土曜日は古寺を歩こう。

寺勢華やかな大寺も、健気に法灯を守り続ける山寺もいにしえ人の執念と心の響きが時空を越え伝わる。その鼓動を見つけに…。

愛染明王に会いに西大寺へ。

2010年11月08日 | 奈良の古寺巡り


(2010.11.6 訪問)
明日7日で平城遷都1300年祭平城宮蹟会場がお終いになる6日朝9時過ぎ近鉄西
大寺駅に着きました。奈良の朝はピーカン!!いまだに気持ちのワルいヘンな着
ぐるみがウロウロしているところは止めて、ただちに、西大寺へ向かいます。駅
からほんの二分ほどのところに東門が在りますが、この日は正式に?南門から入
山しました。

[ 西大寺 ] さいだいじ
山号 勝寶山(しょうほうざん)
院号 四王院 
寺号 西大寺  
宗派 真言律宗 総本山
本尊 釈迦如来立像 像高167cm(重文)



西大寺縁起
聖武天皇の東大寺の向こうを張って、娘の称徳天皇が鎮護国家と仲麻呂反乱鎮圧
を求め四天王造立を発願。十五年余の歳月で寺容が整い、広大な寺域に百数十の
堂宇が建ち並んでいたと伝えています。
平安衰退後鎌倉時代、叡尊上人が復興、真言律宗の教えに基づく戒律を重視、弟
子の忍性上人と共に社会福祉事業にも力を尽くしたことは特に著名です。

●南門。



●南門屋根のハト。称徳天皇の願いをこめて境内を眺めているのでしょうか。



●南門一直線に東塔址越しに本堂。



●本堂と東塔址基壇。



●本堂(重文)
江戸後期の再建。土壁は無く総板壁のお堂。内陣は仰々しい荘厳はなく質素であ
るけれど非常に上質な感性豊かな荘厳です。



●本尊釈迦如来立像(重文)
中央須弥壇上御厨子に本尊釈迦如来立像が佇立。スラリとしたプロポーションに
しばらく見とれていました。
京嵯峨の清涼寺の三国伝来本尊迦如来立像の模刻とはいえ、叡尊さんプロデュー
スで鎌倉後期第一級の仏師の手になる像、もはや模刻を越えた名作といえそうで
す。



●興正菩薩叡尊坐像。
本堂西脇室に空海さん坐像と並んで安置されています。西大寺中興の祖叡尊さん
は当代随一真言律の名僧。真言律宗のお寺には必ずと言っていいほど叡尊さん寿
像が残っています。



 

●四王金堂。
草創期の由緒が残るお堂。
本尊、十一面観音立像(重文)長谷寺式十一面観音で右手に錫杖を持ち右手に蓮
華、像高590cm、長谷寺ほどでないにしろかなり大きい。漆箔は見事に残ってい
ます。天平期唯一残る四天王立像は足下の邪鬼だけが創建時のものらしいです。
邪鬼曰わく「邪険にするからだ、ざまあみろ!ケッケッケッ」



●四王金堂扁額。



●境内。



●愛染堂。
江戸中期、京近衛御殿を移築した宸殿造りのお堂。
本尊 愛染明王坐像(重文)通常秘仏ですが特別開扉中で初めてお会いしました。
このお像は本堂本尊釈迦如来立像と同じ仏師(仏師善円)の作と云うことで小粒
ながら迫力満点、赤という梵名の由来から全身朱色が鮮明、衣文にのこる載金や
墨文様も見事です。仏師善円さんはさしずめ叡尊さん専属の仏師の感があります。



護摩堂。不動明王を祀っています。覗いてみましたが内部は真っ黒け。



●少し色づいています。



●鐘楼堂。



●東門。
通常こちらから入山される方が多いようです。写真右へ2分のところに近鉄西大寺
駅があります。



この日どうしても拝観しておきたかった体性院(西大寺奥の院)の叡尊さん五輪
塔に向かいます。

●体性院山門。



●叡尊さん五輪塔。
総高342cm。日本一大きい五輪塔といい叡尊さん90歳で示寂した年に建立され
たらしいです。非常に開放感のある境内に叡尊さん以外に西大寺長老の五輪塔が
三基建てられ、いずれも大きな五輪塔です。





それでは西大寺駅に戻って西の京へ向かいま~す。

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