ニーチェ44歳のときに書かれた自伝です。以後は、なくなるまでの11年間、狂気のなかに生きた。
序の最初に彼は書いている。
「次のように言う義務が私に生じてくるのである。・・・何よりも私を取り違えてくれるな!と」
「とにかくこの書を読んでほしい。」
理想という嘘
「理想という嘘が、これまで現実の世界にかけられた呪いであったのだ。人類そのものが、この嘘によって、その本能の奥底に至るまで、うそつきになり、にせものになってしまったのだーー」
道徳に追放されたもの
「生存における一切の異様なものと疑わしげなものを摘発することであり、道徳によって従来追放されていた一切のものを救出することである。」
弟子たちよ
「弟子たちよ、わたしはこれから独りになっていく、・・」「いつまでも弟子でいるのは、師に報いる道ではない。」「すべてわたしを否定することができたとき、わたしは君たちのもとに帰ってこよう」
健康への意志
「わたしは、健康への意志、生への意志から、わたしの哲学をつくりだした・・・」
隣人愛と同情
「隣人愛とは、わたしの見るところでは、元来が弱さであり、・・・同情は、デカダン者流のあいだだけで美徳と呼ばれるのだ。」
不穏当な行動
「もしこの地上へやってくる神があるとすれば、その神は、不穏当なこと以外なにもしないのではあるまいか。」
人の生長度を知る
「人の生長度を知るには、どれほど強力な敵対者をーーあるいは、どれほど手ごわい問題を求めているかを見ればよい。・・・--つまり、自分と対等の敵対者に打ち勝つことである。・・敵と対等であることーーこれが誠実な決闘の第一前提である。」
悦楽の泉よ
「悦楽の泉よ、はげしすぎるくらいにおまえはあふれだしている。・・・あまりにもはげしくわたしの心はおまえにむかってあふれ出る」
未来
「未来という木にわれわれは巣をつくる」
神、霊魂の不滅・・・
「『神』、『霊魂の不滅』、『救済』、『彼岸』など・・・根本においては、われわれにむけられた大づかみな禁止令であるにすぎない、『おまえたちは考えてはならぬ』というのだ。」
理想主義
「わたしはわたしのすべての失策を、この『理想主義』の結果と理解している」
神を案出したこと
「生存に対するこれまでの最大の抗議は何であったか?神を案出したこと・・」
神の弁解
「神のなしうる唯一の弁解は、自分は存在していないのだと言うことだ。」
本能
「本能があまりにも早く『おのれを知る』ことは、危険以外のなにものでもない」
願い
「わたしは、願いというものをもったことがない」
頭をきりかえる
「われわれは頭をきりかえなければならない。
人類がいままで真剣に考えてきたことどもは、現実どころではない、ただの想像で、もっときびしくいえば、それはーー病的な、もっと深い意味で害毒を流す人物たちの劣悪な本能から発した嘘なのだーー『神』『霊魂』『徳』『罪』『彼岸』『真理』『永遠の生』などの概念もすべてそうだ・・・ところが人々は、人間の本性の偉大さ、その『神性』をこれらの概念のなかに求めてきた・・政治、社会秩序、教育などのすべの問題が、それによって底の底までまやかしものになり、最もはなはだしい害毒を流す人間が偉大な人間とされ、・・・」
生命肯定
「窮極的な、この上なく喜びにあふれた、過剰なまでに意気盛んな生命肯定は、単に最高の洞察であるばかりでなく、これはまた、最深の洞察、真理と学問によってもっとも厳正に是認され、支持されている洞察なのである。」「このことを理解するには勇気が必要」
「生にたいして然りという」
「反時代的考察は、徹頭徹尾戦闘的である。」
「わたしは、最初の反道徳家なのだ」
自由な精神
「『自由な精神』という語は、自分自身をふたたびわがものとして自由になった精神、という意味以外にとってもらいたくない。」
理想、天才、聖者、英雄、信仰、信念、同情、そして、神も凍え死んでゆく。
「わたし自身への復帰」
「読者はこの本を読み終わると、これまでの道徳の名のもとに尊敬され、崇拝さえされてきた一切のものに対して、ひそかな警戒心をいだくようになるはずだ」
「わたしと見解が一致しないのは、全世界なのだ」
「僧侶が欲することは、まさに全体の退化、人類の退化にほかならない。」
永劫回帰思想
「永劫回帰思想、およそ到達しうるかぎりの最高のこの肯定の方式」
「そこには偉大さがある。苦痛は生に対する否定の要素とはみなされていない。」
大いなる健康を必要とする
「真に自分自身の経験としての冒険によって知りたいと思う者、そいう者は、そのためになによりもまず一つのことを必要とする。すなわち、大いなる健康を必要とする。--それをただ保持しているだけでなく、いつもいつもそれを投げ捨てるゆえに、いや投げ捨てなければならないゆえに、たえず獲得し、また獲得しなければならぬような、そういう健康を必要とするのである。」
「彼は、どんな人間よりも遠くを見た、より遠くを意欲した、より遠くに達した。」
「もっとも深く下がることのできる魂」
「従来の諸価値そのものの価値転換」
「偶像のたそがれーーわかりやすくいえば、古い真理はおしまいだということ」
「キリスト教、この宗教化された、生への意志の否定!」
「わたしになること」
ニーチェ『この人を見よ』手塚富雄訳、岩波文庫、2009年5月15日、第54刷、600円+税
