啄木鳥の詩

里山の自然と山野草・高山植物、低山歩きと野鳥観察

「雨ニモマケズ」

2021-08-19 11:49:42 | その他
 「雨ニモマケズ 風ニモマケズ 雪ニモ夏ノ暑サニモマケヌ・・・」カタカナと漢字交じりの有名な宮沢賢治の詩。シャツの胸ポケットに入るくらいの黒い手帳に、メモ書きのように記されている。その手帳、右綴じ縦書き、独特な文字で51頁~60頁にかけて書かれていた。初めて見た直筆と手帳。宮沢賢治の作品との出会いは・・たぶん教科書。まさに当該作品と記憶している。いろいろなものが、ギュギュっと凝縮されていて、若い頃の感受性が豊かな時期であったからこそ、言葉のもつ一つひとつが、心に響いたのだろうか・・。
 群馬県高崎市、土屋文明文学館で、9月20日まで宮沢賢治の企画展が開催中。彼の❝まなざし❞は独特の世界観を持っていて、童話や詩の中にも、規格外の才能が、いたるところにちりばめられ、凡人の自身には、やや難解と思う作品もある。今回、気が付いたことの一つは、彼の生家は富裕な社会階層に属していたということ。教科書でお馴染みの写真、大正13年27歳の賢治、彼が上着として身に着けていたのは、鹿革の陣羽織を仕立て直した上着とのこと。自身が抱いていたイメージとはかなりかけ離れていた。もう一つは、音楽を愛する心。「❝IHATOV❞FARMERS SONG」農民音楽歌として教え子たちに配ったという。楽器チェロを演奏し、それが「セロ弾きのゴーシュ」の作品などからも、音楽を愛する心がうかがえると、パネルに説明書きがあった。それから、信仰心があついことも新たな発見だ。今回の企画展を機に、再度彼の作品を読み返してみよう。一緒に行った友人は、その夜「よだかの星」を読み返し、宮沢賢治と重なってしまうと申しておりました。

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