ミカエルの函館散策記

美しい夜景と異国情緒溢れる町・函館。
名所・旧跡・食べ処をご紹介していましたが今や万屋。
ご訪問に謝々。

第732号 不燃建築に撤した財力ある海産商

2012年06月20日 | 建物
天気のよい日は、スニーカーを履き、市電、バスの一日乗車券を
買って、西部地区を散策。
素晴らしい意匠や歴史ある建物に目を奪われ、しばし佇む。

この建物は、創業明治6年の海産商「ヤマ田・田中商店」。
現在は、「箱館昆布館」という名称であるが、休業中。

建物の構造であるが、一見、木造のように見えるが、
なんと鉄筋コンクリート造。

 

幾度かの火災経験から、不燃性の高いこの造りにした。
当時としては、店舗兼住宅にこの工法を用いることは珍しく、
財力の豊かさが推察される。

正面入り口には重量シャッター、他の開口部には鉄扉。
非常時用として、正面1階にはガス灯を設置した。

この完璧な造りが、昭和9年の函館大火から逃れることができた。

下の昆布のモニュメントは、平成になってからのもので、高さは
約7メートルほど。

 

現在は空き店舗。
創業当時は、数百軒の海産問屋が軒を連ねていたという。
さぞかし、賑やかだったにちがいない。

幕末の開港地は、長崎、神戸、横浜、新潟、函館。
函館以外の都市は、その後、県庁所在地として活況を呈しているが、ここは・・・。

カムバック、ハコダテ。
今一度、賑わいを見せて欲しいものだ。

所在地=函館市末広町12番7号
目標物=十字街池見石油スタンド


ミカエル


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