土曜日は古寺を歩こう。

寺勢華やかな大寺も、健気に法灯を守り続ける山寺もいにしえ人の執念と心の響きが時空を越え伝わる。その鼓動を見つけに…。

岡寺、西国三十三カ所観音霊場七番札所です。

2012年09月24日 | 奈良の古寺巡り


(2012.09.22訪問)

四季を通じて花の寺と呼ばれている岡寺も、今は芙蓉とムクゲのみ。一方では日本最初の厄よけ霊場と云わ
れ、日本最大の塑造如意輪観音が鎮座しています。最近、厄除け対象年齢もとっくに過ぎ、厄さえも近寄っ
て来ない寂しい人生を送っていますが、今日はお彼岸の中日、なればと日本一の如意輪さんと彼岸花に会い
に明日香にやってまいりました。

[ 岡寺 ]
●山号 東光山(とうこうざん)
●院号 真珠院(しんじゅいん)
●寺号 岡寺(おかでら) 正称 龍蓋寺(りゅうがいじ)
●宗派 真言宗豊山派
●開基 天智天皇(てんじてんのう)
●開山 義淵僧正(ぎえんそうじょう)
●開創 天智天皇二年(663年)
●本尊 如意輪観音菩薩坐像
●西国三十三カ所観音霊場第七番札所

岡寺(龍蓋寺)縁起
縁起は不詳と聞きますが、寺伝によれば天智天皇は天武天皇長子の草壁皇子の岡宮を仏教道場に改め、当時
仏教界最高指導者、義淵僧正に下賜、勅願天智天皇、開山義淵僧正として開基されたと伝わるそうです。
この地はもともと住民を苦しめていた龍を義淵僧正が法力で本堂前の池に蓋をして封じ込めた。この伝承が、
岡寺の正式名称龍蓋寺の原点になっているそうです。

▼駐車場からの参道です。前方に仁王門が見えます。




▼西国七番霊場の文字が刻された寺標。




▼仁王門(重文)。慶長十七年(1612年)建立。二層楼門、三間一戸、入母屋造、本瓦葺。




▼仁王門扁額。




▼手水舎。




▼本堂への参道。




▼鐘楼。文化五年(1808年)ころの建立。




▼本坊楼門。二層鐘楼門、一間一戸、入母屋造、本瓦葺。
階上には兜跋毘沙門天(現在本堂に安置)が安置されていたそう。




▼開山堂。本尊阿弥陀三尊。桁行三間。
多武峰妙楽寺(現談山神社)より移築されたお堂。寛政九年(1797年)建立。明治四年移築。




▼本堂と芙蓉。




▼芙蓉。数は少ないですが境内に点在しています。




▼本堂。文化12年(1815年)再建。




▼本堂正面。




▼本尊如意輪観音菩薩坐像(重文)。
塑造では日本最大の像。像高485cm。通常の如意輪観音像は、六臂、片膝を立てて思惟する像容が多いので
すが、この像は二臂、右手は施無畏、左手は与願の印を結んで、結跏趺坐をする姿をしています。




▼数年前に描きました、本尊お顔のペン画です。




▼芙蓉。




▼本堂。




▼本堂の前にある龍蓋池。




▼大師堂。




▼本尊空海さん。




▼境内のすすき。オブジェかアレンジメントのようです。




▼三重塔。昭和61年(1986年) 514年ぶりに再建。



▼開山義淵廟への参道石段。




▼義淵僧正の墓。



義淵僧正とは伝説にみちた人で生年不詳。(岡寺HPから抄出)
大和国高市郡に子供に恵まれない夫婦がおり、彼等は日々観音様に子が授かるよう祈りを捧げていました。
そんなある日の夜突然子供の泣き声がして、夫婦が表に出てみると柴垣の上に白い布に包まれた赤子がおり、
中に連れて入ると馥郁たる香りが家の中にみちた。というのが義淵僧正の出生伝説。その後この夫婦に養育
され、ついで観音様の申し子として天智天皇に引き取られ、岡宮で草壁皇子とともに育てられました。後に
義淵僧正はこの地を与えられ、龍蓋寺を建立されました。現在岡寺は真言宗豊山派に属しておりますが、開
祖義淵僧正はわが国法相宗の祖であり、その門下には東大寺の基を開いた良弁、菩薩と仰がれた行基、その
他にもおよそ奈良時代の高僧といわれる人は皆、義淵僧正の教えを受けたといわれています。

▼この方が義淵さん。伝義淵僧正像(国宝) (奈良博HPから借用)




▼十三重石塔。




▼瑠璃井参道。




▼瑠璃井。厄除けの湧水がなみなみと水面には手が届きそう。




▼鎮守の稲荷社参道。




▼稲荷社。




▼奥之院石窟。




▼奥行き5~6m位でしょうか、先端に菩薩坐像が見えます。弥勒菩薩と聞きました。
明るく映ってますが、実は真っ暗。奥のお像に左から僅かに灯りがあてられているだけです。
しかし近頃の写真機はどういう具合になっとるんでしょう。見えないものが見えるんです。

ちょっと中へ入るのは止めました。コワイです。






▼高所から本堂。




今日はお彼岸、岡寺から稲淵棚田の彼岸花を見に行きました。
▼明日香稲淵の彼岸花。




▼もう一枚。この写真を見ると今盛りに見えるでしょうネ。いやいやまだまだです。



彼岸花までが遅れ気味のようです。稲淵棚田の畦沿いの赤い帯はまだ途切れ途切れ、もう少々日が掛りそう、
今週末くらいでしょうか。
しかし人出だけは超満開! でした。




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