土曜日は古寺を歩こう。

寺勢華やかな大寺も、健気に法灯を守り続ける山寺もいにしえ人の執念と心の響きが時空を越え伝わる。その鼓動を見つけに…。

正暦寺、清酒発祥のお寺。

2016年01月11日 | 奈良の古寺巡り




(2016.1.09訪問)


新年の走りは大和路から。と云ってもここは奈良市内、いくらか南の山中に在る錦の里、秋の有名処正暦寺をめざしています。
正暦寺は清酒発祥の地で僧坊酒として名をなしているお寺で、毎年一月第二土曜日は奈良菩提酛清酒祭が行われるんです。
初春に古来の酒造りとお酒法要、ややミスマッチの伝統行事を拝見に、お正月ですので。

          ♪浮世荒波ヨイショと越える~ 今日はおまえの晴れの門出だよ~ 
                 親が咲かせた命の花が 二つ並んだ鶴と亀 笑顔うれしい 祝い酒~♪


ボクは「酒」と云う字を見るだけで酔っぱらうんです。「酒」は嫌いなんです、実は飲めないんです。帰りの運転心配だなァ。



            ▼大本山正暦寺の寺号石碑が建ち、






[ 正暦寺 ]
●山号 菩提山(ばだいさん)
●院号 龍華樹院(りゅうげじゅいん)
●寺号 正暦寺(しょうりゃくじ)
●宗派 菩提山真言宗
●勅願 一条天皇(いちじょうてんのう)
●開山 九条兼俊(くじょうかねとし)
●開創 正暦三年(992年)
●本尊 薬師如来倚像
▲拝観 500円 朱印300円 駐車場無料
▲時間 9:00~17:00 
▲奈良県奈良市菩提山町157 電話0742-62-9569
▲国道169号窪之庄南を東折、お寺まで4km。
 2km手前柳茶屋バス停には、正暦寺の大きなご案内看板があります。目印にしてください。




▼近くにお地蔵さんが二体、泣き笑い地蔵と書かれてますが、どっちがどっちだかよく判りません。






正暦寺縁起 (正暦寺HPから抄出)
正暦三年(992年)一条天皇の勅命を受けて兼俊僧正(藤原兼家息)創建。山号を「菩提山」院号を「龍華樹院」と号し創建当初は堂塔伽藍
を中心に八十六坊の塔頭が渓流をはさんで建ち並び、勅願寺としての威容壮麗を誇っていました。しかし、治承四年(1180年)平重衡の
南都焼き討ちで類焼を受け、全山全焼、寺領は没収され一時は廃墟と化します。その後、建保六年(1218年)興福寺一乗院大乗院住職信
円僧正(関白藤原忠通息)が法相宗の学問所として再興、隆盛を極めました。江戸時代以降は衰退し、ほとんどの堂塔伽藍は失われ、現在
では、福寿院客殿と本堂、鐘楼を残すのみとなっています。




▼参道です。今や裸木ですが、秋の真っ赤は凄いんですよ。






▼参道沿いの菩提仙川。この清流が清酒を生んだんですね。






▼間もなく正暦寺唯一の塔頭福寿院、新年初の入山です。






▼このお寺秋の楓だけではないんです、冬はもう一つの赤、万両(たぶん)の実です。






▼山門を潜るとスグ客殿入り口です。






▼今日は庭障子が閉められていましたのでいきなりお庭です。
 広くはない寧ろ狭い庭園ですが、手入れは尽くされているキレイなお庭です。赤や朱、黄色に埋め尽くされたらビックリするほどの
 お庭でしょう。キット。










                 ▼客殿仏間の本尊孔雀明王像。
                 孔雀明王像は作例が少なく高野山とこちらの像が著名らしいです。



                     (画像はネットからもらってきました)



▼客殿と隣接して建つ護摩堂の中庭。緑の中の赤、妙に目立ちますネ。






▼護摩堂。日差しが強くて画になりません。






▼本尊不動明王坐像。仏師上本慶舟師作、平成十八年開眼法会されたそうです。



(画像は正暦寺HPからお借りしました)




▼福寿院の石垣と漆喰塀。






▼千両か万両かよく判りませんが境内いたるところで赤が目立っています。






▼石仏。






            本堂エリアに向かいましたが、本日石段下でシャットアウト、拝観は出来ませんでした。
            しからば、今日のメイン、菩提酛清酒祭の会場へ行きましょう。


            ▼菩提仙川。






            ▼この寺こそが清酒発祥の地なるぞ。




         ♪五臓六腑に樽酒しみる~ 酔うてめでたい唄のはなむけさ~
                七つ転んで八つで起きろ 明日は苦労のふたり坂 縁がうれしい祝い酒~♪



▼湯気が大きく立ちのぼってますネ。蒸しが始まってるようです。






▼会場についてビックリ、すでに大勢の見物の方々でイッパイ。






▼振舞い処にも大勢並んでいます。






▼蒸しの大釜からどんどん湯気が。






▼大釜はこんな衣装を纏っています。縄縛りの芸術ですネ。(こちらは神聖なものです、誤解ないようにネ)






▼蒸し上がったようですヨ。






▼大きな麻布に大きなスコップで入れてゆきます。






▼大きな簀の子に蒸したての酒米を均等に平らにしてゆきます。相当熱いでしょうネ。






▼並べられた酒米。冷まされた酒米は建物内の次のステップへと向かいます。






▼正装の僧侶方の法会が始まりました。最初は知らない経典の読経、そして般若心経でしめられました。






▼日本清酒発祥の地の酒母で醸造した清酒9銘柄。
 「奈良県菩提酛による清酒製造研究会」に所属する奈良県の蔵元がその酒母を持ち帰り、各々の蔵元がその酒母を用いて清酒を醸造
 しています。






           ▼会場では2016ミス日本酒奈良代表の中島千華子さんが花を添えていました。
           中島さんは2016ミス日本酒16名のファイナリストに選ばれています。



           最終選考会は今年3月京都市内で開催。奈良の皆さ~ん、中島千華子さんの応援よろしく!




▼御朱印です。





       ♪花も嵐も人生航路~ 愛が舵とる若い二人だよ~
              吹けばとぶよな小さな木でも 枝は栄える葉もしげる 門出うれしい祝い酒~♪



会場では「振舞い酒」ならぬ「振舞い餅」を戴きました。アンコときな粉、つきたてのなんと旨いことか。
お腹がイッパイになったところで、新春第二弾はご近所の弘仁寺に向かいます。
申し遅れました、本年もどうぞよろしくお願い申し上げます。




↓ ポチッと押していただければたいへん嬉しいのですが。

神社・お寺巡り ブログランキングへ