The Wine Heat!

オテル・ド・ヤマダ ワインフォーラムの主催者であるDr.ヤマダのワインな日々の記録です。

2013 ドメーヌ・ルッチ メルロ ルーシー・マルゴー

2016-08-16 16:30:04 | ワイン
ワインの潮流においての凄さだけではなく、まずはこの造り手のメルロという品種が、このストロークでこれほどまでに薫り高く、しかもその香りにはエロさ、神秘性があり、そして味わいには絹のような舌触り、そして流麗な喉越しがあって、結果ルーシー・マルゴーに対しての賛辞は枚挙の暇が無い。



先日ピノ・ノワールは飲んでみたけれど、ルーシー・マルゴーの桁違いの美味しさは、このメルロにおいてをや、ピノを遥かに越えるだろう!
細かいことは語らずとも飲めば分かる、すなわち炎天下で果実をもいで、ガブッと齧りつく、その瞬間のダイナミズムがそこにはあるのだ。

そしてあの名だたるボルドー右岸のシャトーが、相当の年数の熟成をもってしても、あの不可思議で染み渡るような熟れた香気を放つことは難しい。
そんなワインはまず他には無く、あのオーストラリアでアルコール度数を14度以内に抑えて、なお品格とエレガンスを損なわず、娘のお絵かきのエティケットと中味のギャップで、大概のワインヒートは堪らずぶっ飛んでしまうのだ!

ドメーヌ・ルッチに限って言わせてもらうと、とにもかくにも驚愕のメルロだった!と言わざるを得ないのだ。

2014 ブリュタル アンフォラ Vdf ルージュ ドメーヌ・ドュ・ロクタヴァン

2016-08-15 16:57:33 | ワイン
ロクタヴァンだけでも、心が騒ぐのに、加えてブリュタルにアンフォラときた!
まあとりあえず、ここで思うことは、このようなワインこそ、それなりの面子で飲むべきなのだということ。
そしてシッカリと厳選した面子集めをした上で、このワインを開けた。



で、『ブリュタル』とは何ぞや?ということになるのだけれど、実はこうゆうことらしい。
すなわち、瓶詰め前に亜硫酸を使用することを良しとしない生産者が、自分たちの『攻めた』ワインの共通キュベ名をブリュタルとし、各自でリリースさせたコンセプトワインのことをいうらしいのだ。

ロクタヴァンの造った2014年の赤のブリュタルはアンフォラ仕込でトゥルソー100%で攻めに攻めまくっている。
アンフォラ発酵に熟成、そして7ヶ月の長期マセラシオンが伴うとの事だ。

出来たワインの色合いは、通常のトゥルソーより薄く、わずかに濁り、マフォガニーのニュアンスを残している。
香りは薔薇の花、プラムにレッドカラントの果実にスパイシーさを伴い、ともすれば長期熟成を余儀なくさせられるこの品種でさえも、すでにシュールで味わい深く、今飲んでも感動を呼び起こさせる代物なのだ。

カタラン語のブリュタルは『素晴らしい!』と言う意味があるとの事だけれど、まさしくそれを地で行っている。

その日の持ちよりの会で、ブリュタルのダブルミーニングを何よりも感じ取れた夜だった。

2014 ガラルノー Vdf マイ・エ・ケンジ・ホジソン

2016-08-14 12:53:36 | ワイン
ワインの造り手については、当方ブログで何度も登場しているので割愛させてもらう。
2010年からロワールでのワイン造りを始めているとのことだが、すでにそのワインは堂々としたものだ。



ガラルノーの品種はカベルネ・フラン100%で出来ているが、ブラインドでは中々難しいのでは?と思われた。
しかしながら遅れてきたTチャンマンにこのワインを、駆けつけ3杯の要領で飲ませたところ、ロワールのフランと即座に答えたのだからビックリだった。
なにしろ総体的にはナチュールによるもので、フランの青臭さを消すがために、マセラシオン・カルボニックとセミ・マセラシオンを折衷する手法で造られたこのワインをいとも簡単に当てられたのだから堪らない。
確かにナチュール系のシノンでこうゆうのもあったけれど、それにしてもなのだ。

ワインは色付きよく、ピュアでフレッシュなカシスジャムやブラックベリーのアロマを持ち、そこへキルシュや白檀やお香のアクセントが見て取れる。
果実はコンセントレートされジューシーだが調和とフィネスも備わっているのだ。
まずはワイン造りの5年目のものとは到底思えない代物である。

これを千円札三枚と小銭少しで買えるので、コスパは充分に満足で来うるもの。
とりあえずこのワイン、押さえるべきだと思う。


2010 ジュブレイ・シャンベルタン ヴィエ・ヴィーニュ ベルナール・デュガーピィ

2016-08-12 05:40:29 | ワイン
遠くに住んでいて、盆休前に帰って来た息子が、その夜の食事時にこのワインを飲みたいと言った。
もちろんデュガーピィは他にもあるのだけれど、このヴィンテージのこのアペラシオンが一番出しやすかったのだ。



息子の話では、クロード・デュガは飲んだけど、このワインは飲んだことが無いということだった。
ワタシとすれば、そのような情況は早く解消して、いかにベルナールが素晴らしいのかを知るべきだと考えているので、間髪いれずにこれを開けた。
ここだけのハナシだけれど、クロードを好むやつに、ろくなものは居ない!(笑)
まあこれはほぼ冗談!それにしても、ワインに携わっている息子にもこのワインを飲ませることは、これ以上ない道の師匠を紹介できることだと思うのだ。

で、このワインを飲んだときの息子の反応がまた面白かった。
それは今までにないことであり、狂喜乱舞、仰天同地、ではなかったけれど、神妙であり、一瞬霧が晴れたのようにも見えた。

そうそうなのさ、昨今ホントーにブルゴーニュらしいワインはないのか?と聞かれれば、このワイン!と答えるのは分かるだろ。
そんな心持ちでワタクシは様子を眺めていたのだ。

そしてそれはここのワインの何たるか?を分かってくれる人にのみ共通する暗号発信のそれに近い。
今宵もこうして我はほくそ笑むのだった・・・

2014 コンブララ ノー・コントロール Vdf(オーヴェルニュ)

2016-08-07 14:49:37 | ワイン
ノーコンピッチャーとはコントロールの悪いピッチャーという意味で使われるが、ワイン生産者における『ノー・コントロール』は全く違う意味合いなのだ。
それはナチュール好きにはむしろ、ど嵌りの造り手で、、すなわちノー・コントロールの意味は、アペラシオンの規定に沿わない、むしろそれに囚われないという意味でのノー・コントロールということになる。
その醸造法については、インポーターさんの資料に目を通して欲しいのだが、実際飲んでみての感想を述べると、実に薫り高くチャーミング♪
『コンブララ』はガメイ100%とのことだが、まるでジェラ-ル・シュレールのアルザス・ピノのようだ。





これはウソではなく、本当のことなのだが、何とビックリ!ここの当主のヴァンサン・マリーは立ち上げの前に実際ジェラール・シュレールにお世話になっていたことを後で知った!
ともかく、ココロがトロトロになるほどゆるく、大海の凪のように穏やかなガメイならここにお任せする。
まずは飲んでみなはれ!と言いたい(笑)