土曜日は古寺を歩こう。

寺勢華やかな大寺も、健気に法灯を守り続ける山寺もいにしえ人の執念と心の響きが時空を越え伝わる。その鼓動を見つけに…。

立本寺、「本寺を立てる」の願いが隠っています。

2013年08月13日 | 京都の古寺巡り


(2013.08.10訪問)

今日の京は36.7℃、どう考えても、考えなくても暑いです。北野白梅町からめげずに歩いています。
先週に続いて今日も日蓮宗のお寺訪問、大本山立本寺を訪ねました。このお寺も観光寺院ではないのと町中
サウナ状態のためか人っ子一人姿無し。少しばっかり境内の荒れとお堂の痛みが目立ちます。昨日本堂と客
殿庭園の拝観をお願いしていたので、若い修行僧お二人が迎えてくれました。

▼客殿西の枯山水庭園「龍華庭園」




[ 立本寺 ]
●山号 具足山(ぐそくざん)
●院号 西龍華院
●寺号 立本寺(りゅうほんじ)
●宗派 日蓮宗大本山
●創建 暦応四年(1341年)
●開山 日像上人 (にちぞう)
●本尊 十界曼荼羅

▲ 京都市上京区七本松通仁和寺街道上る1番町107 電話 075-461-6516
▲http://honzan.ryuhonji.nichiren-shu.jp/index.htm
▲境内自由 庭園拝観料 600円 御朱印 300円
▲京福電鉄北野線「北野白梅町」下車徒歩15分
 市バス「千本中立売」下車徒歩10分
 市バス「北野天満宮前」または「上七軒」下車10分
 市バス「大将軍」下車10分

▼山門前の七字名号碑。




立本寺縁起 (立本寺 HPから抄出)
具足山立本寺は日蓮宗八本山の一。京都の法華系本山十六ヶ寺の内、大本山妙顯寺、本山妙覚寺、本山立本
寺を三具足山といい、いずれも日蓮聖人の孫弟子にあたる日像上人 (龍華樹院) により開山される。日蓮聖人
ご入滅にさいし京都布教の命を受けた日像上人は、いく度も都を追放されながらも民衆救済の使命に燃え、
暦応四年(1341年)四条の櫛笥に妙顯寺を建立するが叡山僧兵によって破却され、明徳四年(1393年)日
実上人がその地に再建、「本寺を立てる」という意味を込め「立本寺」と改名した。
しかし天文五年(1536年)再び叡山僧兵によって破却され、再興されたものの、文禄三年(1594年)秀吉
の命で京極今出川(寺町今出川)に移転。広大な寺域を得たが、宝永五年(1708年)の大火で焼失し現在地
に移転、今に至る。

▼山門。四脚高麗門、本瓦葺、安永七年(1771年)建立。




▼山門の立本寺札。

 


▼鐘楼。寛永年間(1661~1673年)建立。
何かもの足らないとよく見ると梵鐘が吊られていません。先の大戦で接収され、そのままの状態と云うこと
です。




▼刹堂 (鬼子母神堂)。桁行七間、梁間7間、重層入母屋造、本瓦葺、三間向拝付き。享保四年(1719年)再建。
1783年再び焼失、1811年再建。



鬼子母神と十羅刹女をお祀りしています。毎月八日に鬼子母神祭を行い「北野の鬼子母神さん」として多く
の参拝者が訪れるそうです。


▼刹堂の扁額。




▼祖師堂。桁行七間、梁間7間、重層入母屋造、本瓦葺、三間向拝付き。刹堂とソックリのお堂。



元禄年間(1688~1703年)建立。朽ち果てつつあるお堂と云ってもよいほど荒れています。現在は使用さ
れていないそうです。


▼有刺鉄線でガードされた祖師堂の外縁。




▼本堂。桁行7間、梁間7間、入母屋造、本瓦葺、三間向拝付き。享保三年(1743年)建立。



堂内内陣須弥壇には本尊十界曼荼羅とお厨子に入った冑の御影と呼ばれる日蓮上人坐像が祀られ、天井には
角錐の天蓋で豪華に荘厳されています。後堂には光琳門下、渡辺始興の十六羅漢図が墨書で壁面一杯に描か
れています。


▼本堂扁額。向拝軒に寺名、奥に七字名号扁額。扁額立本寺は本阿弥光悦筆と伝えます。




▼本堂にもう少し近づいてみましょう。本堂前には、蓮鉢数十鉢が並んでいます。




▼蓮が二つ咲いていました。







▼方丈入り口。若い僧お二人が迎えてくれました。丁寧な応対にビックリです。




▼大玄関。




▼客殿。日蓮宗客殿の初期の様式らしいです。




▼客殿前庭隅に遠慮勝ちに咲く百日紅。後ろの大屋根は本堂です。




▼客殿南側は全面ガラス障子。我が身が捕らわれの身のような感じ。




▼客殿前庭「龍華庭園」南庭。天保十四年~嘉永三年(1843~1850年)五十世住職、日到上人作庭。



龍華庭園は客殿南と西に作庭された枯山水庭園で京都市指定名勝になっています。


▼「龍華庭園」南庭。右の渡り廊下は本堂へ。




▼「龍華庭園」南庭を西から。




▼「龍華庭園」西庭。




▼「龍華庭園」西庭。西正面奥の築山全面に枯滝を表現。けっして石が崩れているのではありません。




▼「龍華庭園」西庭の蹲。




▼客殿前庭「龍華庭園」西庭のこちらは小川を表現。




▼花枯れが目立ちだした、白百日紅。




▼御朱印です。冑祖師と書かれています。




きょう案内してくれた若者も岡山からの修行僧、修行の中身はボクなんぞ知る由もないのですが、日蓮さん
や日像さんへの畏敬は相当なもの、といってもガチガチの念ではなく柔らかな思考の青年を感じます。
驚いたのは、彼に「岡山に帰るとお寺を継ぐの」と聞くと、「実家は兄が継いでます、私は養子に出される
と思います」先週妙顕寺の青年僧と同じ答えが返ってきました。

▼今日の出町出会いです。午後一時四十分ごろ。




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