上の写真は何か判りますか? 中にはWEのライントランスが入っています。入出力はフルテックのロジウム仕様XLRプラグを使い、内部配線は特殊な銀泉配線にしています。半田材も銀入り鉛レス半田を使っています。箱材は無垢花梨材で響きの良さを考えています。
正体はWE#15Aライントランス。型番から推測すると1910年ごろのモノではないかと推測されます。2セット目を探していましたが、この1セットしか手に入りませんでした。
入荷当時はこのようにして使われていました。
古い配線のままでは「古い音」しかしません。しかし、一聴しただけでただモノではないと感じました。音のキレ・ヌケ・ノビの良さと、質感の麗しさを感じました。このトランスに出会う前に、おなじWEのライントランスも#111C、93F、93A、90A、63C、63A、50Aと同じ仕様に作成して比較試聴を繰り返してきました。その結果、「どんどん古くなる」程「音質が高い」事を実感してきました。
ライントランスの選定は実際に使ってみて決めています。タムラ(複数)、タンゴ、UTC(21・22)等のトランスも使ってきましたが、サイズが大きいほどゆとりの有る音になり、音質的にも高くなる傾向がある様です。UTCのトランスは小さくてもそこそこ良い音がしました。(音楽的に)
トランスのサイズが大きいほど良いなら、一番大きいサイズを目指して、WE#111Cにたどり着きました。1個2Kg有ります。しかし、同じWEでも古いトランスほど「音質が良い」事がわかり、どんどん古いトランスを買い集めました。その結果、①#15A~50Aのグループと②60A~63Cまでのグループ、③90A~93Fまでのグループ、④111c以降のグループと音質の傾向がグループごとに違います。型番が古いほどいい音の傾向だと思います。
実際にライントランスを使うとどのような音になるかというと、平面的なCD音が立体的なアナログの音に変わると感じました。トランスが小さいとスケール感が小さく、大きくなるとスケール感も大きくなります。更にトランスの個性で「艶やかさ」等の質感も出てきます。今では15A等まず一般的には手に入らないと思います。私にとっては宝物のようなものです。