土曜日は古寺を歩こう。

寺勢華やかな大寺も、健気に法灯を守り続ける山寺もいにしえ人の執念と心の響きが時空を越え伝わる。その鼓動を見つけに…。

法隆寺。聖徳太子のもう一方の顔、ご存知ですか。

2014年01月14日 | 奈良の古寺巡り



(2014.01.11訪問)


ナガ~イお正月休みが終わりました。
たまたま、年末に上原和さんの四十年ほど前の著作「斑鳩の白い道のうえに」を引っ張り出し、読み直して
いて改めて法隆寺と聖徳太子の研究成果の凄さを感じました。上原説が全て正しいかどうかは判りません。
法皇帝説、記紀など様々の古文献を駆使した論点の進め方には成る程とナットクするところばかり。後世聖
王と仰がれる聖徳太子の裏の顔、法隆寺の数々の謎、上宮王家の抹殺でボク達が知っている斑鳩の地の暗さ、
逆にこここそユートピアだった説など読ましてくれます。
よって今年の古寺を歩く第1弾は、法隆寺です。

▼廻廊越しの五重塔。




[ 法隆寺 ]
●寺号 法隆寺(ほうりゅうじ)
●開基 聖徳太子(しょうとくたいし)
●創建 伝推古十五年(607年)
●宗派 聖徳宗総本山
●本尊 釈迦三尊像
▲奈良県生駒郡斑鳩町法隆寺山内1番1号 TEL.0745-75-2555
▲1993年12月、ユネスコ世界文化遺産リストに日本で初めて登録
▲拝観料 一般1,000円/小学生500円(西院伽藍内、大宝蔵院、東院伽藍内共通) 御朱印300円
▲拝観時間 午前八時~午後五時
▲http://www.horyuji.or.jp/index.htm
▲JR法隆寺駅より徒歩約20分 バス「法隆寺門前」行き、法隆寺門前下車
 JR王寺駅よりバス「春日大社、奈良」行き、法隆寺前下車
 近鉄奈良駅よりバス「法隆寺」行き、法隆寺前下車

法隆寺縁起 (法隆寺HPから抄出)
創建の由来は「金堂」の東の間に安置されている「薬師如来像」の光背銘や「法隆寺伽藍縁起并流記資財帳」
(747年)の縁起文によって知ることができます。
それによりますと、用明天皇が自らのご病気の平癒を祈って寺と仏像を造ることを誓願されましたが、その
実現をみないままに崩御されたといいます。そこで推古天皇と聖徳太子が用明天皇のご遺願を継いで、推古
十五年(607年)に寺と本尊「薬師如来」を造られたのがこの法隆寺(斑鳩寺とも呼ばれています)であると伝え
ています。
現在、法隆寺は塔、金堂を中心とする西院伽藍と、夢殿を中心とした東院伽藍に分けられています。広さ約
18万7千平方メートルの境内には、飛鳥時代をはじめとする各時代の粋を集めた建築物が軒をつらね、たく
さんの宝物類が伝来しています。
国宝、重要文化財に指定されたものだけでも約190件、点数にして2300余点に及んでいます。
法隆寺は聖徳太子が建立された寺院として、1400年に及ぶ輝かしい伝統を今に誇り、とくに1993年12月に
は、ユネスコ世界文化遺産リストに日本で初めて登録されるなど、世界的な仏教文化の宝庫として人々の注
目を集めています。


▼R25の脇に建つ法隆寺石標。




▼中央参道を行きます。真っ直ぐです。




▼南大門(国宝)。永享十年(1438年)再建された法隆寺の玄関。




▼では中門へ向かいましょう。




▼中門(国宝)です。




▼中門左前に、平山郁夫さん揮毫の世界遺産碑。日本最初の世界文化遺産と記されています。




▼中門、桁行四間、梁間三間、十五脚重層の楼閣門、入母屋造、本瓦葺。
法隆寺七不思議の一つ、初層桁行四間にセンター柱、なぜ真ん中に柱があるのか、色んな見解が述べられて
いますが、これと云った定説は詳らかにあらずということです。




▼中門初層両サイドに塑像の金剛力士像が睨みをきかせています。
向かって右、金剛力士阿形像(国宝)。像高378.0cm。




▼左に吽形像(国宝)。吽形像 375.0cm。いずれも日本に残る最古の金剛力士像です。




▼さて廻廊(国宝)に囲まれた法隆寺式伽藍(西院伽藍)の中へ。南から東の廻廊です。




▼金堂(国宝)。桁行五間、梁間四間、入母屋造、初層裳階付。



本尊釈迦三尊像(国宝)。飛鳥時代、止利仏師作。アーモンド形の眼で世に言うアルカイックスマイルの彫像。
東の間には薬師如来坐像(国宝)が、西の間には阿弥陀三尊が祀られています。


