本、CD、映画日記

目標は年間読書100冊。その記録と目標管理をかねたブログです。

Valtari

2012-07-15 10:26:59 | Weblog
■本
72 いきなりはじめる仏教入門/内田 樹、 釈 徹宗
73 第四の消費 つながりを生み出す社会へ/三浦 展

72 内田樹さんと釈徹宗さんの仏教を題材とした往復書簡です。仏教を体系だって学べるというよりも、エッセンスをわかりやすく解説してくれる本です。内田樹さんは「因果」や「善」などの仏教的な概念を、お得意のレヴィナス哲学を含む西洋哲学のフィールドに持ち込んで、いつも通り力技でわかりやすく刺激的な解釈を示してくれます。読んでいる途中はとても面白いのですが、不思議と読後にあまり残るものがなく、感想が書きにくいのは、私がこの本を本当に理解していないからだと思います。

73 現代を「第四の消費」とする分類が正しいのかどうかはよくわかりませんが、物質よりも人との「つながり」を重視する、ソーシャル志向やシェア志向への社会の流れの変化をうまくとらえた本だと思います。豊富な定量調査のデータをバックボーンにされているので、説得力も高いです。筆者が主張する「第四の消費」を体現した事例が豊富に例示されている点も参考になります。


■CD
52 Valtari/Sigur Ros

 シガー・ロスにしては珍しく、ハイテンションできらびやかなサウンド主体だった前作「Med Sud I Eyrum Vid Spilum Endalaust」からうって変わって、ゆったりとしたスケール感溢れる楽曲が続きます。私はモノトーンだが雄大な冬山のパノラマを連想しました。基本的に静かな作品ですが、音圧がすごく、聴いていると身が引き締まります。志がとても高いアーティスティックな作品だと思います。


■映画
45 阪急電車/監督 三宅喜重
46 テルマエ・ロマエ/監督 武内英樹

45 非常にウエルメイドな作品です。完成度は高いが地味な原作を豪華キャストで見事なエンターテインメントに仕上げています。阪急電車というちょうどいい洗練さ加減もうまい具合に働いています。「西武多摩湖線」というタイトルだったら、こんなスタイリッシュでかつ親しみやすい作品にならなかったでしょう。ただ、わかりやすさを優先するためか、登場人物が紋切り型過ぎますね。今どき、あそこまでひどい大阪のおばちゃんはいません。ひどいのは、どちらかといえば、そのおばちゃんを注意した宮本信子さんが演じたおばあちゃんの年代です。中谷美紀さんのオーラも半端ないですね。映画の登場人物としてというよりも女優さん自身のキャラが完全に勝ってます。

46 序盤はとっても面白かったのですが、ローマ人+日本の風呂という1ビッグアイデアだけで、2時間弱の映画を押し切るには少し長すぎたような気がします。正直中盤ダレました。阿部寛さんは、ユーモラスさとシリアスさが絶妙にマッチしたさすがの素晴らしい演技で、上戸彩さんが学芸会のように感じました。上戸彩さんは珍しくサービスショットが多く、熱演だとは思いますが、いかんせん、演技の引き出しがワンパターン過ぎます。登場する裸のおじいさん方がとてもキュートでした。
コメント (1)
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