goo blog サービス終了のお知らせ 

eラーニングの現状と展望

ネットラーニングHD、ネットラーニング、WIWIW、Phoenix Consulting、各代表取締役 岸田徹

死生観はかわる

2010-03-09 22:43:13 | 読書/新聞/映画など
わたしの死生観の基本は、母親との会話で形成されたと思う。

小学生のころ、なぜ人は死ぬのかと問うたとき、命というものの根本を母親が語ってくれた。

生きるということの意味だ。死と生きるということは、同じともいえる。死があるから生がある。無神論者の母親は、死をまったく恐れていなかった。

自分についてみれば、言葉だけでなく本当に命をかけて闘っているときは、死はまったく恐れるものではなかった。しかし、ただ生きるとなったとき、深淵に吸い込まれるような死の恐ろしさを感じた。存在しなくなる!

いまは、もう一度、母親の死生観の中にいる。わたしも、おなじように、自然に死を恐れていない。命を実感している。


吉田松陰の軌跡

2010-03-09 22:19:42 | 読書/新聞/映画など
萩藩士杉百合之助の二男大次郎は、1830年に生まれた。のちの吉田松陰である。

大次郎は、幼いうちに吉田家の養子となり、山鹿流兵学師範の家職を継いだ。6歳で、吉田家の8代当主となったのである。

11歳の当時、吉田大次郎は兵学教授見習いとして、全国有数の藩校明倫館で山鹿流兵学の講義をうけもっており、藩主に親試もおこなった。「兵法に曰く、まず勝ちて後に戦ふと・・・」

16歳になった読書熱心な大次郎がさかんにのぞんだのは、海外の情報だった。たいへんな危機感をもってアヘン戦争の概要を知ったのは、17歳の夏ごろである。

それから3年後の5月、海外情報があつまる九州の平戸の存在をしった。大次郎は九州遊学を決意し、願書を藩に提出した。21歳の8月25日、許可を得て旅立った。

処刑されるまでの9年にわたる大次郎の旅のはじまりだ。小倉、佐賀、長崎。平戸には50日滞在。むさぼるような読書の毎日。島原をへて、熊本。柳川、佐賀。帰国は12月29日。

1年後、江戸へ遊学。江戸で知った著名な学者たちは、かれが予想したほどのものではなかった。

大次郎の東北旅行は、友人との約束をまもるために、藩の許可が下りる前に、亡命してしまう。亡命は士籍はく奪、家禄の没収がふつうだ。難渋する旅で、50篇の詩がうまれた。

吉田松陰の生涯の重要な部分は、旅にあけくれている。10年間に8度の旅にでて、日本列島をほぼ二周するほど歩いた。

結果的には、松陰の亡命は、封建家臣から解き放たれ、活動に大きく寄与することになった。

士籍はく奪とされた松陰は、藩主のはからいで、10年の遊学にでるようにうながされ、江戸へむかった。24歳。

その5か月後、ペリーが浦賀にあらわれた!それを知った松陰は、ただちに浦賀にむかった。夜小舟をやとい品川で上陸したかれは、「遂に上陸して疾歩す」と日記に書いている。「心甚だ急ぎ、飛ぶが如し、飛ぶが如し」と。

藩は黒船来襲にどう対処すべきか、松陰は死にも値する罪をおかして上書した。幕府の対応を批判している。そして、翌年春にペリーが返事をうけとりに来るときには、必ず戦争になると予想した。そうすれば江戸は総崩れになるだろうと。

しかし、和親条約が調印された。

松陰、どうする?

