土曜日は古寺を歩こう。

寺勢華やかな大寺も、健気に法灯を守り続ける山寺もいにしえ人の執念と心の響きが時空を越え伝わる。その鼓動を見つけに…。

山背(山城)古道、海住山寺を訪ねました。

2010年11月22日 | 京都の古寺巡り


(2010.11.20 訪問)
今の行政区分では京都に位置していますが、旧山城の国は大和国の北、木津川を
はさんでお隣同士、聖武天皇の彷徨さすらいの京(みやこ)変遷の一時期、恭仁
京が置かれたところです。平城京からは僅かの距離、新京と云っても当然大和の
国の一部と云った方がいいのかもしれないほどのところ。その恭仁京背後の山、
三上山の山腹に海住山寺は在ります。
R163から案内どおりに左折、まァ何と云ったらいいのか、ヒドイ道、細く、クネ
クネ、急坂、鋪装はしているけれどまるで杣道、まず対向車が来るとダメ。出た
とこ勝負で行きましょう。

[ 海住山寺 ] かいじゅうせんじ
山号 補陀絡山(ふだらくさん)
寺号 海住山寺
開基 良弁僧正
中興 解脱上人貞慶 
宗派 真言宗智山派
本尊 十一面観音立像

海住山寺縁起
天平七年(735)聖武天皇が大盧舎那仏造立を発願完成祈願、良弁僧正に勅し十一
面観音菩薩を安置して堂宇を建立、藤尾山観音寺と名づけたのが草創と伝わるそ
うですが、詳細は不詳。

●寺標。



●楼門。
山門のかなり手前に忘れ去られたかのようなところにポツンと建っています。



●山門。



●山門偏額。



●山門にかかる楓の紅葉。全山紅葉はもう少しかかるでしょう。



●境内からの山門。



●本堂。
本尊 十一面観音立像。(重文) 脇侍 四天王立像。
本堂前にご住職の奥様がいらしたので、拝観をお願い、早速扉を開けていただき
ました。平安作と云うご本尊は、古色蒼然ですが横顔がことのほか優美で、天冠
台から垂らす天衣の元結の曲線が見事です。全てに彫りが深く頭部の小面も丁寧
な彫技が伺えます。



●本堂偏額。



●本堂と楓。



●五重塔。(国宝)
鎌倉時代(1214年)の建造。塔高17.10m。
噂に違わず立派な塔です。室生寺の五重塔についで二番目に小さい塔。数少ない
裳階(もこし)をもつ五重塔です。法隆寺五重塔がそうです。
奥様が「十日ほど前だったら初層を開扉していましたのに残念ですね」
本当に残念でした。ボクのお寺歩きは大体いつもこんなもんです。









●文殊堂。



●薬師堂。



●境内楓。



●鐘楼。



●三社。



●宝篋印塔。



境内はさほど広くはありませんが。きれいに管理されています。堂宇は比較的新
しいものですが、やはりこのお寺の主役は五重塔。実際に訪ねてみて人気の理由
が分かったように思います。車で行かれる方、道には気をつけましょう。
山背古道第二弾、神童寺に向かいます。