本、CD、映画日記

目標は年間読書100冊。その記録と目標管理をかねたブログです。

Renaissance

2011-10-08 11:29:39 | Weblog
■本
82 少女不十分/西尾 維新
83 ロングエンゲージメント/京井 良彦

82 初めて西尾 維新さんの作品を読みましたが、この作品は西尾作品の入門編としてはふさわしくなかったかもしれません。前半は筆者を思わせる主人公の独白がくどいほど続き、正直読みにくかったです。とはいえ、少女が現れてストーリーが動き始めてからは怒涛の展開で楽しめました。主人公がラストの方で語る、この少女との出会いにより「異常を抱えた人間が、異常を抱えたままで、幸せになる話」をテーマに小説を書いてきたという部分は、僕が生きていく上でのテーマの一つでもあるので、明確に言語化してもらって感銘を受けました。筆者の小説論めいたものが随所に登場しますので、やはり、ある程度の西尾作品を読んだ人向けの作品だとは思います。

83 1回こっきりのインパクトや面白さ重視の広告ではなく、これからの広告は、生活者と継続的に良好な関係(「ロングエンゲージメント」)を築き、共感を得て「ハピネス」を与えるものでなければならない、という趣旨と理解しました。そして、このロングエンゲージメントを築く上では、顔の見える生活者が情報発信を行い、いい意味でも悪い意味でも企業の本性が浮き彫りにされる(それぞれの生活者が体験した企業が提供する商品やサービスの現状が事細かに伝えられますので)、ソーシャルメディアが絶大な効果を発揮するであろうというお話です。前半から中盤はこれまでのこの分野の議論のまとめや事例集が多く、参考にはなるものの、それほど目新しい内容はない気がしました。しかし、最終章にある「人間らしいコミュニケーションへ」と言う主張は、筆者が自分の言葉で誠実に書かれているので、強い説得力を持っています。この部分だけでも読む価値があります。


■CD
63 Blueprint/808 STATE
64 Renaissance/Q-Tip

63 大学生の時によく聴いていた808 STATEのベスト盤。円高でお安くなっていたので買いました。やはり初期の楽曲の方がクオリティが高く、全編を通して聴くと今となってはちょっときつい面もありますが、基本的には心地よいリズムに浸れます。ヴォーカルの入った曲もキャッチーです。

64 A Tribe Called Questのフロントマン、Q-Tipの最新作です。この次の作品(実は長らくお蔵入りだったらしいので制作は本作より前らしい)のKamaal the Abstractにが大好きだったので購入しました。Kamaal the Abstractが地味ながらもクオリティの高い玄人受けする尖った作品だったのに比べ、本作はNorah Jonesをフィーチャリングした甘目の曲に象徴的なように、万人受けするポップさの背景に確かなクオリティとアイデアが満載で素晴らしい作品だと思います。kanye westも素晴らしい才能に溢れたアーチストですが、この人はそれ以上の鬼気迫る才能を感じます。Hip Hopの一つの到達点だと思います。

コメント
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