本、CD、映画日記

目標は年間読書100冊。その記録と目標管理をかねたブログです。

マンチェスター・バイ・ザ・シー

2017-06-03 09:31:25 | Weblog
■本
42 デジタル変革マーケティング/横山 隆治、内田 康雄
43 金メダル男/内村 光良

42 マーケティングのデジタル化やIoTの進展により、広告の閲覧数や商品の受注数など自動的に取得できる数値が高まったことで、それらの主要数値を統合し一覧でリアルタイムに閲覧できるダッシュボードの必要性が高まり、BI(ビジネス・インテリジェンス)ツールと呼ばれるものをを用いてどのように活用していけばよいか、について書かれた本です。具体的なマーケティングダッシュボードのイメージが示されているので参考になります。ただ、文章が若干わかりにくいですし、3000円を超える価格に見合う価値があるかというと少し疑問です。

43 ウッチャンナンチャンの内村さんによる小説です。主人公による過去の回想という形式もあり、会話中心にストーリーが展開されていくので、小説というよりも戯曲に近いな、という印象でしたが、ウッチャンの一人芝居の戯曲をベースに映画化が決まり、その後に小説化されたようです。東京オリンピックが開催された1964年に生まれた、分野にこだわらず常に一等賞(金メダル)を目指す主人公の人生を描いた話です。おそらく映画の「フォレスト・ガンプ」に影響を受けていると思うのですが、主人公が成長する過程での時代時代の実際のエピソードを交えつつ、波乱万丈の主人公の人生がファンタジックに描かれています。ちょっと捻りが効いたストーリー展開と、どこまでもポジティブな主人公の描かれ方がウッチャンらしいと思いました。


■CD
23 岸田繁「交響曲第一番」初演/岸田繁

 くるりの岸田繁さんが京都市交響楽団に依頼されて、オーケストラ向けに書き下ろした作品です。クラシックの作品の良し悪しは私にはよくわかりませんが、くるりの楽曲のメロディーが効果的に挿入された「Quruliの主題による狂詩曲」は、ファンとしてとても楽しめました。メインの「交響曲第一番」も壮大で印象深く、岸田さんの多彩な才能を堪能できます。


■映画
31 BRAVE HEARTS 海猿/監督 羽住英一郎
32 マンチェスター・バイ・ザ・シー/監督 ケネス・ロナーガン

31 先週に引き続き「海猿」シリーズを観ました。「THE LAST MESSAGE」同様にスピーディーな展開と、安易に人の死に頼らない点が好ましいです。少し現実離れしている点(海に沈んだ佐藤隆太さん演じる「吉岡」はふつう死ぬでしょ)がひっかかりましたが、わかりやすいストーリー展開は安心感があります。サイドストーリーを手際よく処理し、メインの救助シーンで観客を魅了するというシリーズものの良さを十分活かした作品だと思います。

32 今年のアカデミー作品賞にノミネートされ、ケイシー・アフレックが主演男優賞を取った作品ということで、ずっと日本での公開を楽しみにしていました。基本的には喪失と再生の物語なのですが、完全に再生できない主人公の葛藤と、再生の兆しのようなものをケイシ―・アフレックが見事に演じています。素朴ながらも美しい、マサチューセッツ州マンチェスター・バイ・ザ・シーの風景描写がとても暖かく、主人公の冷え切った心との対比が巧みです。主人公に比べて、元妻や兄の元妻など女性の描かれ方が少し紋切型な気がしますが、全てを語り切らない抑制の効いた演出が好ましいです。観終わった直後よりも、後々でじわっとした感動が湧き上がってくる味わい深い作品です。
コメント
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