Mr.トレイルのオーディオ回り道

「音質アップ」を目的として、
システム全体の「基礎的項目の見直し」に、
重点を置いて試行錯誤や実験をしています。

「官能検査」を皆さんご存じだろうか?

2015年07月08日 | ピュアオーディオ
人間には「五感」が有る。視覚、聴覚、触覚、味覚、嗅覚をさす。五感は鍛える事が出来る。個人的に食品会社を8年程経験して来ている。その中でも「調味」や「検査」を担当して来ていたので「味覚」の鍛錬をして来ていた。

「味覚」には甘味、酸味、塩味、苦味、うま味の5つが基本味として有る。食品会社に勤務するまで「基本味」を意識した事はなかったが、「調味」や「検査」の仕事をすると否が応でも「味」を採点する事が重要な仕事となって来る。何故なら「味を機械で計る事は不可能ではないがとんでもない時間がかかる」が人間の舌(ベロメーター)は一瞬でそれを判別してしまう。

この仕事をしていたのは35~44年前の事。入社して直ぐに「調味」の仕事をして、1日に50回以上、味見した結果を「採点」して記録に残す。当初は先輩の採点とかなり違う採点をしていた様だが、2年もするとほぼ同じ様な採点になって来た。4年もすればそれによって材料の何が「過不足」なのかが一瞬で判別できる様になった。味覚を鍛錬する事で「職人」になったと云う事です。同じ様な事はコックさんやシェフでもされていると思います。「鍛錬」を積めば五感を数値化出来る様な「職人」になれるのです。

オーディオは「音」。その判断は「聴覚」・「触角」と云う五感でします。当然聴覚も鍛錬する事が出来ます。毎日5時間以上聴き続けて10年以上経過して来ますと、普通の方とは違う「聴覚」を獲得して来ると予想出来ます。実際にA730のモーターの「ゴギング音」や電源の周波数の「うねり音」等も聴き取れる時が有ります。一般の方には聴き取れない音かもしれません。当然一般に聴こえる「音のバランス」や「周波数帯域」等も、「実験」をしながらその違いを確認して来ていますので、即座に「○○がおかしい???」と云う様な事は感じます。

1回/週ぐらいの頻度でオーディオを聴かれている方では「聴こえない音」が有り、また鍛錬されていないのでその基準も右往左往していると思います。オーディオを上達(良い音質で聴く事)するという事は「自分の五感を鍛える」事を機器のグレードアップと共に平行的に進める必要が有ります。

耳に病気を持っていない限りは、「耳は鍛える事が出来る」。聴こえる音が多くなって来ると云う事は「着眼大局」で全体像を見る事が出来、音の質感、バランス等を聴き取る能力もおのずと固まって来ると云う事だろうと思います。