ミカエルの函館散策記

美しい夜景と異国情緒溢れる町・函館。
名所・旧跡・食べ処をご紹介していましたが今や万屋。
ご訪問に謝々。

第738号 これでも木造? 旧函館海産物取引所

2012年07月13日 | 建物
天気のよい日は、スニーカーを履き、市電、バスの一日乗車券を買い求め、
西部地区をゆっくりと散策。
素晴らしい意匠を持つ建物や歴史ある建造物に目を奪われ、しばし佇む。
私にとっては、至福のひとときだ。

この建物は赤レンガ倉庫群の裏側(東)にあり、所在は末広町15番3号。
建設は大正9(1920)年。
在職中、この建物の前を何度か通過。
階層、デザインからして鉄筋コンクリート造と決め付けていた。
ところが、れっきとした木造であることが判明。
日本人設計者の偉大さに脱帽した。

正式な名称は「旧函館海産商同業組合事務所」。
左右の膨らんだデザインが美しい。

周辺は、大正から昭和初期にかけて、百貨店や金融機関が多く、
函館経済の中心地であった。
この建物の右隣には、旧北海道拓殖銀行船場町支店が置かれていた。

 

 

 

この事務所の中には、かって「函館海産物取引所」があった。
なんといっても、取引所の特徴は、スルメを先物取引商品としていたこと。
これは、世界でただ一つ、ここだけだった。

取引所の概要
 設立~昭和26年
 解散~昭和46年
 会員数~82名(当初)
 初代理事長~平塚常次郎氏(昭和21年運輸大臣を経験)
 出来高最高~31年度 56億円

現在は、外装を綺麗にし、民間企業の事務所になっている。
懐に現金を入れた海産商が、今にも中から出てきそうだ。


ミカエル


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