土曜日は古寺を歩こう。

寺勢華やかな大寺も、健気に法灯を守り続ける山寺もいにしえ人の執念と心の響きが時空を越え伝わる。その鼓動を見つけに…。

天寧寺、圧巻の五百羅漢。

2017年06月01日 | 滋賀の古寺巡り





(2017.05.20訪問)


一週遅れになりましたが彦根市のお寺第三弾です。
龍潭寺から南へ二キロ少々、彦根市街の外れ山裾に、これから訪ねる天寧寺があります。このお寺も彦根藩主井伊家に関わりのある
お寺で、江戸幕府譜代第一の彦根藩第十五代藩主で幕末の動乱期、桜田門外の変で暗殺された大老井伊直弼縁のお寺、そしてその父
直中が残したと云う五百羅漢像が完璧な姿で残る羅漢のお寺。それでは彦根第三弾、五百羅漢のお寺、天寧寺へ行ってみましょう。





▼天寧寺庫裡。拝観受付です。







[ 天寧寺 ]
●山号 萬年山 (まんねんざん)
●寺号 天寧寺 (てんねいじ)
●宗派 曹洞宗 (そうとうしゅう)
●開基 彦根十一代藩主 井伊直中 (いいなおなか)
●開山 寂室堅光禅師 (じゃくしつけんこうぜんじ)
●開創 文政五年 (1822年) 
●本尊 聖観音菩薩坐像
▲ 彦根市里根町232 Tel. 0749-22-5313
▲時間 9:00~17:00
▲拝観料 400円 ご朱印300円
▲JR琵琶湖線 「彦根駅」 から近江バス「天寧寺口」下車 徒歩3分
 名神高速道路「彦根IC」から5分



完璧に残る五百体羅漢さん。全国に五百羅漢のお寺はいくつかありますが、完全に揃っているところは多くないそうで、ここは一体
も欠けること無く残っており、本尊、十大弟子、十六羅漢、五百羅漢の合わせて527体が安置されているそうです。


▼これが噂の羅漢堂。近年補修裡されたのでしょう綺麗なお堂です。
 桁裄五間、梁間六間、入母屋造、銅板葺。重層に見えますが下屋根は裳階です。







天寧寺縁起 ( 天寧寺パンフレットから抄出)
井伊直弼の父である彦根藩第十一代藩主井伊直中が自分の過失で手打ちにした腰元と初孫の菩提を弔うために寂室堅光禅師の勤めで
発願建立した。文政二年の春、男子禁制御殿の奥勤め腰元若竹が妊娠、大奥の取締りのために相手の名を詰問したが明かさない。遂
には不義はお家の法度である掟によりお手打ちとなった。後にその相手が長男直清であったということが明かになり、直中も不知と
はいえ若竹と腹の子(初孫)を葬ったことに心を痛め追善供養のため、京都の大仏師駒井朝雲に命じて五百羅漢を彫らしめ安置した
という。





▼羅漢堂の正面は中央三間が格子戸、木札の五百らかんの白文字がいい案配です。







▼正面四本柱に須弥壇。







▼須弥壇上、中央本尊釈迦如来坐像、左右に釈迦十大弟子が祀られています。

      





▼西面の羅漢さんグループ。







▼第十番の羅漢さん「半諾迦尊者」







▼東面の羅漢さんグループ。







▼第十五番の羅漢さん「阿氏多尊者」







▼正面右の羅漢さんグループ。




写真では分りにくいですが、各羅漢さん個体に欠損や大きな傷もなく彩色も残り、よくぞこれだけのものを残されたことに敬意を表
します。しかし京都の大仏師駒井朝雲さんてよほど根気のある方ですネ、最も一人で彫ったのではないでしょうけど。





▼羅漢堂背面にキンピカ布袋さんがドーンと鎮座。像高1.2m、重量300kg。木造で日本一だそうです。さぞやご利益も超ビッグか。







▼う~ん、このお顔、布袋さん独特の愛嬌がネェ……。







▼羅漢堂斜めから。

 





▼羅漢堂と本堂の間は石庭になっています。







▼本堂。桁裄七間、寄せ棟造、桟瓦葺。







▼本堂扁額。最勝殿と読めます。







▼本堂内部、最奥に須弥壇が見えますが本尊は確認出来ませんでした。
 本堂へは入堂できません。この写真はどうして撮ったでしょう? お分かりの方はよほど目のいい方ですネ。







▼本堂、チョット斜めから。







▼境内から彦根市街が一望。彼方の山上に彦根城が見えます。







▼行者堂。どういうお堂か定かに非ず。







▼仏足石。







▼井伊直弼供養塔、立派な宝篋印塔です。
 桜田門外の変で、直弼が流した血が染みこんだ土は彦根に運ばれ、直弼最期の衣装類と共にこのお寺の境内に埋められたそうです。







▼ご朱印です。




彦根天寧寺これにて オ シ マ イ

訪ねた三ヵ寺は共に彦根藩主井伊家に縁あるお寺で、上手い具合に江戸初期、中期、後期の井伊家とのいくらかの関わりが発見出来
たことはこの日の収穫でした。





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