裏日記「B面」

工房しはんが日々、ふと感じたり、しみじみとふけったり、ぴんとひらめいたり、つくづくと考えたりしてること。

プルートゥ

2009年07月24日 08時06分25秒 | レビュー
ご存知のとおり、ぼくは週刊誌でマンガを描いてました。
その頃は精神を病んでて、とてもひとのマンガなんて読めなかったんだけど、最近はたのしく読めるようになりました。
「プルートゥ」が完結しました。
「鉄腕アトム」の中の一話を原案に、浦沢直樹さんが長大なミステリーに仕立て直したものです。
おもしろかったなー。
手塚さんの原案も読んだけど、どちらにも打たれました。
浦沢さんのマンガは、いつもその場限りの思いつきでディテールを煮詰めすぎて、後々つじつま合わせに苦労するきらいがあって、好きじゃありませんでした。
宮部みゆきさんの小説のように、局所局所はすごくおもしろいんだけど、最後には茫洋としてなにも残らないというか。
それがこの作品は、細部を描き込みつつつくり切った、というか、きちんと輪が閉じて得心できる内容になってます。
手塚さんの威光もあろうけれど(おかしなもの描くわけにいかないものね)、浦沢さんのイマジネーションと画力によって、オリジナルな仕事に昇華されてます。
それにしても思い知らされたのは、画力=説得力ってことですね。
大傑作だと思います。
みんなも読んでみてね。
全8巻、工房でお貸ししますよ。

東京都練馬区・陶芸教室/森魚工房 in 大泉学園
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