eラーニングの現状と展望

ネットラーニングHD、ネットラーニング、WIWIW、Phoenix Consulting、各代表取締役 岸田徹

カリスマ経営者像

2012-03-22 12:03:00 | eラーニング・ベンチャー企業
何人かのカリスマ経営者を身近でみる機会がこれまで何度かあります。なるほど、このような人がカリスマなのだと納得もしました。

これは、あるカリスマ経営者との出会いから退社までの記憶にのこることばです。

中途採用がきまり、最終的にトップと会ってほしいというので会ったときです。しばらくして、突然「きょうはいい日だ。」なぜですかときくと、「素晴らしい人に出会ったからだ。」素直な言葉であるとしても、人の心をとらえる殺し文句です。

そこで飯を食おうと誘っていただいて、夕食にでかけると、「外で夕食をするのは1か月ぶりだ。」。貴重な時間をとってもらったのだなと感謝しました。

いつまでも待っているというので、入社を1年まっていただき、入社記念に何人かと昼食会をしていただきました。どうやって1年を区切ってきたかと話すと、「すごみがある」とコメントされました。ほんとうのすごみは、あまり人には気がつかれないものです。

退職願を直接手渡ししたときに、眼に涙をうかべて「君をひきとめられなかったのはわたしの責任だ。」と。ああ、これがカリスマ経営者なのだとあらためて思いました。

おなじ会社の取締役からも、こんな経験をききました。かれが、全国一の営業実績をのこして完璧なしごとをしているとトップに報告したら、翌日異動させられたそうです。「君はこの分野ではこれ以上成長しない」と慢心をいましめられたのです。その彼が地方に出張中に心筋梗塞で倒れた時に、ヘリコプターでかけつけずっとつきそってくれたということでした。

学ぶべきすばらしい経営者がたくさんおられます。

最近、トップ企業のトップ経営者と旅をご一緒することもあります。まず共通するのは、勉強熱心だということです。バスのなかでも大きなノートをひろげてしきりにメモをとっておられます。心配りも共通です。日本企業は、そういう方をトップにおしあげるという面もありますが。




個人の能力と組織

2012-01-30 08:26:31 | eラーニング・ベンチャー企業
ベンチャー企業は、まだ組織が十分でなく、個人の能力にたよりがちである。

『坂の上の雲』にこんな記述があった。

ーーーー「砲員の能力に頼っていても飛躍はない」ということに気づき、指揮法を研究して世界の海軍常識とは別個の、というよりまったく独創的な方法を鎮海湾にて開発したことがこの海戦に重大な結果をもたらした。
ーーーーー東郷の「極秘497号」において、「射距離は艦橋において掌握する」という「一艦の照準の統一」が明示されている。

バルチック艦隊に完勝した理由のひとつがここにある。

ロシアの海軍は、各砲台で思い思いにそれぞれ照準をきめて日本海軍を圧倒する砲弾をあびせた。日本側は、艦橋にいる砲術長がすべて指示し、「各砲台は毛頭修正しない」のだ。

組織的な行動と個別行動の集合との結果のちがいは明白である。

ベンチャー企業の飛躍のためには、組織力の強化が最大の課題であろう。


上場まで平均11.5年

2011-07-03 17:20:25 | eラーニング・ベンチャー企業
2010年に日本で新規上場したネット関連企業は4社。その設立から上場までの平均年数は11.5年です。

2004年設立のグリーが最短で、それ以降に起業した会社が株式市場に登場してはいません。

昨年上場した4社のもうひとつの特徴は、2010年度いずれも1割以上の増収、3社が2ケタ経常増益を見込むなど業績は着実であることです。

30%をこえるような高い成長が続いているわけではありません。

時代を反映しているといえるでしょう。


Time is money.

2011-05-02 08:08:03 | eラーニング・ベンチャー企業
Time is money. これを、ただ、時間は貴重だ、と訳してはいけない。

そう教えてくれたのは、予備校の英語の教師でした。

時は金なり、そのことばの意味を考えてみるべきだと。時は金なり、それは、資本主義の思想なのだと。

かれは、時間がたてば、金利がつくだろう?時はかねなりなのだと説明していました。

それ以来、翻訳をするときに、元の言葉にふくまれている背景の思想に気を配るようにしてきました。

時は金なり。金利を生むということは、逆にコストがかかるということにもなります。とくに、起業においては、スピードがキーワードになります。

新宿付近では、つぎつぎにコンビニが開店されるのを見てきましたが、改装工事から開店までおどろくほど早く、1日の無駄もない。1日開店がおくれれば、それだけコストもかかってしまう。いかにスピードをたいせつにしているか、目に見えます。

起業はスピードです。コストがかかっているだけでなく、はげしい競り合いのなかで先行優位をいかに確保するかしのぎを削っているのです。

ところで、ビジネスのなかでは、いつでも時間においまくられています。縄文時代もそうであったわけではないのですが、資本主義の世界では本質的なものであり避けられない。

オンとオフ。であるならば、オフには、湯水のごとく時間を無駄遣いするのが最大のぜいたくであり、オフまで時間に追われたくはない。

無為に時間をすごすのが好きです。

成功しているときが危ない

2011-04-13 11:34:32 | eラーニング・ベンチャー企業
ほとんどの企業は、急成長しているときに危機に陥りやすい。これは、自分をふくめて、多くの経営者のいましめにもなっていると思う。

