本、CD、映画日記

目標は年間読書100冊。その記録と目標管理をかねたブログです。

ブレードランナー ファイナル・カット

2017-07-08 07:00:02 | Weblog
■本
52 小学校社会科の教科書で、政治の基礎知識をいっきに身につける/佐藤 優、 井戸 まさえ

 タイトル通り小学校社会科の教科書での記述を用いながら、「国会」、「内閣」、「裁判所」など、私たちが生活する上で必要な「政治」に関する基礎知識を教えてくれます。と言っても、佐藤優さんが関わっている本だけあって一筋縄ではいかず、教科書に書かれている「表の社会科」だけでなく、佐藤さん、井戸さんの官僚や国会議員としての経験に裏付けられた「裏の社会科」という視点で、それぞれの実情を教えてくれるので、得られる知識に深みが出ます。「政党」は「ポリティカル・パーティ=部分の代表」であり、「全体の代表」ではあり得ない、という解説と、ロシアや北朝鮮のように投票率が100%近い国が必ずしも良い国ではなく、「考えていることを言わなくてもいい自由」や「選挙に行かなくてもいい自由」があるという視点が特に印象的でした。


■CD
33 Mellow Waves/CORNELIUS
 
 コーネリアスこと、小山田圭吾さんの11年ぶりのオリジナルアルバムです。アイデアがふんだんに盛り込まれているにもかかわらず、ストイックなまでに要素を絞り込んだミニマムな雰囲気が印象的です。フリッパース・ギター時代の相方、小沢健二さんが4年のブランクを経て2002年に出された作品「Eclectic」を初めて聴いた時と似たような感覚を持ちました。音楽的な試行錯誤をやり尽くした人が、一周まわって「自分の声」を含む一つ一つの音をいかに効果的に届けるか、という原点に立ち返っているかのような作品です。落ち着いた大人の音楽で、聴いていてひたすら心地よいです。


■映画
39 ブレードランナー ファイナル・カット/監督 リドリー・スコット
40 パイレーツ・オブ・カリビアン 最後の海賊/監督 ヨアヒム・ローニング、エスペン・サンドベリ

39 今年に続編が公開されるということと、「ファイナルカット」は観たことがなかったので、久しぶりに観ました。あと2年後の2019年を舞台にした作品なんですね。すっかり忘れていました。35年前の作品ですが、今見ても近未来感が満載で、リドリー・スコット監督の卓越したセンスが感じられます。極めてシリアスな作品にもかかわらず、主人公デッカード演じるハリソン・フォードのどこかユーモラスな演技は独特で、彼の真骨頂とも呼べる魅力を放っています。オリジナル版を観たのは20年以上前で、あまりよく覚えていませんが、そちらはもう少しモノローグが多い印象でした。あと、デッカードが実はレプリカントだという落ちという記憶でしたが、そこまで明確には語られていません。その一方で、プツンと断ち切られたかのような、ハードボイルドなエンディングが印象に残ります。改めて観ると、記憶に残っていたよりもストーリーが極めてシンプルで、世界観とキャラクター(レプリカントのリーダーを演じたルドガー・ハウアーも一世一代の名演を見せてくれます)で勝負している作品だったことに驚きました。歴史に残る傑作です。

40 「パイレーツ・オブ・カリビアン」シリーズの5作目です。初期3部作でいったん完結した後に作られた前作は、少し冗長な印象でしたが、今作はシンプルなストーリー展開で素直に楽しめました。ジョニー・デップ演じるジャック・スパロウは安定のはまり役です。今回のジャック・スパロウは過去の作品よりもさらにダメダメで、何もせず運だけで生き残っていますが、不思議と憎めません。若き日のジャック・スパロウのエピソードが披露されていて、彼が過去は狡猾かつ勇気溢れる策略家であったことがわかり、少し見直しました。オーランド・ブルームやキーラ・ナイトレイといった、初期3部作のメインキャストが登場したエンディングも後味がよいです。今作のキャストと比べると、オーランド・ブルームやキーラ・ナイトレイがいかに魅力的な俳優であるかを再認識させられました。ポール・マッカートニーが楽しそうに、ジャック・スパロウのおじさんを演じているのも注目です。エンドロール後に次回作を匂わせてくれますが、さすがに次で終わりにした方がよいと思います(と言っても次回作も観に行くのですが)。
コメント
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