かれは、条約を破棄せよとはいわない。ここがすごいのだが、松陰のつぎの行動は海外渡航なのだ。密出国をはかるが失敗する。

江戸小伝馬町の獄から荻に移送された松陰。1年2カ月におよび野山獄につながれた。その間、なんと、554冊を読破している。その後2年をあわせて、3年間の読書は、実に1,500冊。

獄を出た後も、家族以外の面会は禁止されていた。家族のためにはじめた小さな講義が次第に拡大し、やがて松下村塾に発展する。松陰は、いう。「奇傑の人物は、必ずここから輩出するだろう。・・西端の僻地たる長門国が天下を奮発振動させる根拠地となる日を期して」と。その明確な理念をもった松下村塾は、そのとおりとなった。

中心メンバー30名の半数が明治までになくなるという激烈な革命集団をうみだした松下村塾。それは、吉田松陰の刑死によって塾生に覚悟と思想と結束を生み出したからである。

海外渡航の失敗は、1,500冊の読書と、松下村塾の発展を生み出した。失敗は「天命」というべきか。松下村塾抜きの明治維新は考えられない。


管理職向けWLB講座

2010-03-09 14:21:36 | eLearning
ネットラーニングは、管理職の方々むけにeラーニング『今日から実行! 管理職が取り組むワーク・ライフ・バランス』 を提供しております。
以下は、コメントを匿名で掲載してもよいと同意を得た方のコメントの一部です。


●目からウロコの内容でした。仕事に対する意識はそこまで変わってきているのかと驚きました。自分もワーク・ワーク世代なので考え方を大きく変えないといけないなと思いました。
●自分はどちらかというと“ワーク・ワーク社員”であるが この講習を受講するることにより、“ワーク・ライフ社員”を理解し、その環境作りの必要性・重要性を認識できた。
●時間もあまり取られる事なくWLBを言葉で勉強できた事は非常に役に立った。
●普段は人事部門担当者のみが学習する内容であるが、営業現場をマネジメントする管理職も認識しておく必要のある内容であったので、受講できて良かった思っている。
●学習の背景も含め、理解しやすかった。
●確認テストにより理解度が確認できたので、理解度が増した。
●ワーク・ライフ・バランスの理解促進に役立った。
私自身が、ワーク・ワーク社員であった為、最近の若い世代の志向について参考になった。「時間制約」がある仕事の進め方は、即、社員への教育に利用できると感じました。
●ワークライフバランスについては女子社員から相談を受けたことが有り、大切な事である認識と関心は持っていたが、日頃の業務に追われて学ぶ機会がなかったので良き受講であったと思う。社内管理職全員の意識を高めていくべきだと感じている。
●資料が判りやすく、かつページ数も少なくポイントを絞った説明内容であり、理解時間も短くて済む。

なお、このeラーニング講座を受講いただいた方の約90%が、受講に「たいへん満足」「満足」と回答いただきました。

ある大手企業では、1,000名以上の管理職の方々に受講いただいています。また、ネットラーニング・グループのwiwiw(資生堂とネットラーニングの共同出資会社)は、育児休業者の職場復帰支援サービスを提供しており、ユーザ企業の管理者の方には、規模にかかわらず、このコースを無料で提供しています。



『この人を見よ』

2010-03-09 00:11:41 | NetLearning Group
ニーチェ44歳のときに書かれた自伝です。以後は、なくなるまでの11年間、狂気のなかに生きた。

序の最初に彼は書いている。
「次のように言う義務が私に生じてくるのである。・・・何よりも私を取り違えてくれるな!と」
「とにかくこの書を読んでほしい。」

理想という嘘
「理想という嘘が、これまで現実の世界にかけられた呪いであったのだ。人類そのものが、この嘘によって、その本能の奥底に至るまで、うそつきになり、にせものになってしまったのだーー」

道徳に追放されたもの
「生存における一切の異様なものと疑わしげなものを摘発することであり、道徳によって従来追放されていた一切のものを救出することである。」

弟子たちよ
「弟子たちよ、わたしはこれから独りになっていく、・・」「いつまでも弟子でいるのは、師に報いる道ではない。」「すべてわたしを否定することができたとき、わたしは君たちのもとに帰ってこよう」

健康への意志
「わたしは、健康への意志、生への意志から、わたしの哲学をつくりだした・・・」

隣人愛と同情
「隣人愛とは、わたしの見るところでは、元来が弱さであり、・・・同情は、デカダン者流のあいだだけで美徳と呼ばれるのだ。」

不穏当な行動
「もしこの地上へやってくる神があるとすれば、その神は、不穏当なこと以外なにもしないのではあるまいか。」

人の生長度を知る
「人の生長度を知るには、どれほど強力な敵対者をーーあるいは、どれほど手ごわい問題を求めているかを見ればよい。・・・--つまり、自分と対等の敵対者に打ち勝つことである。・・敵と対等であることーーこれが誠実な決闘の第一前提である。」