最近、こんな文章に出会いました。
「どの企業も成功が続いて時の方が危ない。「すべてがうまくいっている」と勘違いしてしまい、新たな問題に気が付かなくなってしまうからです。」(和田一夫・元やおはんグループ会長)

ここまで書いて、いま読んでいる『錯覚の科学』(文芸春秋、2011年2月10日)の内容と共通する部分があるのに気が付きました。この本のなかには、なにか追いかけたり関心がなにかに集中している場合、目前のおおきな出来事にさえ、実験結果では半分以上の人に目撃した記憶さえないというおどろくべき事実が記載されています。

事業がうまくいって、ダイナミックな展開に経営者の関心が集中しているときには、あらたな大きな問題が発生していても見えないのかもしれません。

ところで、わたしが急成長しているときの危険を感じるのは、想定外の状況が発生したときの対応力の弱さです。急速に変化することができません。組織ものびきっている。

急成長をおいかけるという思想の中にも弱点があるのかもしれません。世界一が見えた時のトヨタに、経営思想のゆらぎがあったように思います。急成長や世界一ということは、本質的なものではないのでしょう。



多様性こそ最大の武器

2011-04-04 21:56:57 | eラーニング・ベンチャー企業
はげしく環境がかわるとき、われわれもまた激しく変わり、環境に対応していく。

その劇的にかわることができる力は、多様性のなかにある。

マイノリティの中の多様さは、支配的な価値観や思考様式にたいするアンチも多様にふくんでいるからでもある。

自然に対する優位や支配を前提にする文明社会において、人間の能力の限界や非力さにも目をむける。あるいは、経済活動優先のなかで、生活にも目をむける。

再生は、生まれ変わりであり、新しい価値観のもとで力強い生命力をもつ。多様性がそれを保証する。


競争環境のはげしい変化

2011-03-08 11:17:29 | eラーニング・ベンチャー企業

グローバル化は、海外に進出する企業だけが直面するのではありません。日本市場そのもののグローバル化もさけられない。

そのグローバル化は、企業にとっては、まず競争環境の激変を意味します。

また、ビジネスパーソンの大半が英語などに自由自在になれば、日本語にのみ守られてきた市場にも海外競争の波はおしよてくるともいえるでしょう。

ところで、日本のeラーニング市場をみても、これまではほとんど競争らしい競争もなかったといえるでしょう。多数の有力なeラーニング会社が市場から撤退していきましたが、それは競争が激しかったからではなく、ほとんど自滅に近いものでした。

これから、日本のeラーニング市場もグローバル化がさけられません。競争相手がちがう。競争環境がちがう。われわれも、海外にもでていく。

グローバル化は、企業も社員も、はげしい競争にさらされることを意味します。社員にとっては、社外のグローバル人材も競争相手です。優秀な新興国の人材や低い労働コストの途上国の人材も強力なライバルとなるでしょう。

企業も社員も、はげしい競争に勝ち抜くために、徹底的にかわる必要があります。学ぶ。変革する。組織の編成もかえる。

 


企業のIT活用と生産性

2011-03-07 22:34:27 | eラーニング・ベンチャー企業

米国の一流企業は、ITの活用にたけており、高い生産性を確保しています。米国の生産性と欧州や日本の生産性の格差はかくだいしてきました。

ある資料によれば、イギリス国内で操業している米国多国籍企業の工場の生産性は、平均的なイギリス企業の工場の生産性よりも40%も高いということです。

企業の生産性は、ITをどれだけ徹底的に活用しているかによるところも大きいと言えます。

ふりかえってわが社を見ると、eラーニングサービスの提供にかなり高度のITスキルを活用しながら、ビジネスプロセスにそれを十分に活用しているとはいえません。もしこれを改善し、IT活用を徹底するならば、さらに大幅に利益を伸ばすことができます。

ビジネスプロセスにITを徹底的に活用することは、わがグループの来年度の大きな課題の一つです。

 


起業するなら新宿

2010-11-23 11:13:01 | eラーニング・ベンチャー企業

起業家の19%、都内にオフィス置くなら「新宿」。

レンタルオフィス「クロスコープ」を運営する未来予想(東京)がまとめた調査によると、起業家が東京都内でオフィスを置きたい街として、新宿が最も人気を集めた。起業家のうち19%が選んだそうだ。日経新聞がつたえている。

2位は10%の品川。3位の渋谷(9%)は1990年代以降、ベンチャー企業がオフィスを構えることが多かった。

ネットラーニンググループは、サービスを開始した2000年以来、ずっと新宿にオフィスをおいています。当時ベンチャーに人気が高かった渋谷は、あえて避けました。場所的なメリットがすくなかったからです。

新宿には、今後さらにベンチャー企業の集積がすすむでしょう。