ちょい不良ゴーシュの豪酒録

何年やってもビギナーチェリストの日記

福井交響楽団オータムコンサート2014@ハーモニーホール福井

2014年11月03日 22時48分21秒 | 演奏会
11月2日(日)に行われた福井交響楽団(FSO)のオータムコンサートへ行ってきました.
今回のテーマは「イタリアの風にのって」.



このテーマは来年2月のこまフィルの定期演奏会のテーマと一部かぶっている.
プログラムもメンデルスゾーンの交響曲第4番は同じ.
何かと参考になりマス.

演奏会の開演のスタイルがユニーク.
まず,チェロ・バスとティンパニーだけがステージに登場.
スポットライトをあびながら,ロッシーニのウイリアムテル序曲の冒頭のチェロアンサンブルを演奏.

この冒頭のアンサンブルは,チェロを弾いている人なら誰しも憧れる美しいメロディーとハーモニー.
弾いている人も,聴いている人も,すべてがうっとりする魅力的なパッセージ.
それをわざと音をはずし,メンバーが大げさにこける.
まるでドリフの漫才.
茶目っ気たっぷり.

チェロアンサンブルが無事終わると,オルガン席に金管奏者がズラリと整列.
水兵の行進のファンファーレが鳴り響く.
それに合わせて行進してきたのは水兵ではなく,FSOのオーケストラのメンバー.
わざわざ客席をまわって登場.
オータムコンサートを聴きに行ったのは初めてだけれども,最初からフルスロットルで飛ばしています.

指揮者のMCが上手.
のりのりで曲の解説.
そして,演奏も情熱的.
ロッシーニもレスピーギも熱い演奏でした.

休憩をはさんで,メインプログラムのメンデルスゾーンのイタリア.
終楽章が終わって,客席からはほどほどの拍手.

指揮者のバナナマン・日村さん(?)は演奏後,拍手にこたえてステージに再登場.
そして,こう言った.
「今日はイタリアの音楽を演奏しました.そのイタリア式の拍手はもっともっと凄いんだ!」

そして,客席に向かってイタリア式の拍手の練習.
拍手をしながら,ワーッとかキャーとかブラボーとか日村サ~ン(?)とか,なんでもいいから叫ぶ.
お客さんをバルコニー席,上手,下手,中央の席のブロックに分けて,それぞれイタリア式拍手のリハーサル.
客席の日本人もイタリア式拍手をマスター.

そして,アンコール曲のマイアーベアの戴冠式行進曲.
行進曲が終わる直前に,指揮者のバナナマン・日村さんが客席の方に振り向く.
そして,起立の合図.
聴衆が立ち上がったタイミングで戴冠式行進曲が終わった.
そして,入念に練習したイタリア式拍手.
掛け声が入り混じった大声援.
スタンディングオベーションの嵐.

計算された盛り上がりとは言え,こういう雰囲気,とってもいい.
ナイスな演出で,とても楽しめました.

福井交響楽団って,お真面目な団体さんだと思っていたので意外.
演奏の印象より,企画の印象の方が圧倒.
バナナマン・日村さん(?)が指揮する演奏会があったら,ぜひまた聴きに行きたいと思わせる企画でした.



プログラム
ロッシーニ ウイリアムテル序曲
レスピーギ ローマの噴水
メンデルスゾーン 交響曲第4番「イタリア」

アンコール マイアーベア 戴冠式行進曲

指揮:バナナマン・日村(堺 武弥)