裏日記「B面」

工房しはんが日々、ふと感じたり、しみじみとふけったり、ぴんとひらめいたり、つくづくと考えたりしてること。

大イチョウさん

2010年03月13日 08時57分13秒 | Weblog
鶴岡八幡宮の大イチョウが強風で倒れたってんで大騒ぎになってますが。
それにしてもあれですね、ご近所さんへのインタビュー、これが興味をそそります。
「八幡さんのねえ・・・」「大イチョウさんが・・・」と、「さん」づけです。
以前に長野を旅したとき、「善光寺へはどういけばいいのですか?」と道を尋ねたことがありまして。
するとこの街のみなさんは一様に、「『善光寺さん』はね・・・」といううやまった呼び方をするので、自分の不躾(ぶしつけ)を深く恥じ入ったことがありました。
そういえばうちの田舎でも、八剣神社のことを「はっけんさん」と、お千代保稲荷のことを「おチョボさん」と呼びます。
こういう、擬人化、というのかどうかわかんないけど、尊敬の対象である神社仏閣に敬称をつけるのは美しい文化ですよね。
それで思い出したけど、女優のはなさんは、仏像巡りが大好きなひとです。
仏像マニアといっていい。
そのはなさんがですね、仏像のことを話すときに、たとえば阿修羅像のことを「アシュラさまが・・・」という言い方をするのです。
それは彼女にとっては「像」ではなく、ほんとに尊敬の対象、すなわち神さま仏さまなのです。
「こちらに多聞天さまがいらっしゃって・・・」
「・・・衆生を守っておられます」
こんなにも美しい日本語を聞くのは久しぶりだったので、ぼくははなさんをすっかり好きになってしまったわけですが、それにしても彼女のこの敬語は、相手に対する「崇拝」とも「畏敬」とも少し違う気がします。
それは、お世話になった先生に対する近しみのようなもので、敬愛の念だと思うのですよ。
そういう対象が存在するってのはうらやましいです。
八幡さんの大イチョウさん、早く快癒してくれるといいですね。

東京都練馬区・陶芸教室/森魚工房 in 大泉学園
コメント
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