eラーニングの現状と展望

ネットラーニングHD、ネットラーニング、WIWIW、Phoenix Consulting、各代表取締役 岸田徹

日本型eラーニングのラーニングプロセス

2008-04-30 12:55:08 | eLearning
アメリカ型のeラーニングが、仕事ベースであるのに対して、日本型eラーニングは、身につけさせ教育する人ベースであることが特徴です。

日本では、身につけさせる以上、そのプロセスが課題になります。アメリカ型の場合、身につけさせるプロセスに関心はありません。

日本型eラーニングは、結局は教育研修です。アメリカ型は、コンテンツやLMSを売って終わりの販売型です。

日本のeラーニング会社の多くは、この日米のちがいに気がつかないで、アメリカ型を先進事例としてそのまま持ち込んでいます。それは、最終的には、日本では受け入れられません。

アメリカ型のeラーニングでは、ネットラーニングがもっとも重視する学習プロセスの指導やサポートがありません。LMSもコース管理と受講生管理のみです。

ネットラーニングでは、学習プロセスを指導しサポートするために、チュータやラーニングセンターという組織があり、LMSも、ラーニング・プロセス・マネージメント・システム(LPMS)を持っています。

修了率も、「身につけさせる」「教育する」という時に課題になるのであり、アメリカ型の場合は、関心の外であるといえます。

こんなに大きな差がある日米のeラーニングの違いは、もっと注目すべきです。


大人になったら学者になりたい

2008-04-29 10:13:43 | 読書/新聞/映画など
大人になったら、何になりたいか?子どもたちの夢です。

男子でみれば、1位は野球選手。かわりません。

驚きは、「学者・博士になりたい」が、2位であることです。しかも、ランクを上げています。

3位がサッカー選手。

女子では、食べ物屋さん、看護師さん、保育園・幼稚園の先生の順です。これもすばらしい。

第一生命が発表した2007年の「大人になったらなりたいもの」調査の結果です。調査は、2007年7月、8月に全国の小学生以下のこども22万人の調査票をあつめ、993人を抽出して集計したものです。

子どもたちは、たのもしい。

しかし、新聞記事の見出しでは、野球選手や食べ物屋さん、8位に料理人がはいったことなどに注目して、学者・看護師・保育園の先生などを無視しています。(朝日新聞)


企業責任の研修と日本型eラーニング

2008-04-25 15:12:52 | eLearning
今後の社員研修は、企業責任で業務研修としておこなうと考える企業は、74.8%になるというデータを昨日紹介しました。

米国企業では、ほとんどが、社員自身の自己責任で学習すべきであると考えているとみられます。その結果は成果に現れるのであり、社員は自分の努力で能力をアップするべきだという考え方です。

この日米の企業研修についての考え方の違いは、eラーニングについての考え方のちがいとなってあらわれています。日本型eラーニングは、人を育てるという考え方をベースに教育研修の側面を強く持っています。それに対して、アメリカ型のeラーニングは、仕事ベースであり、ナレッジデータベースに近い面もあります。

その考え方の違いは、当然、eラーニングのコースの設計のちがいとなっています。

ところで、これまでの日本のeラーニングの大半は、日米の教育研修の考え方の違いや、日本と米国のeラーニングの違いに気がつかないで、米国式のeラーニングをそのままもってくるものでした。

米国式eラーニングは、日本では使われません。にもかかわらず、一般的には、米国のeラーニングの影響を強く受けています。


能力開発は企業の責任

2008-04-24 15:40:19 | 企業研修
能力開発は、企業の責任とする考え方が強まっています。

現状をみますと、正社員に対する能力開発は、企業の責任または企業の責任に近いとする企業は68.4%であり、労働者の責任または労働者の責任に近いとする企業の30.0%を大きく上回っています。

すでに、3分の1以上の企業が、能力開発は企業の側の責任に近いと考えています。

今後については、企業の責任または企業の責任に近いとする企業が、74.8%へと、6.4ポイント多くなっています。大半の企業が、企業の責任において教育研修を実施する方向を強めています。

調査は、2006年11月から2007年2月にかけて、厚生労働省が実施。
企業調査は、調査対象数:7,372企業、有効回答数:2,333企業、有効回答率31.7%
です。

eラーニングは、自己啓発や自己責任で行うものよりも、企業の責任において業務研修として実施されているものが大半です。




eラーニングは、補助的な教育手段か?

