NHK-BSで、土本典昭監督追悼企画『水俣-患者さんとその世界-』。
今回放送されたのは完全版で2時間47分もの長さ。モノクロームの異様な暗さ(光と陰)と、この時代のドキュメンタリー特有の尋常ではない対象への迫り方で3時間近い時間、映像の中へ視聴者をぐいぐい引きずり込んでいく。土本作品はアフガン物しか実際に観たことがなく、水俣はテレビで短い資料映像を見掛けるか、資料でしか読んだことがなかったのだけれども、さすがに傑作に違わないエネルギッシュな映像。こういう作品を観ると、山形国際ドキュメンタリー映画祭事務局から購入した60年代以降の日本ドキュメンタリー映画史のカタログを引っ張り出してきて、観なきゃいけないニッポンのドキュメンタリーに思いを馳せたりする。
一企業と個人の関係などというものは<水俣>の昔と大して変わったとは思えないし、むしろ状況はますます複雑怪奇に悪化している。
この世はマトリックスの世界なんですよ。
続いてヒストリーチャンネルでアメリカのITバブルの光芒を描いた『e-dreams~IT長者になれなかった男』。
<アメリカのインターネットベンチャー「Kozmo.com」スタートからの急激な成長、そして突然の終焉までをお届けする。(中略)20代半ばにして一流企業を辞職し、わずかな貯えと豊富なアイディアの全てを注いでインターネット企業「Kozmo.com」を創立。2億5000万 ドルもの投資を受け、IPOを目指してビジネスシーンに旋風を巻き起こしたのだが…。>(ヒストリーチャンネル)
ネット販売サイト「Kozmo.com」を立ち上げた若き在米韓国人起業家ジョセフ・パークとヤング・カン。立ち上げから驚くべき急成長、IPOを目前にした狂乱のパーティーでの絶叫、そしてあっけない崩壊と、カメラはずっとジョセフに密着する。これが(おそらくジョセフたちと同じアジア系)ディレクターが意図したストーリー……なわけはないのだが、ひとりの青年が体験した、わずか3、4年の、文字通りバブルの光芒を切り取った面白い作品になっている。DVDサイトでホリエモンがこの興亡についてコメントしているのもとっても皮肉。
やっぱし、この世はマトリックスの世界なんですよ。
結局、事業に失敗した彼らは「他人に任せたのが失敗だった。自分がすべて決断すればよかった」と悔やむ。しかしマトリックスの世界に「自分」などあるはずがなく、所詮AIマシン軍団に操られる(飼育される)存在でしかない。もはや20世紀末にいたってマトリックスは完成しているのだ。その残酷で無情の世界(You Can't Always Get What You Want!)で「自分」を保つには、もはやアンダーグラウンドに潜行するか、「自分」の目が行き届く範囲の家内手工業でマトリックスの世界とつきあっていくしかないのよ(以上、『e-dreams』と『マトリックス』と『ザ・コーポレーション』をごっちゃにして書いてますが)。
さて今週から北海道で洞爺湖サミットが始まる。サミットといえば反グローバリゼーション。近年はアンチグローバリゼーション勢力の反対運動が恒例になっている。
あれ、要するにマトリックスと戦ってる人たちなんですよ。
マトリックス話はまた改めて続きます。
今回放送されたのは完全版で2時間47分もの長さ。モノクロームの異様な暗さ(光と陰)と、この時代のドキュメンタリー特有の尋常ではない対象への迫り方で3時間近い時間、映像の中へ視聴者をぐいぐい引きずり込んでいく。土本作品はアフガン物しか実際に観たことがなく、水俣はテレビで短い資料映像を見掛けるか、資料でしか読んだことがなかったのだけれども、さすがに傑作に違わないエネルギッシュな映像。こういう作品を観ると、山形国際ドキュメンタリー映画祭事務局から購入した60年代以降の日本ドキュメンタリー映画史のカタログを引っ張り出してきて、観なきゃいけないニッポンのドキュメンタリーに思いを馳せたりする。
一企業と個人の関係などというものは<水俣>の昔と大して変わったとは思えないし、むしろ状況はますます複雑怪奇に悪化している。
この世はマトリックスの世界なんですよ。
続いてヒストリーチャンネルでアメリカのITバブルの光芒を描いた『e-dreams~IT長者になれなかった男』。
<アメリカのインターネットベンチャー「Kozmo.com」スタートからの急激な成長、そして突然の終焉までをお届けする。(中略)20代半ばにして一流企業を辞職し、わずかな貯えと豊富なアイディアの全てを注いでインターネット企業「Kozmo.com」を創立。2億5000万 ドルもの投資を受け、IPOを目指してビジネスシーンに旋風を巻き起こしたのだが…。>(ヒストリーチャンネル)
ネット販売サイト「Kozmo.com」を立ち上げた若き在米韓国人起業家ジョセフ・パークとヤング・カン。立ち上げから驚くべき急成長、IPOを目前にした狂乱のパーティーでの絶叫、そしてあっけない崩壊と、カメラはずっとジョセフに密着する。これが(おそらくジョセフたちと同じアジア系)ディレクターが意図したストーリー……なわけはないのだが、ひとりの青年が体験した、わずか3、4年の、文字通りバブルの光芒を切り取った面白い作品になっている。DVDサイトでホリエモンがこの興亡についてコメントしているのもとっても皮肉。
やっぱし、この世はマトリックスの世界なんですよ。
結局、事業に失敗した彼らは「他人に任せたのが失敗だった。自分がすべて決断すればよかった」と悔やむ。しかしマトリックスの世界に「自分」などあるはずがなく、所詮AIマシン軍団に操られる(飼育される)存在でしかない。もはや20世紀末にいたってマトリックスは完成しているのだ。その残酷で無情の世界(You Can't Always Get What You Want!)で「自分」を保つには、もはやアンダーグラウンドに潜行するか、「自分」の目が行き届く範囲の家内手工業でマトリックスの世界とつきあっていくしかないのよ(以上、『e-dreams』と『マトリックス』と『ザ・コーポレーション』をごっちゃにして書いてますが)。
さて今週から北海道で洞爺湖サミットが始まる。サミットといえば反グローバリゼーション。近年はアンチグローバリゼーション勢力の反対運動が恒例になっている。
あれ、要するにマトリックスと戦ってる人たちなんですよ。
マトリックス話はまた改めて続きます。
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