土曜日は古寺を歩こう。

寺勢華やかな大寺も、健気に法灯を守り続ける山寺もいにしえ人の執念と心の響きが時空を越え伝わる。その鼓動を見つけに…。

西本願寺には二つの巨大伽藍が並んでいます。

2013年06月18日 | 京都の古寺巡り


(2013.06.16訪問)

二十年前、お袋が逝ったとき一応喪主だったので親戚のおばちゃんに、「俺んとこの宗派って何?」と聞い
たら、父ちゃん母ちゃんから何も聞いてへんのと呆れられました。
わが家はそれほど信仰心の薄い家庭だったのです。お西さん門徒だということをそのとき初めて知りました。
お袋は高野山ファン、オヤジは無関心、わが家は中山寺の檀家、墓所もここ、そして宗派は真宗、一体どな
いなってんでしょうねウチは。
これではいかん、余りにも親鸞さんに失礼や、ということで33℃ 越えの京都を歩いたんどすエ~。
京阪七条から堀川まで。

▼国宝唐門の装飾彫刻。




[ 本願寺 ]
●山号 龍谷山 (りゅうこくさん)
●寺号 本願寺 (ほんがんじ) 通称 西本願寺
●宗派 浄土真宗 (じょうどしんしゅう) 本願寺派本山
●創建 文永九年 (1272年) に京都大谷に大谷廟堂創建、本願寺の起源。
●開基 覚信尼 (親鸞上人の未娘)
●中興 蓮如上人
●本尊 阿弥陀如来
●世界遺産 1994年古都京都の文化財として世界遺産に登録
▲京都市下京区堀川通花屋町下がる 電話 075-371-5181 
▲拝観料 境内無料
▲HP http://www.hongwanji.or.jp/
▲JR京都駅から京都市バス (9・28・75系統) 西本願寺前下車
京阪電車七条駅から京都市バス(206番、208系統) 七条堀川下車。
京都駅から徒歩約15分 京阪電車七条駅から徒歩約20分

西本願寺縁起 (本願寺HPから抄出)
本願寺は、親鸞聖人の廟堂から発展した。親鸞聖人没後墓所は簡素であったため、末娘の覚信尼大谷の西、
吉水の北にある地に親鸞聖人の影像を安置し遺骨を移した。これが大谷廟堂である。
本願寺の名前は元亨元年 (1321年) ころに公称し、覚如上人から次の善如上人にかけて親鸞聖人の影像の横
に阿弥陀仏像を堂内に安置した。
その後、比叡山と対立や、大坂石山本願寺を本拠として織田信長との合戦に敗戦、和歌山の鷺森、和泉貝塚、
大坂天満と転々、天正十九年 (1591年) に豊臣秀吉から現在の地を与えられ、御影堂が完成した。慶長の大
地震で諸堂が倒壊し、阿弥陀堂は被害を免れた。翌年に御影堂の落成をみたものの、またまた両堂などが焼
失し、阿弥陀堂を再建、寛永十三年(1636年)御影堂が再建。書院や飛雲閣、唐門が整備された。ここに現在
の本願寺の偉容が整備されたのである。

▼御影堂門。
堀川通に面している向かって左の門。堀川通を挟んで対面には総門があります。と云うことはこの御影堂門
が本願寺の正門なのでしょう。左に変な着ぐるみがいます、おりんかな?




▼御影堂 (重文)。ごえいどうと読みます。
入母屋造、本瓦葺。東西48m、南北62m、高さ29m。寛永十三年(1636年)建立。
とにかくデカイ、年末の畳たたきは伝統行事。




▼御影堂内陣。親鸞聖人の木像安置。




▼御影堂大広間の吊り灯籠。




▼御影堂大広間から内陣。
大広間では運動会が出来ます。ウソです。3000人収容出来るとの事です。
走ってる人がいますね、イヤたんにブレてるだけです




▼御影堂 (左) と阿弥陀堂 (右) を繋ぐ渡り廊下。




▼阿弥陀堂門。
堀川通に面している向かって右の門。




▼阿弥陀堂 (重文)。
本願寺の本堂。入母屋造、本瓦葺。東西42m、南北45m、高さ25m。宝暦十年(1760年)再建。




▼阿弥陀堂内陣。本尊阿弥陀如来。




▼阿弥陀堂大広間。ここでも運動会が出来ます。ウソです。




▼経蔵。天海僧正開版の「大蔵経(一切経)」を納めています。




▼手水舎。




▼太鼓楼。
幕末動乱期に新選組が本拠を壬生寺から本願寺に本陣を置き、太鼓楼を使用していたとのことです。




▼阿弥陀堂前の大銀杏。幹周3.97m、樹高16.5m。




▼大銀杏の中から見上げるとジャングルの中。




▼書院 (国宝)。
この建物の中には、高名な白書院や黒書院、対面の間など国宝、重文の部屋、障壁画、庭園などボクたちが
日頃お目にかかれないところがイッパイ! どこまでかわかりませんが事前予約で拝見できるそうですよ。




▼書院門。




▼大玄関。




▼飛雲閣 (国宝)。本当は滴翠園には入れないのですが、とある団体に紛れ込んで!
境内南東隅の滴翠園に建つ飛雲閣。金閣、銀閣とともに京都三名閣の一つ。秀吉が建てた聚楽第の一部と云
われ、三層からなる楼閣建築。前の池は滄浪池。




▼鐘楼 (重文)。梁間の装飾彫刻がこれまた凄い。切妻造、本瓦葺、四脚楼。




さて本願寺を訪ねたら唐門を見ずして帰れない。正面から見るためには、一度外に出て七条通りを西へ、龍
谷大学の構内を北へ、正面に大玄関門、その右に唐門はあります。

▼大玄関門。




▼唐門 (国宝)。書院への正門。四脚門、檜皮葺、正背面は唐破風造、側面は入母屋造。総漆塗り。
絢爛豪華を絵に描いたような凄い門。緻密で精巧な彩色感性で麒麟や唐獅子をはじめ中国故事を題材とした
極彩色彫刻。少々暑くても見飽きることはありません。これからは熱中症に気をつけて見てくださいネ。




▼唐門の装飾彫刻。マアいろんなものが彫ってあります。




▼唐門前柱(右)の木鼻は阿形獅子。




▼唐門前柱(左)の木鼻は吽形獅子。




▼唐門扉の獅子八景。扉両面に彫っている獅子たち、子連れもいます。ひとつずつ撮って集めました。
これだけのキャラデザインの出来る職人デザイナーのいたオドロキ、スゴイ!




▼内庭から唐門。[疑問] しかし何ですなァ お寺になんでこんな仰々門があるん?




宗祖親鸞さんから始まり、数々の紆余曲折、変遷をへて強大な教団に育った浄土真宗、この教団ほど外部と
の対立摩擦、内部紛争、喧嘩っぱやいわりに苛められ易い、何とも揉事の多い寺の印象を持つのはボクだけ
ではないでしょう。

普段公開していない文化財を持つ立派な書院や御殿、庭園、巨大伽藍や寺域、寺院と云うよりヤンゴトナキ
聖域の印象の方が強いお西さんでした。