▼金堂南東裳階の上の肘木を支える獅子。




▼こちらは南西の獅子。勿論北側にも獅子がいます。




▼南から西の廻廊(国宝)です。




▼五重塔(国宝)。塔高32.45m、本瓦葺、 初層裳階付、三間(五層目は二間)五重塔。木造五重塔として現存
する世界最古の塔。初層内陣には東面、西面、南面、北面それぞれに塑造の群像を安置しています。例によ
り金網越しの拝観です。




▼五重塔の初層を支える邪鬼たち。悲壮な顔をして健気にも頑張っています。千三百年間ズーと、可哀相で
すね。




▼塔の相輪。




▼大講堂(国宝)。桁行九間、梁間四間、入母屋造、本瓦葺。延長三年(925年)焼失、正暦元年(990年)再建。
本尊薬師三尊像(国宝)四天王像(重文)を安置しています。この写真後、突如風が強くなり寺務の方が急いで
前面扉を閉めてはりました。




▼この風です。




▼大講堂の向かって左西廻廊に繋がり経蔵(国宝)があります。
現在、天文や地理学を日本に伝えたという百済の観勒僧正像(平安時代)を安置しているそうです。




▼大講堂の向かって右東廻廊に繋がっているのが鐘楼(国宝)です。




▼西廻廊(国宝)。




▼西院伽藍の前の鏡池。吹いてた風がピタリ、名前のとおり波一つない水面。




▼聖霊院(国宝)。
聖徳太子の像を安置するために、東室の南端部を改造したのがこの聖霊院です。




▼聖霊院前の手水舎。流水口が鳳凰で全体がユニークなペルシャポット風なんです。




▼鋼封蔵(国宝)。
高床式の寺宝を保管するための蔵で、かつて法隆寺にはこのような倉が三十三棟も建ち並んでいたといわれ
てるそうです。




▼鋼封蔵を囲む一部にサザンカの生垣。今盛りだと思います。




▼三経院(国宝)。
聖徳太子が勝鬘経、維摩経、法華経の三経義疏にちなんで、西室の南端部を改造して建てられたのがこのお
堂です。現在も毎年、5月16日~8月15日、三経の講義を行っているそうです。




▼三経院前の弁天池。
今頃池中では開花に備えてパワーを蓄積中なんでしょうね。




▼西院エリアの西北端の西円堂にやってまいりました。




▼西円堂(国宝)。
八角円堂、本瓦葺、南面一角裳階付。建長二年(1250年)再建。




▼本尊乾漆薬師如来坐像(国宝)、像高244cm、乾漆像。天平時代。
金泥が残り堂々とした像形、頬ふっくらとやや半眼ぎみで正面から拝するとはっきりと目が合います。光背
が二重船形、千仏で埋められていますが後補のようです。




▼本尊反対側に、不動明王坐像が祀られ、守護するように四天王が周囲を固めています。




▼西円堂東側に鐘楼があります。




▼時を知らす鐘で、現在8時、10時、12時、2時、4時にその数だけ撞かれており、ボクがここに着い
たのが丁度12時。余韻が終わったら次打なので相当時間がかかりますが、12打を最後まで聞きました。
「柿食えば鐘が鳴るなり法隆寺」子規が聞いた鐘の音は、この鐘の音らしいですヨ。




▼西円堂から五重塔と金堂が見えます。




法隆寺第一部、これにてオシマイ。東院エリアにツヅキます。



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2 コメント

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Unknown (ゆうこママ)
2014-01-24 22:11:31
東大寺で〆て、法隆寺でスタート。
なんてステキな年末年始なんでしょ。
想像するだけで、胸が高鳴ります。

法隆寺はやっぱりよいですね。

このページのマイベストは、鐘楼の写真です。
このショットのコンマ何秒か後に時を知らせる鐘が鳴るのですね。
いい写真ですね。
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Unknown (hidepon)
2014-01-28 00:38:16
ゆうこママさんこんばんは。

1打の余韻が消えるまで約30~40秒、12打で約7~8分、
梵鐘の余韻ってこんなに長いとは。
寒かったですわ。

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