土曜日は古寺を歩こう。

寺勢華やかな大寺も、健気に法灯を守り続ける山寺もいにしえ人の執念と心の響きが時空を越え伝わる。その鼓動を見つけに…。

圓教寺は、西の比叡山と呼ばれる天台宗別格本山です。

2014年06月24日 | 兵庫の古寺巡り



(2014.06.21訪問)


先週に続いて播磨です。
姫路の地を踏むのは三十数年ぶり社用で訪ねた以来、JR姫路駅からお城が見えることすら覚えがありません。
なんと申しますか姫路は今、官兵衛一色。通りの両側には官兵衛プロジェクトの幟と旗が僅かな間隔ではた
めき、大河の威力まざまざです。
今日はそれどこではありません、便数の少ないバスで一路書写山へ。西の比叡山、圓教寺を訪ねます。山岳
寺院でかなりデカイお寺と聞いていたので果たして回りきれるか、不安のままやってきました。
もうチョット早く家を出れば済むことなのにマッタク!


▼大講堂。圓教寺の本堂です。




[ 圓教寺 ]
●山号 書寫山 (しょしゃざん)
●寺号 圓教寺 (えんきょうじ)
●開創 康保三年 (966年)
●開基 性空上人
●宗派 天台宗別格本山
●本尊 本尊 釈迦三尊像 
▲兵庫県姫路市書写2968 TEL.079-266-3327
▲拝観料 500円 御朱印300円
▲拝観時間 8:30~18:00
▲HP http://www.shosha.or.jp/ 
▲西国三十三カ所観音霊場第二十七番札所
▲JR山陽本線姫路駅 山陽電鉄姫路駅下車 神姫バス「書写ロープウェイ行」終点下車
 ロープウェイで山上下車 徒歩15~20分 またはマイクロバス5分


▼書写山ロープウェイ。




圓教寺縁起 (圓教寺パンフから抄出)
当山は康保三年 (966年) 性空上人によって開かれました。「この山に登るものは菩提心を起こし、また峰に
棲む者は六根を浄め」られると云う文殊菩薩のお告げの通り、摩尼殿上白山において上人は六根清浄の悟り
を得られました。その後上人の徳を慕い利益を得ようと云う人々の信仰を集め「西の比叡山」と称されるよ
うになり僧侶の修行道場としても栄えてまいりました。


▼ロープウェイを降りると志納所で入山料を払いいよいよ参道です。
 参道に沿って三十三体の観音さんが迎えてくれます。右の青っぽいお像は一番札所青岸渡寺の如意輪さん。





▼10分くらいで鬱蒼とした木立の間、仁王門が見えてきます。





▼仁王門。三間一戸、八脚門、切妻造、本瓦葺。江戸初期建立。
 仁王さんは何処かへお出かけ中のようで、お部屋は空っぽ。





▼志よしや寺と書かれた扁額。





▼奉納金が刻された相当古い石柱が続く参道を行きます。





▼パッと視界が開けました、姫路市内です。





         仁王門から10分くらい、圓教寺シンボル摩尼殿に着きました。
         ▼寺標です。





▼摩尼殿 (如意輪堂)。本尊 如意輪観音菩薩坐像。
 桁行九間、梁間五間、入母屋造、本瓦葺き、懸造。天禄元年 (970年) 建立。





▼摩尼殿の懸造。下から仰ぎ見ると豪快な堂々とした造形です。





▼石段を上ります。御朱印はここでいただくので早速入堂。





         ▼剣に登り龍の手水口、凝りに凝った手水鉢が堂前に。





▼外陣の大提灯と奉納額。









▼摩尼殿楼上からはこんな眺めです。下に見えるのは、はづき茶屋。





▼緑が燃える青もみじのトンネル。道はマックロケで見えませんが「三之堂」への参道です。





▼それでは「三之堂 (みつのどう)」へまいりましょう。





▼途中に穏やかないいお顔の露坐の大仏さんが鎮座されてます。





▼さてさて超有名な「三之堂」広場に着きました。
 右大講堂、正面食堂、左常行堂の三棟が「コ」の字形に並び三棟を総称して「三之堂」と呼ばれています。


 
なぜ超有名か、トムクルーズと渡辺謙のラストサムライのロケ地だったのでした。皆さん知ってました?



