マネジャーの休日余暇(ブログ版)

奈良の伝統行事や民俗、風習を採訪し紹介してます。
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脇本の庚申トウゲ

2012年01月25日 06時41分38秒 | 桜井市へ
桜井市の脇本は大きく分けて内垣内と町垣内からなる。

内垣内は元々の垣内であり町垣内は新たに加わった垣内である。

内垣内は伊勢に向かう長谷街道筋に集落がある。

春日神社の前の道だとされるが本来は妙楽寺裏の道がそうであったとMさんは話す。

判り辛い細い道であるが・・・。

その街道筋にあるのが西垣内、中垣内、東垣内の並び。

さらに南方にある中出垣内は中垣内の一部。

長谷川(大和川上流)に沿った街道筋だ。

その西側にあるのが下ノ町(したのちょう)と上ノ町(かみのちょう)垣内。

合わせて五つの垣内となる。

その5垣内にはそれぞれ庚申講があるらしい。

下ノ町垣内に住むNさん家の玄関には庚申杖が掛けられている。

閏年に行われた「庚申トウゲ」の庚申杖だ。

閏年は4年に一度。前々の閏年に行われた杖であるというから8年前。

次のヤクに回ってきたら外すといわれたが下ノ町垣内の庚申講中は8軒。

ひと回りするには32年間もかかる。

生きていればと仮定すれば110歳近い年齢になると話す。

8月にはかつてメシを炊いて食べていた風日待ちが行われているようだ。

ちなみにNさんの話によれば春日神社の棟木に「ビク」の文字が書かれてあったそうだ。

それは「比丘尼」ではなく「比丘」であると思われる。

出家の僧であったのか。

1月に行われている春日神社の御供撒き。

その際には牛玉宝印を参拝に来た子供たちに朱印を額に押す作法がある。

それを「えっぽだんご」と称している。

おそらく「えんぶだごん」が訛っていつしか「えっぽだんご」になったと思われる仏事の行事だ。

棟木まで調べなくてはならなくなってしまった脇本の民俗取材に終わりはない。

(H23.12.18 EOS40D撮影)