悦楽の泉よ
「悦楽の泉よ、はげしすぎるくらいにおまえはあふれだしている。・・・あまりにもはげしくわたしの心はおまえにむかってあふれ出る」

未来
「未来という木にわれわれは巣をつくる」

神、霊魂の不滅・・・
「『神』、『霊魂の不滅』、『救済』、『彼岸』など・・・根本においては、われわれにむけられた大づかみな禁止令であるにすぎない、『おまえたちは考えてはならぬ』というのだ。」

理想主義
「わたしはわたしのすべての失策を、この『理想主義』の結果と理解している」

神を案出したこと
「生存に対するこれまでの最大の抗議は何であったか?神を案出したこと・・」

神の弁解
「神のなしうる唯一の弁解は、自分は存在していないのだと言うことだ。」

本能
「本能があまりにも早く『おのれを知る』ことは、危険以外のなにものでもない」

願い
「わたしは、願いというものをもったことがない」

頭をきりかえる
「われわれは頭をきりかえなければならない。
人類がいままで真剣に考えてきたことどもは、現実どころではない、ただの想像で、もっときびしくいえば、それはーー病的な、もっと深い意味で害毒を流す人物たちの劣悪な本能から発した嘘なのだーー『神』『霊魂』『徳』『罪』『彼岸』『真理』『永遠の生』などの概念もすべてそうだ・・・ところが人々は、人間の本性の偉大さ、その『神性』をこれらの概念のなかに求めてきた・・政治、社会秩序、教育などのすべの問題が、それによって底の底までまやかしものになり、最もはなはだしい害毒を流す人間が偉大な人間とされ、・・・」

生命肯定
「窮極的な、この上なく喜びにあふれた、過剰なまでに意気盛んな生命肯定は、単に最高の洞察であるばかりでなく、これはまた、最深の洞察、真理と学問によってもっとも厳正に是認され、支持されている洞察なのである。」「このことを理解するには勇気が必要」

「生にたいして然りという」

「反時代的考察は、徹頭徹尾戦闘的である。」

「わたしは、最初の反道徳家なのだ」

自由な精神
「『自由な精神』という語は、自分自身をふたたびわがものとして自由になった精神、という意味以外にとってもらいたくない。」

理想、天才、聖者、英雄、信仰、信念、同情、そして、神も凍え死んでゆく。

「わたし自身への復帰」

「読者はこの本を読み終わると、これまでの道徳の名のもとに尊敬され、崇拝さえされてきた一切のものに対して、ひそかな警戒心をいだくようになるはずだ」

「わたしと見解が一致しないのは、全世界なのだ」

「僧侶が欲することは、まさに全体の退化、人類の退化にほかならない。」

永劫回帰思想
「永劫回帰思想、およそ到達しうるかぎりの最高のこの肯定の方式」

「そこには偉大さがある。苦痛は生に対する否定の要素とはみなされていない。」

大いなる健康を必要とする
「真に自分自身の経験としての冒険によって知りたいと思う者、そいう者は、そのためになによりもまず一つのことを必要とする。すなわち、大いなる健康を必要とする。--それをただ保持しているだけでなく、いつもいつもそれを投げ捨てるゆえに、いや投げ捨てなければならないゆえに、たえず獲得し、また獲得しなければならぬような、そういう健康を必要とするのである。」

「彼は、どんな人間よりも遠くを見た、より遠くを意欲した、より遠くに達した。」

「もっとも深く下がることのできる魂」

「従来の諸価値そのものの価値転換」

「偶像のたそがれーーわかりやすくいえば、古い真理はおしまいだということ」

「キリスト教、この宗教化された、生への意志の否定!」

「わたしになること」

ニーチェ『この人を見よ』手塚富雄訳、岩波文庫、2009年5月15日、第54刷、600円+税