本、CD、映画日記

目標は年間読書100冊。その記録と目標管理をかねたブログです。

ラ・ラ・ランド

2017-03-04 10:28:08 | Weblog
■本
16 明日に疲れを持ち越さない プロフェッショナルの仕事術/渡部 卓
17 人生の教科書 よのなかのルール/藤原 和博、宮台 真司

16 新しい発見はありませんでしたが、ベストコンディションで仕事をするためのノウハウがコンパクトにまとまっています。身体的な疲れのメカニズムや対策としての睡眠や食生活、心理的な疲れの原因となるストレスへの対処方法、効率的に仕事を行う仕事術、疲れの大きな原因となる人間関係のコツ、効果的な休息の方法、など、考察に深みはないですが、興味を持った部分を掘り下げて学んでいくための入門書としては良いと思います。ところどころで挿入される、筆者の外資系企業勤務時のエピソードも具体的で参考になります。

17 中学生の子どもにも読ませたいとても良い本です。冒頭で藤原さんが書かれているように、高度成長を支える労働者を育成するための教育ではなく、ライフスタイルが多様化し自分で生き方を考えないといけない「成熟社会を担う『市民』を誕生させるための教科書」となっています。大人、犯罪、お金、家族、仕事、男女関係、結婚、自殺など、学校教育ではさほど掘り下げられない問題について、さまざまなケーススタディを元に考える材料を提供してくれます。個人的には、序章と終章の宮台さんの文章がとても印象的で、成熟社会では「子どもの試行錯誤と自立的尊厳の育成が支援されるようなメカニズム」が必要という意見や「意味から強度(体感)へ」という問題提起に感銘を受けました。


■CD
16 Prisoner/Ryan Adams

 一見内省的で地味な作品なのですが、聴き込むと実は世界に開かれた開放的なサウンドであることがわかる、スケール感の大きい傑作です。音の数は決して多くはないですが、その一つ一つが実に緻密に計算されています(ハーモニカの使い方が特に秀逸です)。グラミー賞にもノミネートされた前作「Ryan Adams」以上の高評価を得るのではないでしょうか? まだ、始まったばかりですが、2017年を代表するロックな作品だと思います。


■映画
13 ラ・ラ・ランド/監督 デイミアン・チャゼル
14 映画 鈴木先生/監督 河合勇人

13 ダンスや歌のクオリティは必ずしも高いとは思いませんが、その観せ方が非常に秀逸で、「セッション」でも感嘆した、デイミアン・チャゼル監督のセンスの良さが感じられる傑作です。ミュージカルという伝統的なフォーマットに、「夢を実現するために努力する過程が重要」という現代的なテーマをうまくマッチさせ、どこか懐かしくも新しい独特の雰囲気を醸し出しています。冒頭の高速道路の集団ダンスシーンでこの作品の世界観に観客を引き込み、主人公二人のあり得た「もう一つの人生」を振り返るラストシーンで、作品を総括するわかりやすい構造も実に効果的で、この二つのシーンを観るだけでも価値があります。アカデミー賞での高評価も納得の、誰にでもお勧めできる作品です。

14 テレビドラマや原作漫画が高評価だったので観ました。学園モノという手垢のついた構造に、「優等生でも問題児でもない、目立たない普通の生徒への指導にこそ、教師は力を割くべき」というテーマが新しいです。この斬新なテーマと鈴木先生の独白に慣れるまで少し時間がかかりましたが、いったん馴染むと一気に最後まで楽しく観ることができました。在校生だけでなく卒業生にまで目配りをし、教師の扱いやすい生徒が必ずしも社会的に受け入れられない、という成熟社会での学校教育の問題点を巧みに指摘しています。その一方で、教育の可能性を熱く語るシーンもあり、バランス感覚も抜群です。ヒロインが人格者過ぎるところと、終盤のドラマティック過ぎる展開(映画なので仕方がないのかもしれませんが)に少し違和感を感じましたが、鈴木先生演じる長谷川博己さんと神経質な教師を怪演した富田靖子さんなど、俳優陣の素晴らしい演技もあり、独特の存在感を放つ作品で好感が持てます。
コメント
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