土曜日は古寺を歩こう。

寺勢華やかな大寺も、健気に法灯を守り続ける山寺もいにしえ人の執念と心の響きが時空を越え伝わる。その鼓動を見つけに…。

相國寺、「京の冬の旅」で非公開文化財の特別公開やってます。

2016年01月25日 | 京都の古寺巡り





(2016.01.23訪問)

今京都で禅刹を中心に十六ヵ寺の非公開文化財が特別公開されています。
50回記念「京冬の旅文化財特別公開」で臨済宗の京都五山弐位の相國寺を訪ねました。
山外塔頭の鹿苑寺、慈照寺を持つこの禅刹は、本山でありながら両寺より地味な感じを受けていましたが、なかなかどうして五山文化、
禅文化の中心としての相國寺は名僧や文化人、特に若冲など傑出した文化人を輩出し、学問芸術の拠点としての地位は京都五山弐位の
格に相応しい禅刹なんですネ。




            ▼50回記念「京冬の旅」文化財特別公開のパンフレット。






            [ 相國寺 ]
            ●山号 満年山(まんねんざん)
            ●寺号 相國聖天禅寺(しょうこくしょうてんぜんじ) 通称 相國寺(しょうこくじ)
            ●宗派 臨済宗相國寺派大本山(りんざいしゅうしょうこくじはだいほんざん)
            ●勅願 後小松天皇(ごこまつてんのう)
            ●開基 室町三代将軍 足利義満(あしかがよしみつ)
            ●始祖 夢窓疎石(むそうそせき) 
            ●開山 春屋妙葩(しゅんおくみょうは) 
            ●開創 明徳三年(1392年)
            ●本尊 釈迦如来坐像
            ▲拝観 境内自由 特別拝観 法堂、方丈 600円 朱印 300円 駐車場無料
            ▲時間 10:00~16:00 
            ▲京都市上京区今出川通烏丸東入 電話075-231-0301
            ▲http://www.shokoku-ji.jp
            ▲地下鉄烏丸線「今出川」下車徒歩5分
             市バス「同志社前」下車 徒歩3分
             京阪電車「出町柳駅」下車 今出川通りを西へ徒歩15分




            ▼堂々の寺号石柱。






▼総門。五山二位の禅刹に相応しいのかな、サインや立て看板類。
 今出川通り御苑今出川御門の向かい、同志社に挟まれて参道があります。






相國寺縁起 (相國寺HPから抄出)
臨済宗相国寺派の大本山である相国寺は、京都五山第二位に列せられる名刹です。正式名称は萬年山相國承天禅寺。
十四世紀末、室町幕府三代将軍の足利義満により創建されました。幾度も焼失と復興の歴史を繰り返しましたが、現存する法堂は日本
最古の法堂建築として一六〇五年に再建された物を今に伝えています。
夢窓疎石を開山とし、創建当時は室町一条あたりに総門があったといわれ、北は上御霊神社の森、東は寺町通、西は大宮通にわたり、
約百四十四万坪の壮大な敷地に五十あまりの塔頭寺院があったと伝えられています。




▼総門左に勅使門。実際使用されることがあるんでしょうか、権威付け飾り門?






▼境内マップ。開創時の境内地は約140万坪を擁したといい、現在約4万坪あるそうですよ。






▼放生池の天界橋。天文二十年(1551年)に相国寺が焼亡した天文の乱はこの橋をはさんで始まったと伝わるそうです。






▼鐘楼。入母屋造、本瓦葺。天保十四年(1843年)再建。「洪音楼」と云う名があります。






▼経蔵。桁裄三間、梁間二間、重層宝形造、本瓦葺。万延元年(1860年)建立。高麗版一切経が納められています。






▼浴室。桁裄三間、切妻造、本瓦葺。慶長元年(1596年)再建。






▼庫裏。切妻造、本瓦葺、文化四年(1807年)建立。庫裏仕様のサンプルのような美しい建物です。






            ▼方丈を囲む漆喰土塀と松の並木。






                 それでは特別公開の法堂と方丈の拝観に行きましょう。

                 ▼特別公開の案内ポスター看板です。






▼法堂(重文)。「はっとう」と読みます。重層に見えますが下屋根は裳階です。
 桁行七間、梁行五間、入母屋造、本瓦葺、裳階付。慶長十年(1605年)再建。
















▼法堂須弥壇。左右両階段の付いた約2mの豪快な須弥壇に三尊が祀られています。
 本尊 釈迦如来坐像、脇侍 迦葉尊者 阿難尊者。






▼本尊 釈迦如来坐像。木造、像高110cm 、鎌倉時代。一説に運慶作と伝わるそうです。
 遠目で拝見するも漆箔がよく残り、お顔はやや面長で螺髪は大きめ、安定感のある量感は運慶作かなと思いたくなるほどの本尊です。






▼天井に描かれている狩野光信による蟠龍図。どこの禅刹にも鳴き龍として描かれてますネ。堂内に手を打つ音が響いていました。
 (写真はポスター複写)








法堂から渡り廊下で方丈へ。 

▼華頭窓から方丈前庭です。






▼方丈。桁裄十三間、単層、入母屋造、桟瓦葺、切妻造、切妻造。文化四年(1807年)再建。






▼方丈扁額。






▼廊下両端に杉戸絵が、東の滝図。






▼長~い廊下は約25m、雑巾掛けのやりがいがありそうですネ。中央から西を見ています。






▼西の杉戸絵、白象図。原在中筆、江戸時代。これはレプリカです。






ではお庭巡りです。

▼方丈前庭(南庭)。シンプルイズベスト、これぞ禅の境地、「無」でしょうか。






▼方丈前庭(南庭)。光でもあればキット目映いことでしょう。






▼方丈勅使門前です。後ろは法堂。






▼方丈東庭。一転このお庭は渓谷美!手前はなだらか、対岸は断崖を表しているのでしょう絶壁の切れ込み、谷底は小石を
 敷きつめ奔流が滔々と流れています。こういうお庭構成は初めて見ます。











▼方丈北庭(裏方丈庭園)。全面苔の彩り、石の配置がなく松が変化を与えているようです。苔が映える頃はさぞかし緑の競演で
 素晴らしいお庭でしょうネ。その頃是非見てみたい庭園です。











▼書院中庭。白砂の坪庭、白砂の海に石三つ、小竹は何を言いたいんでしょうか。











▼もう一度方丈で、相国寺 オ シ マ イ






▼御朱印です。無畏堂とは法堂のことです。






公開寺院一ヵ寺の拝観料600円です。
相國寺の場合、塔頭養源院と長得院の二ヵ寺も公開されていますので、都合拝観料1800円也、全寺回って9600円、高いか安いかは貴
方次第。ちなみに600円は文化財保護のための浄財として使用させて戴きますと能書きにあります。
「文化財保護のため」いいフレーズです。

続いて塔頭の養源院へ回ります。





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