▼右にある大講堂 (重文) 。圓教寺の本堂。本尊 釈迦三尊像。
 桁裄七間、梁間六間、重層入母屋造、本瓦葺き。室町期再建。





▼大講堂扁額。相当経時変化で見にくいですが、書写山圓教寺と揮毫されてます。





▼大講堂外陣です。この格子の奥が内陣。





▼中央の食堂 (じきどう) (重文) 。写真の通り横に長いお堂です。
 桁裄十五間、梁間四間、重層入母屋造、本瓦葺き。室町期再建の長大なお堂。


 
ラストサムライピックアップ
渡辺謙と真田広之がトムクルーズを生かすか殺すかを話すシーンとトムクルーズが床に寝転がり、その後渡
辺謙と敵について話すシーン、これがことに有名ですネ。



▼食堂の上層。寺宝の展示館になっています。





▼食堂の背面。





▼常行堂 (重文) 。常行三昧、ひたすら阿弥陀仏の名を唱えながら本尊を回る修行をするための道場。
 四方五間、入母屋造、本瓦葺。
 北側に桁行十間、梁間二間、切妻造、本瓦葺の吹放し建物が接し、中央部には唐破風造の「舞台」が付く。
 写真はこの面です。





▼常行堂本尊 阿弥陀如来坐像 (重文) 。像高251cm、木造。仏師安鎮、寛弘二年(1005年)。
 お堂中央部方二間の須弥壇に安置されいる堂々の丈六仏。お顔、身体の金泥、螺髪の群青、納衣の翻波が
 蝋燭の光で殊更に見栄え上々。





▼弁慶の鏡井戸。今はたんなる小さい池、弁慶にまつわるおもしろお話が残ってるそうです。





奥之院へ行きましょう。
▼不動堂。





▼開山堂 (重文) 。桁裄五間、梁間六間、宝形造、本瓦葺。元応元年 (1319年) 再建。





▼開山堂外陣。性空上人の大提灯が。





▼開山堂内陣。奥のお厨子には本尊 性空上人木像が本尊として祀られています。性空上人の遺骨も像頭部に
 収められているそうです。





▼開山堂軒の伝左甚五郎作と伝わる力士。本来四体のはずが西北隅の一体は現在重さに耐えかねて逃亡中。


         


         ▼和泉式部歌塚。開山堂の横に建ってます。


 
         暗きより 暗き道にぞ 入りぬべき 遥かに照らせ 山の端の月
      
      性空さんに会いに来ながら居留守を使われて、泣き泣き詠んだ歌らしいですね。 



▼鐘楼 (重文) 。方一間勾欄付き、入母屋造、本瓦葺、袴腰。鎌倉時代。容姿端麗かっこのいい鐘楼です。





▼法華三昧堂。本尊 普賢菩薩。方三間、宝形造、本瓦葺。





▼薬師堂。本尊 薬師如来。
 桁裄一間、梁間二間、入母屋造、本瓦葺。元応元年 (1319年) 再建。圓教寺最古のお堂。





▼金剛堂 (重文) 。本尊 金剛薩埵菩薩菩薩坐像。方三間、入母屋造、本瓦葺。





▼展望広園広場から。





相当ハードな境内巡りいよいよオシマイ、もと来た道を帰ります。怪しい天気予報でしたが、いいウォーキ
ング日和でございました。

▼仁王門からの緑。





▼青もみじのトンネルを潜ってロープウェイまで。





▼御朱印です。





特別フロク
▼今日の姫路城。世の噂通りヤッパリ白いです。イヤだなぁ、青空だったらもっと白が映えたのに。
(2~3日前に素屋根が外されたそうです)


 

西の比叡山とはよく云ったもので、書写山一体が境内の巨刹圓教寺。山岳寺院の常として堂宇伽藍が散在、
結局巡り切れてないお堂や塔頭、鎮守社が結構残りました。西国札所なので、巡礼姿の団体さんのお参りが
多く結構な賑わい。今日は一番楽なロープウェイでの訪問でしたが、このお山には六つの登坂参拝ルートが
あるそうで、どれかでアタックするのも面白そうですネ。
ボクは絶対しませんけど。




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