本、CD、映画日記

目標は年間読書100冊。その記録と目標管理をかねたブログです。

働く君に伝えたい「お金」の教養

2016-09-10 10:55:52 | Weblog
■本
69 USJを劇的に変えた、たった1つの考え方 成功を引き寄せるマーケティング入門/森岡 毅
70 働く君に伝えたい「お金」の教養 人生を変える5つの特別講義/出口 治明
71 壇蜜×西原理恵子の銭ゲバ問答「幸せはカネで買えるか」/西原理恵子、 壇蜜
72 スパルタ婚活塾/水野 敬也

69 USJをV字回復させた元P&G社員の森岡さんによるマーケティングの教科書的な本です。前作がUSJ復活の裏話的な内容で、すでに出ている次作が、数字を用いたマーケティングの上級書ということなので、その間をつなぐ入門書的な本だと思います。世界を代表するマーケティング企業であるP&Gのノウハウも随所に盛り込まれていると推察されます。何より、マーケティングを広告予算をどのように使うかという部分最適の考え方ではなく、徹底的な消費者理解に基づき、自社の製品やサービスをどのように位置付ければ最も成果が得られるか、という全体最適の考え方に立っていることが印象的です。それだけに、各部門の合議制で物事が決まることが多い日本では難しい面があり、逆に伸びしろもたくさんあることに気づかされます。マーケティングだけでなく、キャリアについての考え方についてもご自身の経験から丁寧にかつ具体的に解説して下さっているので、若い人には特に有益だと思います。

70 こちらも若い人にお勧めの本です。ライフネット生命会長の出口さんが、お金の「使い方」、「貯め方」、「殖やし方」、「稼ぎ方」についてわかりやすく解説してくれます。類似書と異なり楽しく有意義なお金の「使い方」について多くの紙面を割いているところと、「殖やし方」で「自分への投資」を最重視されているところ、そしてバブル時の名残のイケイケの精神論を批判されている点が、出口さんらしい優しさに満ちています。「稼ぎ方」についてはキャリアや政治との関わり方についても触れられており、一種の人生論的な展開を見せてきて、とても味わい深い内容になっています。とても本質的なことが書かれているのですが、語り口はユーモアで非常にわかりやすいです。

71 グラビアタレント壇蜜さんと漫画家西原理恵子さんの対談をまとめた本です。自分の力で波乱に満ちた人生を切り開いてきた方々なので、若干露悪気味に地に足のついた人生論が展開されています。結局、自分でお金を稼いで、それをささやかながらも自分や家族のために楽しく使っていくことが人生で一番素晴らしいことだということに気づかされます。

72 「夢をかなえるゾウ」などで有名な水野敬也さんによる、女性向けの婚活指南です。全編下ネタとベタなギャグが満載で、水野さんの独特の世界観になじめない人はちょっとキツイかもしれませんが、ファンの方は無条件に楽しめる内容だと思います。ただ、この世界観になじめない人でも、巻末のエピローグだけは必読です。水野さん自身の経験を踏まえつつ、自分のコンプレックスや悩みとどのように付き合って、いつか得られるかもしれない喜びに向けて一歩を踏み出すか、について優しく励ましてくれます。この部分だけでも、
「夢をかなえるゾウ」を全部読む以上の勇気を与えてくれると思います。


■映画
63 崖っぷちの男/監督 アスガー・レス
64 グランド・イリュージョン 見破られたトリック/監督 ジョン・M・チュウ

63 突然高層ホテルの淵に立ち自殺をほのめかした男の真意が次第に明らかになる、というストーリー展開に意外性があり楽しめました。悪役は実に憎々しく、協力者はひたすら献身的といったように、キャラクター分けもわかりやすいので感情移入しやすいです。恋人の兄を救うために、様々な危険をおかして、セキュリティが厳重なビルに潜入する女性キャラが現実離れしてますが魅力的です。警察の腐敗を描いたありがちなテーマですが、ストーリーやキャラクターにちょっとした工夫を施して独自性を示すことに成功しています。

64 マジックを武器に大金を華麗に奪う窃盗団を描いた作品の続編です。今回も壮大なトリックとその種明かしが楽しめますが、それよりもストーリー展開のトリッキーさで観客を驚かすことに重点を置いている気がします。ですので、前作でストーリーと絶妙にマッチしたマジックの見せ方に感心した私のような人には若干物足りなさが残るかもしれません。カードマジックの巧みな技の披露は見事ですが、ストーリーとの絡みではかなり強引ですし、何より催眠術がネタのトリックが多すぎます。とは言え、後半にかけて前作も含めたさまざまな謎が次々と明らかにされる展開は、スピーディーでかなり引き込まれました。逆に前作を観ていない人にはハードルが高いかもしれませんが、似たような作品が多い最近のハリウッド映画の中では、独自の試みにいろいろと挑んでいる好ましい作品だと思います。
コメント
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