Mr.トレイルのオーディオ回り道

「音質アップ」を目的として、
システム全体の「基礎的項目の見直し」に、
重点を置いて試行錯誤や実験をしています。

LE15系の重低音を再生するユニットに組み合わせるアンプは・・・

2015年07月11日 | ピュアオーディオ
現在は重低音再生を目指して低能率なタイプのウーハーが多くなっている。周波数レンジが下の方に伸びる事は「時代のニーズ」かも知れないが、「低能率」はいただけない。音の反応が鈍くなるからだ。

もうひとつ、「管球アンプ」の聴き易さや古い名器(マランツ#7やマッキンC22等)の管球プリアンプや管球パワーアンプを現代のSPシステムに組み合わせて使う方が居る。管球アンプを組み合わせるなら「高能率SP」か「20cmフルレンジ」ぐらいにして置くべきだと思う。



例えば、JBLのLE15系(LE15,LE15A、#2215、2231A等のコルゲーションコーンタイプ)のウーハーは「コーン紙が厚く重い」傾向にある。これらのウーハーを使ったシステムには、Tr型のプリアンプ+200W級以上のパワーアンプを組み合わせないと上手く制動出来ない。これらのウーハーに管球プリアンプ+200Wパワーアンプを組み合わせても上手く制動出来ない。この逆にTr型プリ+管球ハイパワー(60W以上)を組み合わせても上手く制動は出来ない。

基本的にコーン型(ダイナミック型)のウーハーには「デジタル」チックなアンプが合う。Tr型やIC、LSIは「石」のアンプで有る。この「石」は「半導体」素子を指す。「半導体素子」は有る一定の電流や電圧がかかると「0」→「1」のデジタル的に流れる。これに対して管球アンプは「水の流れの様に」繋がって流れる。この性質は当然音の出方にも出て来る。キレが良く立ち上がりが早いのが半導体素子を使ったアンプだ。

現代のスピーカーは、「半導体素子」を使ったアンプでドライブされる事を前提で作られている。その事を頭の中に置いておかなければならない。懐古趣味の管球アンプの組み合わせでは上手く鳴らない。もっとも現在手に入る真空管はほどんどが中国製やロシア製で有り、その品質は1950年代以前の真空管の比では無い。個人的には「とても使える代物では無い」と感じている。(全ての真空管と云う訳ではない)

管球アンプの良い処は「音の厚み」が低価格な物でも手に入る処。ナローな感じのサウンド。しかし、発熱量と置き場所の問題や、真空管自体の「バルブノイズ」が出る問題。どんなに回路でノイズを抑え込んでも最後に「バルブ(真空管)」がノイズを発生させて来る事はどうしようもない。1950年代以前の真空管では殆ど「バルブノイズ」は感じないが、1960年代以降の真空管では発生するまでの時間が短いし、ひどいモノは最初から「バルブノイズ」が出ている。