私はものを作るタイプの人間ではないんですね。
正確に言うと、人を喜ばせるようなものを作るタイプではないです。
これは愚痴でも自嘲でもなく、客観的に自分を見つめるといつも思うことです。
色々な作家の人たちの作品を見たりすると、その人たちにはあって私には決定的にないものを感じます。情熱でしょうか。あ、才能と技術ってのもあります。それから、人に見てもらおうとか喜んでもらおうという意識とそのための努力がそもそも足りないかもしれません。私は自分のためだけに作り過ぎています。そのことが仕方がないとしても、そうやってできたものを公開してしまうというのは、率直に言って痛ましい種類の情報の垂れ流しではないんだろうか。それにしても、人を喜ばせようと何かを作るとして、誰をどうやって喜ばせたらよいものでしょうか。
結局のところ、私は何がやりたんだか、分からないような気がします。いつまでも独り善がりではいけないのではないんだろうか。そうかもしれない。でも、ほんとうにそうなのだろうか。せめて自分だけでも楽しければよいのではないだろうか。でも、ほんとうにそうなのだろうか。
いまのところ、こういう思考の上を私は際限なくぐるぐるもやもやうろうろし続けています。もう世の中には素晴らしいものが溢れているのに、いまさら私がやることなんて何もないかもしれません。そのことが、どうにも私を滅入らせるのでした。それでも、意味があるとかないという判断は決して自分ではできない種類のものであると思い込んでは、多分これからもまだ作り続けるんでしょうけれども。この文章もつまらないものの垂れ流しですね。こういう事態にどう対応したらいいんだろう。
洋梨を剥いていて親指を深々と切ってしまった、寒い日曜日。反省することはまだまだあるなあ。