ミカエルの函館散策記

美しい夜景と異国情緒溢れる町・函館。
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第815号 繁華街・本町にあった日本酒工場

2013年07月20日 | 建物
先の第810号では、明治時代に操業していたビール醸造所を紹介。
場所は、谷地頭町で、二階がビアホールだった。

今回は、本町にあった日本酒製造工場がテーマだ。

私が高校生のころだから、昭和30年代後半。
まだ、丸井今井デパートが、十字街にあったころ。

移転前のこのデパート敷地と、中央病院との間に、広大な空き地があった。
その空き地の中間ほどに、「日本清酒株式会社・函館工場」があり、「清酒・千歳鶴」
を造っていた。



建物の前身は、明治以後、函館の酒造業をリードしていた「丸善菅谷商店」の工場。
同商店は昭和12年、札幌市の日本清酒と合併して、「千歳鶴と五稜正宗」を製造していた。
その後、洞商店は酒造業から撤退。日本清酒の単独経営工場となった。

醸造に必要な、質の良い天然水は、七飯町からの自動車運搬。
大型トラックの荷台に、ステンレス製のタンクを積んでいた。

丸井デパートが本町進出するようになってからは、酒造には相応しくない環境となった。
同社はこの工場を閉鎖し、移転した。

辛口で、人気のあった千歳鶴。
松風町電停近くに、直営売り場があって、お得意様は飲食店で、賑わっていた。

現在、千歳鶴は札幌で醸造されている。
そのほか、「ことぶきみそ」、「余市ワイン」なども手がけている。

あれから50余年。
駅前、松風、大門地区を抜いて函館一の繁華街に成長した。
赤い灯り、青い灯りがつくと、「千歳鶴」を思い出す。



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