り直し城崎温泉へ。







猛暑で温泉に入るのもためらわれますが駅から一番近い「地蔵湯」へ。



1時間の滞在時間でまた福知山へ。再度ホームで撮影したあと福知山線で大阪へ出ます。折角なので大阪駅の北側に春に開業した「グランフロント」をちらっと見物します。





ここも1時間くらいでは、広すぎてなにがなんだかわからない内に「おじさん」の来るところではないと判断して電車で京都へ戻ります。13時間位の18きっぷの旅でした。しかし381系特急電車の三つ並びが見れて電車男は満足して、京都駅自転車駐輪場から自転車で帰途につきます。おわり。