コージーアンティークの日記

日記や修理・メンテナンス、アンティーク情報などもろもろをご紹介してゆきます。

良い家具の見分け方のヒント♪

2009-07-09 16:49:52 | アンティークディーラーのお勉強
朝からの作業に疲れましたので、ブログでも書いてみましょう♪


昨日、女性のお客様がいらっしゃいました。いろいろ話をしていて、彼女は舞台装置の照明のエンジニアだそうで、仕事の合間に寄ったようです。そういえば、お店のすぐ近くにほんとの小劇場(客席数50ほど)があって、役者さんとか関係者(裏方さん)とかがお店に寄ってくれます・・・そういった方の触覚に引っかかるのかも。

で、彼女の好きなインテリアの話をしました。木製の家具が良いとか・・・ね。


さて、皆さん、良い家具の選び方ってご存知でしょうか?

巷では、本物とかコピー商品とかリプロダクションとかいろんな商品が出回っていますので、さぞかし紛らわしい事だろうなぁ(笑)



まあ、家具に限らずいろいろな業界にある話で・・・以前わたしが関係してた医薬品業界にもありました。

医薬品もある程度の年数が経つと、パテント?の期限を迎えて、後発の会社が同じ成分の薬を製造・販売できるようになるのです。よく、CMで『ジェネリック医薬品』というキーワードが出てきますが、これがそうです。言ってみればコピー。業界では、このような製品を『ゾロ品』などと言ってました。

ただ、医薬品の製造・販売には薬事法の規制がありますので、製造・販売のみならず、在庫管理においても大変厳しい制限が設けられていますので、きちんとした試験に加え、生産管理・品質管理などが、部屋いっぱいになるほどの膨大な『プロトコル』という事前の定めた作業手順に乗っ取って実施されます。フォーマットだけでも大変です。ISOとかGMP/GMPIに関係のある方ならご存知でしょう。


中途半端な規模の企業が参入する事は困難だと思いますが、そういう意味で消費者もある程度安心だと思います。


その点、家具についてはその手の規制が希薄ですので、『なんでもアリ』の世界(笑)



今回は、家具本来の品質についてご紹介しましょう。



現在、店頭に置いてある二つのモダンなテーブル。



右が、ジョージ・ネルソンのオリジナルで、左はサーリネンのチューリップ・テーブル風(なんちゃって・・・)です(笑)

ちなみに、右側のオリジナルは10万円ほどと高価ですが、左側は『売り物』ではなく、ちょっとお店の外でお茶などする際に使います。販売するとしても○千円くらいかな?

それでは、細かく見てゆきましょう・・・。



上が、ネルソン・オリジナルのメラミン天板です。メラミン素材はとても堅く、頑丈ですがその分加工の際は難度が高く、通常専門の工場で行われます。また、直線ではなくラウンドでカットするのは更に大変。

下は、『なんちゃって』の天板。おそらくなにか貼ってありますね・・・薄い突き板もしくは紙製?かも。水分を含んで外周部分がふやけています。もちろん、表面の見た目や肌触りも全く別物。



脚の部分です。どちらもペイントの剥げはありますが、ジョイント部分の処理が全く異なります。ちなみに、陶磁器をつまびくように叩いてみますと、左の『なんちゃって』はキーンと高音が目立ちます・・・そうです、金属の肉厚が極端に薄いのです。



裏返してみると、一目瞭然でしょう。右側はキチンと鋳造処理で作られているのがわかります。これだけ肉厚があるので、叩いた時の音色も低音が目立ちます。



テーブルを裏から見たところですが、天板の軸受けの金属の厚みがまるで違います。

そして、右側は何よりも重い・・・。木製の家具にも言えますが、重い家具ほど密度が高く、比重が高い木材をたっぷり使っている事がその理由。まあ、イームズのオリジナルと比較しても、ネルソンのテーブルは更に作りが良いので、比べるのは心もとないのですが・・・(笑)



天板の側面のクローズアップ画像です。

無垢材とか集成材、ランバーコアやプライウッドなどいろいろな材料の呼び方がありますが、左の『なんちゃって』の天板は、『パーティクルボード』という、木片の削り片、または細片に接着剤を加えて熱圧成型した板材を使用し、側面を白いプラスティックのモールで処理しています。

テーブルに限らず収納系の家具などでも、最近はよく使われているようです。

『上質なチーク突板を使用した、北欧らしいデザイン???』なんて、意味不明なコピー(笑)が添えられた家具の内部は、このような安価な材料であることも多いかも。

なんか、左側の『なんちゃって』のテーブルの方は、『ひ・ど・い・言われよう!!』(鳥居みゆきみたいに)でひねくれてもいけないので、フォローしておきますと・・・

①安い!!
②軽くて持ち運びがラク!!
③『パーティクルボード』の製造工程では、廃木材の原料化が進められており、エコマテリアルとして再評価されつつある。

と、良い点もあります♪♪


最後に、わたしが言いたい事がありまして・・・。

各自が好きなものを買えば良いのです♪

ただ、『飽きたら捨てても惜しくないし・・・』といった理由で、安価な商品を購入し、引越しだといって、十分に使える家具を簡単に捨てるのだけは止めましょう!!

それだけは、本当にモッタイナイ。。。と思うのです。長い目で見て、飽きのこないのを買うのが賢いんじゃないかと思うのです。


そして、どんな家具でも修理して使えば長持ちします♪




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