2008-04-23 13:23:43 | eLearning
eラーニングは、基礎教育にしかむかないとか、補助的な教育手段であるとかというような見方は、まだ残っています。

初期のころは、むしろそのような見方のほうが多数でした。eラーニングを提供する企業の側にも、そのような説明をするところも少なくなかったのです。

ブレンディングという考え方も、この流れのなかにあります。

「つかわれないeラーニング」という現実に直面して、多くのeラーニング企業がその解決策をマルティメディアとブレンディングにもとめたという経緯もありました。もともと、LMSとコンテンツさえ用意すればeラーニングは活用されるという考え方に問題があったのですが、ネット回線が太くなりマルティメディアが使えるようになれば、きっとeラーニングを使ってもらえると未来へ逃げたり、先生が存在する教室の補助手段であれば使われるのではないかと考えたりしたものです。

しかし、eラーニングは、このようなものではありません。

ネットラーニングは、eラーニングを、人類が獲得したまったく新しい教育方法だと考えてきました。いずれ、教室による教育よりも一般的になります。

もし、補助的な教育手段であると考えるならば、本来のeラーニングがもっている機能や役割をひきだせないことになります。ブレンディングもその一つです。eラーニングを補助的な位置におくブレンディングでは、eラーニングの力を十分に引き出すことはできません。ブレンディングそのものが、教育全体において、補助的な役割にとどまります。

eラーニングがもたらすものは、教育革命です。教育と学習というもののあり方を大きく変えていきます。

いずれ、eラーニングが、人類の基本的な教育方法になります。また、集合教育の多くも、ネット教育が取り込んでいきます。







内輪の事務所開き

2008-04-22 09:14:51 | アジアネット教育研究所
昨日夜、立川の新事務所で、10人ほどで内輪の事務所開きを行いました。

各部屋がうまく配置されており、使いやすい事務所です。窓が多いのもいいですね。

立川駅北口から北へ2ブロックのところです。

グループ各社の事務所が、国の内外にわたり多数になっていくので、テレビ会議システムの導入などもすすめます。グループ内でどのように情報を共有していくのかも課題です。




立川市に事務所オープン

2008-04-21 12:44:12 | アジアネット教育研究所
アジアネット教育研究所は、東京の立川市に移転し、本日から業務を開始しております。

立川市は、交通の要衝や業務核都市、さまざまな産業の集積地として大きく発展しており、高い文化性の増進、国際コミュニケーションの醸成、地域に学術を伝える生活拠点としての活性化をめざしています。

アジアネット教育研究所は、地域の発展にも貢献していくことをめざしています。




なぜ、姥捨て山といわれるのか

2008-04-18 23:08:49 | 読書/新聞/映画など
後期高齢者医療制度のことだ。

この新しい医療制度では、給与所得者の息子の扶養家族になっていた75歳以上の高齢者は、無理やり子どもと別の世帯としてカウントされて、子どもは扶養控除の適用をうけられなくなる。

政府は、年老いた親を子が扶養することをゆるさない。

この制度では、75歳以上のお年よりは、強制的に新しい制度に取り込まれる。会社勤めをしている人は、会社が半分負担する健康保険をやめさせられて、あたらしい制度にいれられる。こどもの健康保険の適用もうけられない。

これでは、現代の姥捨て山とよばれるのもうなずける。

しかも、年金から天引きされる金額の大きさは、おとりよりの生活を直撃している。また、この制度では、満足な医療もうけられない。

高齢者が増え、一方、生活がきびしい低所得階層が急速に拡大しているなかで、最後のよりどころである家族の助け合いさえも困難にしていくこのような政策は、ほとんど信じがたい。

社会システムが破壊され、崩壊している。




ラーニングセンターという組織の存在

2008-04-18 09:28:42 | eLearning
ネットラーニングには、ラーニング・センターという、他社にはあまりない組織があります。

受講生の学習を支援しサポートする組織です。そのほかに、多くのコースで、担任制のチュータの学習指導もあります。

eラーニングのラーニング・デザインにおいては、コースウエアの設計だけでなく、学習プロセスの設計も重要であり、統合したデザインが必要です。その学習プロセスの設計と学習支援の組織のつくりかたも一体のものです。

その総体の結果として、この3月の修了率は96%となっています。業務研修では、100%やそれに近い修了率を実現していますが、それをふくめて、ネットラーニングほど大規模な受講生をもちながら、全体でこれほど高い修了率を実現するには、多様なノウハウの積み重ねも必要です。

根本には、考え方の違いがあります。ネットラーニングは、自社のビジネスを販売業とは考えていません。つまり、多くのeラーニング会社のようにコースやLMSを販売するのではなく、サービス業として教育研修を提供していくという考えです。教育は、ひとがおこなうものです。

ネットラーニングのようにやれば、修了率があがり、その結果として、学習効果が抜群になるのは明確です。しかし、販売という考え方がベースであるかぎり、ネットラーニングのようにという考えはでてきません。あるいは、それを実現する仕組みももっていません。




わが社の扶養家族

2008-04-17 08:59:22 | Netlearning,Inc.
ワークライフバランスをすすめるネットラーニング・グループは、家族が多いことも特徴の一つです。

4月にも、元気な赤ちゃんの出産で、また家族が1名増えました。社員の家族がふえるのは、うれしいことです。

扶養家族についていえば、社員の数よりもかなり多く、IT業界関係の健康保険組合の入会規制の上限を相当こえているほどです。