序の最初に彼は書いている。
「次のように言う義務が私に生じてくるのである。・・・何よりも私を取り違えてくれるな!と」
「とにかくこの書を読んでほしい。」
理想という嘘
「理想という嘘が、これまで現実の世界にかけられた呪いであったのだ。人類そのものが、この嘘によって、その本能の奥底に至るまで、うそつきになり、にせものになってしまったのだーー」
道徳に追放されたもの
「生存における一切の異様なものと疑わしげなものを摘発することであり、道徳によって従来追放されていた一切のものを救出することである。」
弟子たちよ
「弟子たちよ、わたしはこれから独りになっていく、・・」「いつまでも弟子でいるのは、師に報いる道ではない。」「すべてわたしを否定することができたとき、わたしは君たちのもとに帰ってこよう」
健康への意志
「わたしは、健康への意志、生への意志から、わたしの哲学をつくりだした・・・」
隣人愛と同情
「隣人愛とは、わたしの見るところでは、元来が弱さであり、・・・同情は、デカダン者流のあいだだけで美徳と呼ばれるのだ。」
不穏当な行動
「もしこの地上へやってくる神があるとすれば、その神は、不穏当なこと以外なにもしないのではあるまいか。」
人の生長度を知る
「人の生長度を知るには、どれほど強力な敵対者をーーあるいは、どれほど手ごわい問題を求めているかを見ればよい。・・・--つまり、自分と対等の敵対者に打ち勝つことである。・・敵と対等であることーーこれが誠実な決闘の第一前提である。」
悦楽の泉よ
「悦楽の泉よ、はげしすぎるくらいにおまえはあふれだしている。・・・あまりにもはげしくわたしの心はおまえにむかってあふれ出る」
未来
「未来という木にわれわれは巣をつくる」
神、霊魂の不滅・・・
「『神』、『霊魂の不滅』、『救済』、『彼岸』など・・・根本においては、われわれにむけられた大づかみな禁止令であるにすぎない、『おまえたちは考えてはならぬ』というのだ。」
理想主義
「わたしはわたしのすべての失策を、この『理想主義』の結果と理解している」
神を案出したこと
「生存に対するこれまでの最大の抗議は何であったか?神を案出したこと・・」
神の弁解
「神のなしうる唯一の弁解は、自分は存在していないのだと言うことだ。」
本能
「本能があまりにも早く『おのれを知る』ことは、危険以外のなにものでもない」
願い
「わたしは、願いというものをもったことがない」
頭をきりかえる
「われわれは頭をきりかえなければならない。
人類がいままで真剣に考えてきたことどもは、現実どころではない、ただの想像で、もっときびしくいえば、それはーー病的な、もっと深い意味で害毒を流す人物たちの劣悪な本能から発した嘘なのだーー『神』『霊魂』『徳』『罪』『彼岸』『真理』『永遠の生』などの概念もすべてそうだ・・・ところが人々は、人間の本性の偉大さ、その『神性』をこれらの概念のなかに求めてきた・・政治、社会秩序、教育などのすべの問題が、それによって底の底までまやかしものになり、最もはなはだしい害毒を流す人間が偉大な人間とされ、・・・」
生命肯定
「窮極的な、この上なく喜びにあふれた、過剰なまでに意気盛んな生命肯定は、単に最高の洞察であるばかりでなく、これはまた、最深の洞察、真理と学問によってもっとも厳正に是認され、支持されている洞察なのである。」「このことを理解するには勇気が必要」
「生にたいして然りという」
「反時代的考察は、徹頭徹尾戦闘的である。」
「わたしは、最初の反道徳家なのだ」
自由な精神
「『自由な精神』という語は、自分自身をふたたびわがものとして自由になった精神、という意味以外にとってもらいたくない。」
理想、天才、聖者、英雄、信仰、信念、同情、そして、神も凍え死んでゆく。
「わたし自身への復帰」
「読者はこの本を読み終わると、これまでの道徳の名のもとに尊敬され、崇拝さえされてきた一切のものに対して、ひそかな警戒心をいだくようになるはずだ」
「わたしと見解が一致しないのは、全世界なのだ」
「僧侶が欲することは、まさに全体の退化、人類の退化にほかならない。」
永劫回帰思想
「永劫回帰思想、およそ到達しうるかぎりの最高のこの肯定の方式」
「そこには偉大さがある。苦痛は生に対する否定の要素とはみなされていない。」
大いなる健康を必要とする
「真に自分自身の経験としての冒険によって知りたいと思う者、そいう者は、そのためになによりもまず一つのことを必要とする。すなわち、大いなる健康を必要とする。--それをただ保持しているだけでなく、いつもいつもそれを投げ捨てるゆえに、いや投げ捨てなければならないゆえに、たえず獲得し、また獲得しなければならぬような、そういう健康を必要とするのである。」
「彼は、どんな人間よりも遠くを見た、より遠くを意欲した、より遠くに達した。」
「もっとも深く下がることのできる魂」
「従来の諸価値そのものの価値転換」
「偶像のたそがれーーわかりやすくいえば、古い真理はおしまいだということ」
「キリスト教、この宗教化された、生への意志の否定!」
「わたしになること」
ニーチェ『この人を見よ』手塚富雄訳、岩波文庫、2009年5月15日、第54刷、600円+税
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