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(2012.02.18訪問)
京阪宇治から六地蔵、乗り換えで京都地下鉄東西線六地蔵から石田へ。そこから歩きで約1キロに法界寺は
在ります。日野の地は藤原北家の傍流、あの親鸞さんや日野富子を生んだ日野氏の領地で法界寺はその菩提
寺。近くには親鸞さん誕生の地、誕生院が在ります。
平等院から法界寺に回ったのはチョットしたワケが。平安期末法思想蔓延の影響で極楽浄土の再現として各
地に阿弥陀堂が建てられ、現存する阿弥陀堂の典型が、いくらも距離の離れていない宇治と日野の地あり、
その本尊阿弥陀如来像も両寺に祀られていることから、同時にその傑作像を拝見したい、それです。
▼石田大山交差点に法界寺道標、乳薬師とあります。
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[ 法界寺 ]
●山号 東光山(とうこうざん)
●寺号 法界寺 (ほうかいじ) 日野薬師、乳薬師とも
●宗派 真言宗醍醐派別格本山
●開基 日野 資業(すけなり)
●創建 永承6年(1051年)
●本尊 薬師如来立像(重文)
▼山門。
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▼石標、ひのやくしとあります。
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▼山門から境内を覗いてみました。お堂の屋根に雪が残っています。
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▼手水舎の井戸と手水鉢。
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▼境内、参拝者の姿は見えません。とりあえず石畳に沿って境内へ。
庫裡のインターフォンで来訪を告げますがなかなか応答がありません。待つことしばし、作務衣の方が現れ、
早速阿弥陀堂の扉を開けてくださり「どうぞ写真はだめですよ」と念を押されそのまま庫裡へ戻られました。
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▼阿弥陀堂(国宝)。
桁行五間、梁行五間の宝形造、一間の廂外廊、屋根は檜皮葺。二層に見えるが下は裳階(もこし)。
ドキドキで堂内に入っての第一印象は、よけいな荘厳が一切なく、古色蒼然の堂内、これこそが仏堂の荘厳
だと感じました。お堂中央四天柱に囲まれた須弥壇上に本尊が坐しています。
四天柱それぞれに菩薩や文様の柱絵、四天柱間の小壁には飛天や宝相華や唐草の壁絵。特に小壁の飛天は彩
色も見事に残りベリーグッドとしか言いようがありません。とにかく阿弥陀浄土をこの世に再現した見事な
堂内。といくら書いても臨場感ないですよね、ぜひ一度訪ねてください。百聞は一見にしかず!!
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▼阿弥陀堂本尊 阿弥陀如来坐像(国宝)。(写真は淡交社 古寺巡礼 京都25法界寺より)
像高280cm、丈六仏、漆箔、木造。
今日訪ねた主目的、阿弥陀如来にお初です。
平等院定朝仏と相前後して造像され、常に比較されているこの阿弥陀さんは、仏師不詳と聞きますが、定朝
様式に最も近い阿弥陀像の典型的な仏像。体型はふっくらと柔和、お顔はやや大きくまん丸で、お口は小さ
く童顔。阿弥陀定印を結び半眼瞑想する姿は非常に穏やかな感じを受けます。可愛い阿弥陀さんです。鳳凰
堂の阿弥陀さんとは相当印象が違います。ぜひ一度訪ねてください。百聞は一見にしかず!!
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▼ 阿弥陀堂正面。
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▼屋根に残る雪。
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▼阿弥陀堂一間廂の外廊。
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▼境内の方丈池。一部が凍っています。
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▼薬師堂(重文)。法界寺の本堂です。
本尊 薬師如来立像(重文)。秘仏、像高88.8cm、木造。永承6年(1051年)造像。
桁行五間、梁行四間、寄棟造、屋根は本瓦葺。康正二年(1456年)建立。
外陣は畳敷きになっいます。格子を境に内陣になり、中央にお厨子が見えますが本尊薬師如来は秘仏のため、
お厨子が閉じたまま、左右にもお厨子があり、それぞれ十二神将が祀られているそうです。
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▼薬師堂外陣のよだれ掛け。
乳薬師の名前どおり、薬師さんの功徳をいただいたよだれ掛けが、内陣格子一杯に結ばれています。薬師信
仰の一つの形でしょうか。この薬師さんはよほど功徳があるのでしょうネ。
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▼薬師堂北屋根に残る雪。
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▼阿弥陀堂裏手に芭蕉句碑。比較的新しい句碑のようです。
留守といふ 小僧なぶらん 山桜
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平等院と法界寺、規模は相当差がありますが、両寺の阿弥陀如来は甲乙付け難く、定朝仏は端正でやや硬さ
を感じ、貴族仏の印象。法界寺仏はおいでおいでと衆生をくまなく救う暖かさがあり、その地に根ずく信仰
の深さを一手に引き受けている、そんな感じがします。
このブログくどくど文章長いですね。反省しつつ宇治と日野巡り オ シ マ イ !