ちょい不良ゴーシュの豪酒録

何年やってもビギナーチェリストの日記

御輿中華蕎麦@御輿

2011年05月07日 15時56分01秒 | 北陸ラーメン大学
武蔵辻のエムザから金沢駅方面へ歩く.
むさし西の大きな交差点を渡ってから,左手の小さな路地に入る.
そこに隠れ家のような中華蕎麦屋がある.



御輿という名のその店は,今年の3月20日にオープンしたらしい.
古民家を改造した店内のデザインはシック.
中華蕎麦というより,和蕎麦屋さんような佇まいだ.



焼豚増量,半熟玉子入りの御輿中華蕎麦を注文.



注文の際に細麺か太麺を選ぶ.
ちなみに,お品書きの隣には,つぎのような説明が貼ってある.

じっくり煮込んだ自家製濃厚豚骨スープに最適な太麺.
通常より多目の180gを使用.
麺の茹で加減は御輿スープにもっとも最適なあんばいでお出ししています.


これを目にしたので,もちろん太麺を選んだ.



スープは魚介系と豚骨系の2種類を合わせたスープ.
昆布,節などからとったスープは黄金色.
透き通るような美しい色.
局方の表現を使えば「澄明な」スープ.
これに乳白色のミルキーな感じの豚骨系スープを加えていた.
それぞれのスープを別の寸胴で煮込み,ラーメン1杯分をさらに小鍋に分けて,配膳直前にガスコンロで再加熱していた.
スープの香りは節系が強いが,味は豚骨のまろやかな風味が強い.
なかなか美味しい.

麺は軽く縮れた極太麺.
二郎系のようなモチモチした食感.
確かにボリュームもあって満足できる麺.

チャーシューは赤身と白身のバランスがよい.
薄めにカットされていて,味付けは素材の肉の味を大切にしている.
半熟玉子は丁寧な一品.
表面はそれほどタレの茶色を帯びていないが,黄身までしっかり味が浸透していたのが不思議.
トロトロの黄身がいい感じ.

岩ノリが入っていて,これがとても香ばしい.
スープの魚介系の香りを,さらに引き立てている.



見た目はこってりだが,脂分も少なく,さっぱりした感じの一杯でした.

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アルペジオーネ・ソナタ@ラ・フォル・ジュルネ金沢2011

2011年05月07日 00時26分51秒 | 演奏会
ラ・フォル・ジュルネ金沢2011の2日目.



何年たっても初心者チェリストにとって,シューベルトのアルペジオーネ・ソナタをライブで聴くことは貴重な経験.

この演奏会のチケットを購入した時のソリストは,タチアナ・ヴァシリエヴァだった.
ラ・フォル・ジュルネ金沢ではお馴染みの女流チェリスト.
2001年のロストロポーヴィチ・コンクールで優勝を果たした初のロシア人.
ちなみに,腕の筋肉がターミネーター並みの美人.
チェロのテクニックもシュアだし,人間離れしている.
彼女は絶対ターミネーターに違いない?

それが,本番数週間前にアンリ・ドマルケットに変更になった.
公式ガイドブックにも,そう記載されている.
ヴァシリエヴァさんは人気があって,忙しいのかな?
東日本大震災や福島原発事故のため,急遽来日を控えたアーティストもいたし・・・.
チェリストにはあまりこだわらず,生アルペジオーネを聴くことが大切だと思ってチケットを買った.

まあいいかぁ~.

そう思って演奏会当日,客席についた.
でも,何だかステージの様子がおかしい.
伴奏用のピアノが,一台デ~ンとステージに置かれているだけ.
チェリスト用の椅子が準備されていない.

開演時刻になると,ピアニストのミシェル・ダルベルトさんがニコニコ笑いながら一人でステージに登場.
ピアノの前で深呼吸してから,即興曲(たぶん)を弾き始めた.

えぇぇ~???
確か,一曲目のプログラムはシューベルトの幻想曲のチェロ版だったはず.
レアなチェロ版幻想曲は没になった?

チェリストの変更に伴ってプログラムも変わったようす.
でも,主催者側から充分な事前アナウンスがなかったような・・・?
意味が分からず,しばし客席でポカ~ン?

でも,ダルベルトさんの生シューマンも貴重な体験.
同じ即興曲を,午後に別のピアニストの演奏で聴いた.
あちらもこちらも両方ともシューベルトのピアノ曲.
だけど,全然違う.

ダルベルトさん,深くて多彩な音.
渋いし格好もいい.

ダルベルトさんのピアノが終わり,やっとチェリストが登場.
またまたポカ~ン?

ステージに登場したモジャモジャ頭の大柄なチェリストは,どう見てもアンリ・ドマルケットではない.
いかにもオールド・フレンチ風の楽器を抱えてステージに登場したのは何者?

ポカ~ンとしがらも,生アルペジオーネ・ソナタを前から3列目で聴けた.
大柄のチェリストは,手も大きい.
ハイポジでも,ひょいと指を伸ばして楽々と音をとっていた.
親指もガンガン使っていたし.(この曲はそういう曲.)
弦は4本ともスピロコア?
張りのある音色だけど,フレンチ独特の柔らかさもあったような・・・?

演奏会が終わってから,本日の公演一覧を改めて見た.
茂木健一郎並みのモジャモジャ頭のチェリストはラファエル・ピドゥ.



後日検索してみた.

ラファエル・ピドゥはフランス・チェロ楽派を継承する名手.
フランスで最高ランクに位置づけられる音楽教育機関のパリ国立高等音楽院に弱冠17才で入学.
フランス・チェロ楽派を代表するチェリスト,アンドレ・ナヴァラの後を継いで教授となったナヴァラの弟子フィリップ・ミュレールのクラスで腕を磨いた.
また,ナヴァラ本人や同じくフランス・チェロ楽派を代表するポール・トルトゥリエのマスタークラスでも研鑽を積みフランス流のチェロを極めた.
あの巨匠ヤーノシュ・シュタルケルにも手ほどきを受けている.
ヨハン・セバスティアン・バッハ国際コンクールに入賞したラファエル・ピドゥは,1987年に「トリオ・ヴァンダラー」を結成.
現在,パリ地方音楽院教授として後進の指導にもあたっている.


モジャモジャ君は,フレンチ・チェリストの伝統の後継者だったとは・・・.
ピアノ伴奏もフランス人のダルベルトさんだった.
この日のアルペジオーネ・ソナタはベテランのフレンチコンビによる演奏.
結局は,お得な結果だったかも?