土曜日は古寺を歩こう。

寺勢華やかな大寺も、健気に法灯を守り続ける山寺もいにしえ人の執念と心の響きが時空を越え伝わる。その鼓動を見つけに…。

こもりくの泊瀬は山の中、観音信仰の雄、長谷寺を訪ねました。

2010年09月07日 | 奈良の古寺巡り


(2010.9.4 訪問)
奈良盆地国中(くんなか)の東、三輪山はじめ神奈備の山々の奥に連なる東山中
(ひがしさんちゅう)、その懐に長谷寺はあります。こもりくというこの地の神
秘性が観音信仰の中心として今に続く理由かも知れません。

近鉄長谷寺駅、おりたのはボク一人。駅員さんも一人。ここから否応無しにトボ
トボがはじまります。神隠しにあった町、と思うほど誰もいません。太陽が目を
むいてるなかトボトボ歩く自分が信じられませんけどトボトボ歩いてます。




門前参道沿いのお店。人発見!奇特な人ですネ。日本人でしょうか。


[ 長谷寺 ]
山号 豊山 寺号 豊山神楽院長谷寺 真言宗豊山派総本山 西国三十三観音霊場
第八番札所 本尊 十一面観世音菩薩立像

長谷寺縁起。
686年道明上人は天武天皇のために著名な国宝銅板法華説相図を西の岡(本長谷
寺)に安置。
727年徳道上人は聖武天皇の勅で、東の岡(本堂)に十一面観世音菩薩を造像し
祀る。西国三十三所観音霊場巡拝の開祖といわれている方です。道明上人の弟子
筋の方です。 

●参道石段、立派な長谷寺の顔です。相変わらず誰もいません。青空がきれいで
す。撮ってるほうはたまりません。




●仁王門。偏額はよく見えませんネ、IXYが問題なのです。後陽成天皇の宸筆だそ
うです。




●仁王門前の放生池。石の上の亀さん全員が首を伸ばしています。どうしたんで
しょうネ。


●登廊。仁王門をくぐるとすぐ登廊入り口です。重文です。相変わらず千社札が
汚らしく貼ってあります。この雰囲気いいなァ。下廊、中廊、上廊とあります。
要するに真っすぐ、右折、真っすぐ、左折、真っすぐ。なだけです。
本堂まで399段あるらしいのですが、数えてるうちにバカらしくなったので止めま
した。

下廊。


中廊。


上廊。


●本堂。とにかく大きいお堂で、正堂と礼堂をひとつにした双堂様式。南面は舞
台造り、大悲閣の偏額が照り輝いています。キラキラです。








ご本尊は長谷寺式十一面観世音菩薩、像高10.18m。圧倒されますヨ。我が国で最
も大きな木造の仏像で重文です。
いろんな伝承がある仏像で現在の像は、室町時代1538年に大仏師運宗らによって
造立されたと伝えます。

床もみじ。もみじかなにかサッパリ判らないのがいいのです。ウン?


床そら。床が光ってるだけ、全く意味のない写真ですネ。


舞台からの眺望。こんなにベリーグッド眺望なのに誰もいません。




●大黒堂。本堂西側の小さなお堂です。大黒さんの表情がこれまたナイス。




●開山堂。長谷寺創建の徳道上人を祀るお堂。篰戸式の全面格子が目を引くお堂
です。




●弘法大師御影堂。空海さんをお祀りする新しいお堂です。






●本長谷寺。長谷寺草創のお堂です。ここで女性二人組と会いましたがおしゃべ
り夢中で素通りでした。






●道明上人御廟塔。登下廊の脇に十三重石塔が建てられています。


●五重塔。昭和29年建造後はや半世紀、檜皮葺の屋根で塔色の朱色が落ち着きを
見せて映え、緑との競演がきれいですネエ。


●陀羅尼堂。何のお堂なんでしょうかよく分かりません。




お堂の前に、鶏頭の花一輪。お堂の写真ばかりの中で癒されますわ。


●祖師堂。真言宗中興の祖、興教大師覚鑁(かくばん)上人を祀るお堂です。




●歴代能化(長老や住職)の墓所。




奈良南部のメジャー寺院、さすがに広い寺域です。お寺パンフの参拝ルートBコ
ースを主に巡りましたがギラギラ太陽とアップダウンとおなかがへってヨレヨレ、
もうすでにお昼を大きく回っています。トボトボ帰りの前に腹ごしらえ。二枚目
の写真の田中屋さんに這うようにして入り、にゅうめんと柿の葉ずしセットをい
ただきました。金1000円なりです。大変おいしゅうございました、おなかがへっ
てると。

帰り道、トボトボ歩くご同輩がおひとり。お気をつけて。


最後まで御覧いただいた方、相当辛抱強い方ですネ。ありがとうございました。

9月真夏?の長谷寺巡り、おしまい。